NXT紫雷イオ防衛ティーガン・ノックス!キース・リー門出はドミニク・ダイジャコビック名勝負数え歌

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 飽きられて2時間目のチャンネルを替えられがちになり、肝心のトリのカードが最初の時間帯より視聴者数が落ちてしまう傾向を思えば、流れるように番組を構成することは大変重要なのだ。今回のNXTはGreat American Bash後ということもあり、冒頭は当然キース・リーの祝福からなんだが、亡くなった「キラー・ブルックスが師匠で父親替わりだった」と讃えていたのは知らなかった。あと、ちゃんと最大のライバル、ドミニク・ダイジャコビックにも感謝を述べたところから始まった。そしてお前にも挑戦させてやる、2本のベルトのWinner Takes ALLだという掴みである。そして早速、そのカードを今晩の番組でやると。

 
 第1試合は、駐車場を含む襲撃の因縁があるキャメロン・グライムスとダミアン・プリーストのシングル戦。ここは当然ダミアンが必殺レコニングを決めてリベンジだ。そしてティモシー・サッチャー先生のUWF関節道場セグメントがあり、フジワラ・アームバーはここを決めるとかやるのである。


 本誌が「毎週出せ」とプッシュしている緑髪ショッツイ・ブラックハートがミニ戦車に乗って登場すると、今宵のシングル相手はまだ無名のインディ・ハートウェルだという。ここはスクワッシュさせてもらえるのかと思いきや、オーストラリア出身との紹介なものの、リングネームからも有色系が混じっていると思われる新鋭が、先週から続くロバート・ストーン・ブランドのちょっかいもありショッツイが丸め込まれる結末に。

 ただ、今の段階でショッツイに勝利が期待されているわけではない。覚えられて「毎週出せ」なんでこれでいいのだ。まして、新鋭ハートウェルの売り出しにもなっているから、うまく考えたものだ。この辺りまでの流れ、構成が非常になめらかで、これだと2時間目にチャンネルを替えようとは思わせない仕掛けでもある。


 その上でキース・リーとドミニク・ダイジャコビックの名勝負数え歌がまた楽しめる案配だ。何度でもやってくれと思ったのは本誌だけではない。両雄ともに大男なのにハイフライングをやれるという抗争プログラムの原点からすれば、当然にここでは安全運転。普通にキースの勝利なんだが、終わってからキャリオン・クロスが因縁をつけて、まずはドミニクが門番になるお膳立てのようだ。つまり、リーとクロスはいきなり来週ではない順序である。


 さらに、トリの前の順番に、ここでティモシー・サッチャー先生が模範試合もやると。相手は明らかにアマレス出身の黒人選手デンゼル・デジャーネットであり、トリのハイフライング戦を前に寝技の返し合いを披露する。うまく試合順構成しているのである。フィニッシュはハーフボストンクラブだった。


 お待ちかねのティーガン・ノックスにとっては長期欠場から復帰後の、尺をもらったシングル戦としては大一番の王座挑戦。最後の紫雷イオのムーンサルトこそ、勢いありすぎて受ける方の体には乗ってなかったのだが、まぁ固いことは言わなくでいい。イオ様に1,2,3が入っての初防衛となった。もっともそれだけで終わらず、花道を引き揚げるイオにダコタ・カイがガツンとビッグブーツを見舞っている。これでスターダムで手を合わせた者同士の激闘が続くことになろう。日本発、Joshi Puroresuが天下を取っていることの証明に他ならない。カイリ・セインWWEでの集大成は、先輩アスカ戦を口にしている。2020年、WWEは再び女子だけPPV大会の開催を発表した。

 現地水曜夜、UFCは『ファイトアイランド1』がESPN局から、さらにFOX系列のFS1局からは、スポーツカーを使わず、制限内なら改造は許されるものの市販されている車両を使った自動車レースだから、特に南部の諸州では非常に人気があるNASCARも有観客で待望のイベント解禁と、競争はプロレス団体同士だけではなかった。建前上はマスク着用義務、しかも人種差別デモの高まり以降、かの昔の(黒人奴隷制を肯定していた)南軍旗の車体ペイント禁止は無論のこと、会場へのミニ南軍旗の持ち込みすら厳禁という時代の要請に従った規則が加わったが、やはりレッドネックたちには「NASCARこそがリアルの自動車レース」とばかり、平均視聴者数は203.6万人を叩き出している。
 水曜TV戦争に絞るなら通常の番組名Dynamiteだけでなく、『Fight For The Fallen』大会名を打ち出して、延期されていたジョン・モクスリーvs.ブライアン・ケイジのAEW世界王座戦以下カードを並べたAEWが前週から10.2%の上昇をみせて平均視聴者数788,000人だったのに対して、NXTは前週まで三週連続でAEWを上回ったこともあり、前週比16.9%落ちて631,000人と後塵を拝している。一方のUFCは、ナンバーシリーズでもあった『UFC 251: Usman vs. Masvidal』こそPPVビジネス的には大成功だったが、続けてのタイミングでのファイトナイト扱い『ファイトアイランド1』は、プロレスからもNASCARからも影響を受けたのか536,000人と大きく落ち込んでいた。ナンバー大会後の反動も大きいに違いない。

■ WWE NXT
日時:7月15日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 パフォーマンス・センター

◆2冠王者リーがダイジャコビッチとの激戦を制してダブル王座初防衛

 史上初となるNXT王座&北米王座の2冠王者キース・リーがドミニク・ダイジャコビック相手に王座初防衛に成功した。オープニングに登場したリーが自身の2冠達成の祝福としてトレーナー(ティム・ブルックス)やWWEユニバース(ファン)に感謝を述べると、ライバル、そして盟友でもあるダイジャコビックを呼び出して最初の王座挑戦者として指名した。これをためらいながらも受諾して後半の同日に2人の勝者総取りダブル王座戦が行なわれると、ショルダータックルやチョップの応酬で激しい攻防を展開。終盤にはダイジャコビックがブロックバスターやディスカス・ビックブートを放つも決定打とはならず、最後はリーが必殺のビッグバン・カタストロフィでダイジャコビックを沈めて3カウント。リーが激戦を制してダブル王座初防衛を果たしたが、敗戦したダイジャコビックはバックステージでキャリオン・クロスと乱闘になり、次週のNXTで2人の対戦が決定した。

◆紫雷イオが王座初防衛に成功もダコタ・カイが襲撃して新たな因縁勃発

 “漆黒天女”こと王者紫雷イオが王座挑戦権を獲得したティーガン・ノックスとNXT女子王座戦で激突した。

 試合序盤、イオは「おい!どうしたチャレンジャー」とティーガンの顔面に平手打ちを見舞うと、ティーガンもアッパーカットやヘッドバッドで攻め込んで白熱の攻防を展開。しかし、イオが放ったダブル・ニーが鉄製ステップに誤爆すると、ティーガンがチャンスとばかりにキャノンボールやクロスボディで攻撃。負けられないイオもジャーマン・スープレックスから串刺しダブル・ニー、619、ミサイルキックと怒涛の連続攻撃を決めると、今度はティーガンが渾身のローリングセントーンを炸裂させたが決定打とはならず、最後はイオが狙い澄ました掌底から必殺のムーンサルトでティーガンを仕留めて王座初防衛を果たした。

 しかし、試合後にイオが王座ベルトを掲げながらステージで勝利をアピールしていると、突如死角から現れたダコタ・カイがビックブーツでイオを襲撃し、王座戦線に新たな因縁が勃発した。


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