[週刊ファイト1月4日-11日合併号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼新日本プロレス年内最終戦も満員御礼! 勝負の2018年へファイト直言
photo text by こもとめいこ♂
・村松友視御大、2017年末に『猪木-アリ戦』本を上梓の困惑
・3年後のG1決勝戦の前哨戦たるべき名勝負数え歌第1章の岡-北村
・国内敵無し! 新日本プロレスいよいよ北米侵攻開始へ!
・2.5次元化と勝負論の同時進行輸出でWWEに対抗すべし! 勝負の来年へ向けてのファイト直言!
新日本プロレスが12・21新宿FACE『LION’S GATE』で2017年の興行を終えた。
当然の様に満員札止めとなり、明けての1・4東京ドーム大会もかなりの売れ行きということで絶好調だ。
1.4新日本プロレス東京ドーム大会。札止めの可能性が出てきました。チケット購入はお早めに!!!
— 木谷高明 (@kidanit) 2017年12月25日
新日本プロレスブームは出版業界も賑やかし、書店には、政党助成金で買い支えられるヘイトポルノと違って実際に売れるからこそプロレス本が並んでいる。
その勢いでついに村松友視御大までが猪木-アリ戦について本を出した。
ただ、内容に関しては、当時「世紀の凡戦論」に従って、弁護することなく通り過ぎた自身のけじめという印象。
猪木-アリ戦に関しては、40年前のI.Y編集長が弁護団の団長として独り論陣を張っていたし、『ミスター高橋本』前後からは、『勝負論のあった試合』とはやや趣の違う捉え方をしており、それはそのまま現在の大人のプロレスファンの評価であろう。
雲の上の直木賞作家様にいうのも恐れ多いが、正直、今さら「真剣勝負だった」みたいな話を書かれても…といったところで、日本の市場を形成するシュマーク向けとして話題にはなりそうだし、名文ではありながら、新事実の検証のような事にはなっていない。
猪木ーアリ戦に関しては近年、ミスター高橋は勿論、当の猪木さえ門外漢の交渉時の真実を新間寿氏が断片的にせよ漏らしており、セコンドに着いていた藤原組長がかつて語った「絶対に斬ってはいけない真剣で斬り合った」という評が的を射ているだろう。
筆者としては、竹刀を持った新間さんが「もうこっちは真剣勝負と唄って木戸銭を貰ってしまった。エキジビジョンじゃ迫力もないし、真剣に打ち合おう、ただしお互い一本は入らないように」と約束を取り付けてリングに引っ張り出し、「それなら…」と渋々竹刀を持ってリングに入ったアリの元へ、薙刀を手にした猪木が現れて脛を思い切り打ち付けた。ただし剣道の試合だったから一本にはならず…というところではないかと愚考している。
そんな猪木ーアリ戦同様、I.Y編集長の洞察力と先見性は未だ本を読み返すと驚かされるのだが、例えば2003年には、「イヤァオ! 」でも「ボマイェ」でもなく、まして後の「キンシャサ」など誰も想像だにしなかった頃の中邑真輔に
「リング上でブスッとしてるのは感心しない」「猪木を見習って、見た目を考えなさい」
と箴言を送っていた。