現地時間1月20日、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンにあるTDガーデンにて『UFC 220』が開催された。
UFC史上、初めて同じイベントでヘビー級とライトヘビー級の重量級2本のベルトが争われた今回、ヘビー級は王者”強力型戦闘隊”スティペ・ミオシッチ(アメリカ 17勝2敗)が前人未到の3連続防衛を達成し、ライトヘビー級はダニエル・コーミエ(アメリカ 19勝1敗1ノーコンテスト)がチャンピオンベルトを死守している。
セミメインイベントで行われたコーミエとヴォルカン・オーズデミア(スイス 15勝1敗)によるライトヘビー級王座決定戦は王者コーミエが主導権を握る形で試合が進み、第1ラウンド終盤にはチョークを仕掛けてフィニッシュまであと一歩に迫まったが、無念にもラウンド終了を告げるホーンが鳴ってしまい、第2ラウンドにテイクダウンからマウントポジションを取ったコーミエがパウンドを浴びせたところでオーズデミアは手も足も出なくなり、最後はレフェリーが止めに入ってコーミエの王座防衛が決まった。
過去最大の挑戦者にして総合格闘技界の大注目株フランシス・ガヌー(カメルーン 11勝1敗)を迎え撃ったミオシッチは序盤からリズムに乗り、ガヌーの強烈な打撃を食らう場面もありながら、終始、試合をコントロールしてユナニマス判定勝ちを手に入れている。驚異的な豪拳でヘビー級ランキングを駆け上がり、ついにタイトル挑戦権を得たガヌーだったが、第2ラウンド以降は体力の消耗が激しく、攻撃できない状態が続いてしまい、初めてのタイトルマッチでは完敗、UFC初黒星を喫した。
UFC 220の模様はDAZNで見逃し配信中、1月27日(土)22時から『FOXスポーツ&エンターテイメント』にて録画放送される予定だ。放送時間および放送内容は事情により変更される場合がある。予めご了承ください。
次回のUFCイベントは日本時間1月28日(日)、アメリカ・ノースカロライナ州シャーロットにあるスペクトラム・センターを舞台に開催される『UFCファイトナイト・シャーロット』だ。メインイベントではミドル級ランキング3位につけるジャカレ・ソウザと同8位のデレク・ブランソンが激突する。
■ UFC 220
日時:現地時間2018年1月20日(土)、日本時間21日(日)
会場:マサチューセッツ州ボストン TDガーデン
【メインイベント】
<ヘビー級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○スティペ・ミオシッチ
判定3-0(50-44、50-44、50-44)
●フランシス・ガヌー
勝者スティペ・ミオシッチのコメント
「第1ラウンドでつかまった。自分自身のミスだったけど、コントロールできたと思う。あいつは危ない。あのでかさを見てみろ。タフだしな。何度か強烈なパンチを食らった。当然、いい気分なんてしないけど、でも全然大丈夫。計画を練り直してもっとうまくやれるようにするよ。父親になるんだ。俺にとってはそれがすべて。子供が生まれる」
【セミメインイベント】
<ライトヘビー級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○ダニエル・コーミエ
2ラウンド(2分00秒)TKO
●ヴォルカン・オーズデミア
勝者ダニエル・コーミエのコメント
「いろいろ大変だった。最大のライバルのおかげで本当に苦労したけど、またここに戻ってこられて、こうして勝利できてうれしい。ジョン・ジョーンズに2度負けた。今回の試合に関しては空席となったタイトルをもう一度取りにいく気持ちで挑んだんだ。しっかり仕事を果たせたから、またUFCチャンピオンだ。7月に起きたことは無視できない。俺はコンペティターだから。今回はチャンピオンとして臨んだけど、挑戦者の気持ちで勝利が必要だった。自分がチャンピオンと呼ばれるにふさわしいことを証明したけど、ヴォルカンもすごい。ここまで来るヤツは誰だってそのレベルなんだ。ヴォルカン・オーズデミアもそう、戦ってきたすべての対戦相手もそう。それを手土産にスイスに戻れると思ってくれたらうれしい。若人よ、最高の試合だったぜ。かなり手ごわかったし、危ないヤツだというのは分かっていた。ハードに打ち込まれたけど、グラウンドに持ち込めてからは俺の世界さ。自分のゲームプランができたし、そうなると、勝てる流れに乗れることが多い。第1ラウンドの最後にチョークを仕掛けた。腕が相手のアゴの下に入っていたから、あと10秒あれば決めきれたと思う」
