[ファイトクラブ]爆発大炎上ダブルメインイベント電流爆破!お台場にあの頃のFMWを再現してみせた大仁田一世一代のグランドイリュージョン

[週刊ファイト10月12日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼爆発大炎上ダブルメインイベント電流爆破!
 お台場にあの頃のFMWを再現してみせた大仁田一世一代のグランドイリュージョン
 photo & text by 猫山いそみ
・ダブルメインの電流爆破2試合に観客熱狂!夜のお台場大炎上!
・日米決戦はあの頃のFMW荒唐無稽エンターテイメントプロレスが甦った!
・地獄の業火危なすぎてマスコミも柵の外に強制退去!
・カシンがリング上から藤田和之を呼び出した!
・昏睡の大仁田観客のコールに立ち上がり絶叫「お前らのために死なない!」


■ さよなら大仁田、さよなら電流爆破
 大仁田厚ファイナルツアー“ノーロープ有刺鉄線電流爆破 in お台場
日程:10月9日(月・祝) 開始:17:30
会場:お台場野外特設会場 観衆2700人(満員)

 季節はずれの真夏日、炎天下の六本木TUTAYAでクリストファー・ノーラン監督作品バットマンダークナイトのDVDが流れていて思わず立ち止まって見入ってしまった。いまは亡き名優ヒース・レジャー扮するジョーカーが、大病院を爆破するシーンを見て我に返る・・・そうだ、こんなところで呑気に映画見てる場合ではなかった。

 ゆりかもめに乗ってお台場へ。到着したのは開場前。バックステージテント前には、つかの間の平和を謳歌する選手の面々が三々五々寛いでいた。ほどなくそこへ、大将~大仁田厚選手が登場。選手が次々挨拶する合間に声を掛けた。

「ジョン・レノンみたいですね。(写真)一枚お願いして良いですか?」快く応じてくれた。「ちなみに8回目の復帰は・・」おずおずと尋ねるも、答える代わりに意味深に微笑んで立ち去った。

 開場前の屋台に沖縄プロレスのスペル・デルフィン選手とエイサー選手をキャッチ。スペル・デルフィン選手、さすが社長の太っ腹で、エイサー選手はもとより初対面ではないがさほど面識のない私にも「おごったる」。

 猪肉のステーキをご馳走になりながら大仁田選手の去就について聞いてみたところ「(大仁田選手は)もう年も年やし・・でもわからんな」さらに同じ質問をエイサー選手に投げかけると、「自分は(大仁田選手に)辞めて欲しくないからご復帰期待しています」。

 ちなみに「大仁田厚選手の8度目の復帰は、あるか」という質問をバックステージで出場プロレスラー、客席で観客各10人にランダムに投げかけてみたところ、プロレスラーはひとりを除き9人が復帰すると答え、観客は10人中10人全員「復帰は、ある」と答えた。私はこの結果はプロレスファンの期待すなわち、プロレスラー大仁田厚には生涯現役でいてもらいたいとの願いと解釈した。

 この日のメインイベントは驚愕のダブルノーロープ有刺鉄線電流爆破マッチという、料理で言うならさしずめメインディッシュにサーロインステーキを食ったあともう一回メインディッシュに今度は中華のユーリンチー来ました的な、腹いっぱい胸いっぱいの大盤振る舞いの対戦カードが組まれていた。

<第8試合 ダブルメインイベントpart1~“日米決戦”ノーロープ有刺鉄線電流爆破10人タッグデスマッチ 時間無制限1本勝負>
[邪道軍]大仁田厚 雷神矢口(フリー) 保坂秀樹(フリー) ○佐瀬昌宏(フリー) HASEGAWA(A-TEAM)
 10分15秒 電流爆破バット⇒体固め
マット・トレモント(CZW) DJハイド(CZW) NOSAWA論外(東京愚連隊) FUJITA(東京愚連隊) ●チェーンソー・トニー(フリー)

“日米決戦”は、まるでお伽噺さながら”あの頃”のFMW、国際色バラエティーに富んだ魑魅魍魎の祭典と化した。チェーンソー・トニーがオイル臭をまき散らかしながら客席へと乱入すれば、論外は映画『バットマン・ダークサイド』のジョーカーさながらに笑いながらギターをかきならし爆破の火柱をあげる。危険すぎて、マスコミすら柵のなかには入れない。

 狂乱の御伽草子、大観衆の悲鳴にも似た歓声のるつぼの中、選手たちはかがり火に群がる蛾のように爆破の業火に身を投じ悶絶しながら立ち上がる。
 柵の外からカメラを向けるカメラマンにもしばしば下がれという指示が飛ぶほどに、打ち上げ花火は激しさを増していく。きょうの昼間にTUTAYAで垣間見た「バットマンダークナイト」の、大病院爆発炎上シーンの再現を見ているような錯覚に陥った。

<第9試合 ダブルメインイベントpart2~史上初!ノーロープ有刺鉄線電流爆破ダブルメインイベント!>
邪道軍vsはぐれIGF軍 ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ 時間無制限1本勝負
[邪道軍]●大仁田厚 雷神矢口(フリー) 保坂秀樹(フリー)
 4分35秒 カシンと藤田のサンドイッチ電流爆破バット⇒体固め
[はぐれIGF軍]ケンドー・カシン(フリー) ○NOSAWA論外(東京愚連隊) FUJITA(東京愚連隊)

 正直もうおなかいっぱいというほど爆発炎上を堪能したひとつめのメインイベントの余韻に浸る暇もなくもう一回メインイベントの幕があがった。

 終わるのか終わらないのかわからないプロレスの迷宮~それはまさに、過去に7度の、引退と復帰を繰り返してきた大仁田厚のプロレスラー人生を象徴するかのような、ダブルメインイベント、ダブル有刺鉄線電流爆破マッチであった。

 しかも試合半ばでカシンが、携帯を取り出し誰かを呼び出す。

 誰かが観客席の後方からゆっくりと歩いてきた。藤田和之であった。


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