35000人を収容した1・4東京ドーム大会から一夜明けた新日本プロレス1・5後楽園大会が、またしても満員札止めで行われた。
1・4ドームのメーンではオカダが完璧なフォール勝ちでIWGPヘビー級王座防衛と、今年はL.I.J政権樹立の年と決めてかかっていたプロレスファンをあっと驚かせる結末だったが、この日はまたしても波乱の展開。
まず、ヤングライオン杯優勝の北村克哉の7番勝負が開始され、初戦ジェイ・ホワイトのブレードランナーに沈んだ。
北村は筆者が昨年のベストタッグに選んだ岡とのチーム「モンスターレイジ」の凍結を示唆しているということで、もはやヤングライオンではないとの意思表示か。
果たして岡がこのまま指を咥えて年上でも後輩・北村の出世を見送るかどうかも注目だが、SHO&YOHを見ていると、海外武者修行に出発というのも果たしてどうかといったところ。
第5試合のタグチジャパン対バレットクラブの5人タッグでは、決着が着いた後にCodyにいたぶられる飯伏幸太を、腰にテーピングをしたケニー・オメガが救出劇が展開。
その後ケニーといがみあったCodyは、レオ・トンガ、マーティ・スカルを引き連れて退場。
昨夏は未遂に終わった、Cody派とケニー派にバレットクラブが分裂しそうな展開のあと、リングに遺ったケニー・オメガがジェイ・ホワイトをバレットクラブに公開勧誘。
一旦はケニーから渡されたバレットクラブのTシャツに袖を通したジェイ・ホワイトだったが、ケニーを攻撃して拒絶する展開となった。
北米を席巻するバレットクラブ人気だが、あまりに強大すぎてライバルとなるチームが居ないのは誰の目にも明らか。
筆者は昨年、ケニー・オメガとバッドラック・ファレは日本語を話させてベビーフェースにするべきと提案したが、バレットクラブのブランドを外すのはリスクが大きいとの判断も当然で、2派に分裂しての抗争となりそうだ。
今のところはケニー・オメガ派はチェーズ・オーエンズと高橋裕二郎。G.O.Dとファレが6人タッグのベルトを奪還したので当面、ケニー派は3人のままか。
セミファイナルでは、鈴木みのるが棚橋弘至のインターコンチのベルト採りを宣言。
タグチジャパンと開戦となった鈴木軍のケイオスとの抗争はひとまず決着となった。
そしてメーンでは内藤が、外道では無く、前日バトルロイヤルとはいえデビッド・フィンレーにフォールを許したYOSHI-HASHIをデスティーノで沈めると、EVILは後藤のNEVERを、ヒロムはオスプレイのIWGPジュニアを、SANADAはオカダのIWGPヘビー級を狙う構図を演出。
やはりL.I,Jが新日マットを制圧する1年となりそうな勢いのまま、「デ・ハ・ポン」で締めた内藤を、なんとクリス・ジェリコが急襲。
本部の机を引っ繰り返して暴れるジェリコに対し、内藤は客席の椅子を掴むとリング上に広げて座るトランキーロ戦法で対抗した。
結果、ケニー・オメガとの一試合限定とみられていたクリス・ジェリコが、同じくドームで敗北した内藤と抗争開始という予想外の展開で新日新春3連戦を締めた。
年明け3連戦とはいいながらも内容的にはドームでは昨年のまとめを行い、後楽園から新たな1年の展開が始まったともいえる。
この日の試合が新日本プロレスワールドで無料配信となったのも、多くのファンに観てもらわないと今年これからの展開を飲み込めない事への配慮であろう。
この日見えた構図は、
バレットクラブ⇒分裂内紛
鈴木軍対タグチジャパン
だが、やはり中心は
ケイオス対L.I,Jで、来年のドームを睨みつつ、ひとまずはニュージャパンカップ〜北米進出にかけて熱い闘いが繰り広げられそうだ。
■ NEW YEAR DASH !!
日時:1月5日(金) 開場17:30 開始18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1737人(札止め
<第1試合 20分1本勝負>
中西学 永田裕志 〇小島聡 天山広吉
7分09秒 ラリアート⇒体固め
成田蓮 八木哲大 ●海野翔太 岡倫之
<第2試合 20分1本勝負>
●川人拓来 タイガーマスク 獣神サンダー トーア・ヘナーレ 真壁刀義
8分49秒 ピンチェ・ロコ⇒片エビ固め
TAKAみちのく エル・デスペラード タイチ :金丸義信 飯塚高史
<第3試合 20分1本勝負 北村克哉 7番勝負第1戦>
〇ジェイ・ホワイト
7分31秒 ブレードランナー⇒片エビ固め
●北村克哉
<第4試合 20分1本勝負>
●チーズバーガー SHO YOH
11分19秒 合体インディーテイカー⇒片エビ固め
〇ニック・ジャクソン マット・ジャクソン ケニー・オメガ
<第5試合 30分1本勝負>
田口隆祐 ジュース・ロビンソン ●デビッド・フィンレー KUSHIDA 飯伏幸太
13分20秒 アメリカンナイトメア
レオ・トンガ マーティー・スカル チェーズ・オーエンズ 高橋裕二郎 〇CodyWITH ブランディ・ローデス
<第6試合 60分1本勝負 NEVER無差別級6人タッグ選手権試合>
[第15第王者組]
●バレッタ 矢野通 石井智宏
14分40秒 ガンスタン⇒片エビ固め
タンガ・ロア 〇タマ・トンガ バッドラック・ファレ
<第7試合 30分1本勝負>
●ハンソン レイモンド・ロウ マイケル・エルガン 棚橋弘至
11分36秒 キラーボム
〇デイビーボーイ・スミスJr. ランス・アーチャー ザック・セイバーJr. 鈴木みのる
<第8試合 30分1本勝負>
外道 ウィル・オスプレイ ●YOSHI-HASHI 後藤洋央紀 オカダ・カズチカ
13分50 秒 デスティーノ⇒片エビ固め
高橋ヒロム BUSHI SANADA “キング・オブ・ダークネス”EVIL 〇内藤哲也
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