今ではほとんど使われないが、役者の世界に「もの言う芸」という言い方がある。松本幸四郎(歌舞伎役者)
　幸四郎は、さらに続けていつからか、役者の芸が、幼児化しつつあると、嘆いていた。
　プロレスにも通じるところが、あるのかもしれないと思うことがある。
　きょうのガッツワールド、セミファイナルマッチであるダイスケvsミスター雁之助、試合の前半ずっと静かだが緊張感あるグラウンドの攻防だったのだが、永遠に見ていたいと思えるほど見事なまでに、技を掛け合うプロレスだった。それこそ、言葉よりも饒舌にプロレスが訴えかけてくる、まさに「物語るプロレス」に、観客も固唾を呑んで見守る一方、双方の切り返しには、ほうっとためいきをもらしたり、拍手が起こったり、終始あたたかい空気が流れていた。

　

　雁之助との最後のシングルマッチを前にバックステージでダイスケの心中を聞いた。

「雁之助さんには遺恨などあろうはずもなく感謝しかない。自分らのために意思を曲げ復帰までしてくれたのに今回引退することになり本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。１２月のラストマッチは終わってから足腰立たなくなっても構わないそれ位全力で闘うつもりです」。

■　ガッツワールドvol.112 GUTS ISM 2017
日時：10月17日（火）
会場：東京・新木場1stRING　観衆 172人

＜①「ガッツワールド vs ヒートアップ」（30分1本勝負）＞
○田村和宏
　9分44秒、アンドレ
●大谷譲二



＜②「ドレイク兄弟 vs アベトオル」（30分1本勝負）＞
○TORU　阿部史典
　7分12秒、シャイニングウイザード⇒片エビ固め
●ドレイク森松　ドレイク高井

＜③「新木場異次元対決！」（30分1本勝負）＞
○黒田哲広
　5分35秒、首固め
●小仲＝ペールワン

＜④「VIOLENCE WAR」（30分1本勝負）＞
○マスクドミステリー
　5分11秒、レインメーカー式チョークスラム⇒片エビ固め
●アミーゴ鈴木

＜⑤「ハッとしてgood vs IWA熱波軍」（45分1本勝負）＞
○翔太　新井健一郎　バッファロー
　13分30秒、首固め
松田慶三　●YUJI KITO　くいしんぼう仮面

＜⑥「ダイスケ引退ロード第1弾」（60分1本勝負）＞
○ミスター雁之助
　30分11秒、雁之助クラッチ
●ダイスケ

＜⑦「GWC認定6人タッグ選手権試合」（60分1本勝負）＞
○ガッツ石島　影山道雄　CHANGO
　16分18秒、スーパーデーモン⇒エビ固め
折原昌夫　ディック東郷　●梁和平
※第18代王者組5度目の防衛に失敗。ガッツ組が新王者組となる。

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’17年10月19日号ターザン山本J鈴木新日両国全日WAVEアイス電流爆破Pan前田日明