【メインカード】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○カルヴィン・ケーター
3ラウンド(0分32秒)TKO
●シェーン・ブルゴス
勝者カルヴィン・ケーターのコメント
「シェーンはすごいファイターだ。今回の試合を受けて、これだけのことをやったんだからしかるべき敬意を払わないとね。彼はきっとすぐに巻き返してくる。キャリアをスタートさせた日から、今日を思い浮かべてきた。これ以上の満足感はないよ。ニューヨークとボストンを戦わせようとしているようだけど、まあ、いいんじゃないか。彼は契約にサインしてケージに入った。何があろうと俺は相手を打ち負かしにいく。ニューイングランド対世界の戦いだ」
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジアン・ヴィランテ
判定2-1(30-27、28-29、30-27)
●フランシマー・バローゾ
勝者ジアン・ヴィランテのコメント
「見てみるまで分からないけど、相手を打ちのめした感触があった。今回のように大観衆の前で試合をするとなると、ちゃんとショーを見せないと。しっかりパフォーマンスを示してノックアウトし、主役になるつもりだった。史上最大級のヘビー級タイトルマッチが行われるイベントでデイナ(ホワイト)がいい試合順を組んでくれたからね。観衆の注目を浴びたくなるもんだろ。一気に行きたかったんだけどな。イケイケだったのに、相手がやりたがらなかった。29-28の判定はよく分からない。やられたのかな。でもこれがこのスポーツ。自力でなんとかするべきなんだ。判定は嫌いだ。勝とうが負けようが、ショーを披露するために戦っている。俺が戦いたいと言うから、デイナがこんな風に良いスポットを与えてくれるんだ。2018年の良いスタートになった。できれば次はちゃんと俺に立ち向かってきてくれて、一緒に花火を上げてくれるような相手がいい」
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
●トーマス・アウメイダ
2ラウンド(2分24秒)TKO
○ロブ・フォント
勝者ロブ・フォントのコメント
「彼は戦士。きっと復活するよ。まさに凶暴な相手だし、最初は少しやけになってしまった。彼に勝ったんだから、これでランキングはトップ10入りのはず。今回は大金星だ。彼は速いし、打撃も強い。完全なスタッドさ。いつも最初の2分間はやけになってしまう。それが何なのかは分からない。アマチュアの時からずっとそう。試合を通して落ち着き、さらに成長できたと思う。でも、すべてがスムーズにいったし、勝てた。今はゆっくりしてリラックスしたい。ただ、アルジャメイン・スターリングに勝てたらこれまた俺にとっては大金星になるだろうね」
【プレリム】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○カイル・ボフニャク
判定3-0(29-28、29-28、30-27)
●ブランドン・デイビス
勝者カイル・ボフニャクのコメント
「もちろん最高の気分さ。UFCで1勝2敗だ。今回の試合が運命を左右することは分かっていた。プレッシャーがすごくて、勝たないといけないのも分かっていた。勝てなかったら、かなりの確率でクビだっただろうし。それは望んでいなかった。自分は優れたアスリートだと思っているし、自分のポテンシャルをフルに発揮しないといけない。これまでも少しは垣間見せられていたと思うけれど、1試合を通して確実にすべてを示さないといけなかった。自分のペースをキープする必要があったし、打撃戦を望んでいたけど、今回の試合はそうならなかった。相手は優秀なストライカーだし、ムエタイのコーチだ。予想していたよりも長かったし、グラウンドもしっかりカバーされていた。自分のタイミングを図りながらレベルを変えて、フェイントも仕掛けてスマートな戦いをしないといけなかった。今年、もう1試合したい。戦って新しい契約にサインしたい。そうなるよう願っている」
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
●サバ・ホマシ
1ラウンド(3分47秒)KO
○アブドゥル・ラザク・アルハサン
勝者アブドゥル・ラザク・アルハサンのコメント
「最初の試合は満足できず、終わってもお祝いすらできなかったら最高の気分だ。リマッチをオファーされた時、”いいじゃん、やろうぜ”と思った。レフェリーに時間をかけさせたくなかったからね。これ以上は望めないくらいにベストな試合だ。試合になったら、怒りがこみ上げてきてやばかった。でも、今回は、カマル・ウスマンとか友達みんなから、がまんしろと言われていたし、とにかく落ち着いて相手をボコボコにすることだけを考えた。今回の試合はすべてにおいて自分の方が優れていると分かっていた。とにかく自分のペースで進めて、最高のノックアウトを見せられたと思う。これで次はビッグマッチに恵まれるといいんだけどな。誰かを指名するようなタイプではないから、自分のランキングアップにつながるような相手を用意してもらえることを願っている」
<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ダスティン・オルティス
判定3-0(29-28、29-28、29-28)
●アレクサンドル・パントーハ
勝者ダスティン・オルティスのコメント
「パントーハはものすごくタフなヤツだ。なんてこった、手ごわかったぜ。背後を取られて身動きが取れなくなった時はイラついた。脱出の道を切り開けるように、あと少し動けたらよかったんだけど。でも、相手が何もさせてくれなくて。スクランブルは得意なんだ。そこが自分の長けているところだと思っている。でも、それをやらせないなんて相手がすごかったってこと。(次の相手に関しては)特にないけど、前に進みたい。今回の試合でたくさんのことを学んだ。とにかく目の前にあることに集中する。特に誰とやりたいというのはない。自分より上の人とは結構戦ってきたしね。前進することに集中している」
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●ダン・イゲ
判定3-0(27-30、27-30、28-29)
○フリオ・アルセ
勝者フリオ・アルセのコメント
「信じられない。コンテンダーシリーズ出身の2人がここで戦えるなんて。試合はタフだった。気持ちも興奮もすごかったから、とにかく落ち着く必要があったんだ。ダニー(イゲ)は本当に手強いヤツだからね。これ以上はないという出来だ。最高だった。今は戻って試合を見直して、それから判断する。この試合から成長したい。ファイターはたくさんいるから、次に用意してくれる相手は誰でもいい。とにかくうれしい。デビューできたし、初戦を勝利で終えられた。ここにいられるだけでワクワクする。コロンビアの家族に勝利を伝えたい」
【アーリープレリム】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●マット・ベセット
判定3-0(28-29、28-29、28-29)
○エンリケ・バルソラ
勝者エンリケ・バルソラのコメント
「自分の方が打撃もレスリングもグラウンドからのパウンドも上だった。アメリカン・トップ・チームでローキックの練習に励んできたんだ。勝つためにすべてをまとめられたと思う。もともとはアーノルド・アレンとやる予定だったから、左利きの相手を想定していた。変更はきつかったけど、でもうまくやれた。プランが全部変わってしまったけれど、左利きだろうと右利きだろうとどっちでも戦える。今は休むよ。たぶん、数カ月くらい。でも俺はいつだってリカルド・ラマスとの試合を望んでいる」
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○イスラム・マカチェフ
1ラウンド(0分57秒)KO
●グレイゾン・チバウ
勝者イスラム・マカチェフのコメント
「グレイゾンはタフな相手だ。これがUFC、グローブが小さいね。一発で負けることもあるけど、今日は勝った。グレイゾン・チバウはレジェンドだし、とても尊敬している。UFCでの試合経験もかなり多い。タフな相手をたくさん打ち負かしてもいる。トップ15にはものすごく手強い相手がいっぱいだ。一番ヤバイそうなのはケビン・リーかな。UFC、ケビン・リーとやらせてくれ」
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