他団体がうらやむ圧倒的な選手層の厚さを誇る新日本にあって、若手も近年になく充実している。
その勢いをかってヤングライオン杯が12年振りに『山本小鉄メモリアル 第11回ヤングライオン杯争奪リーグ戦』として復活。
開幕戦が10・12新宿FACE・LION’S GATE PROJECT8にて行われた。
L.I.J、ケイオス、鈴木軍という興行の3本柱を除いて、ヤングライオンと第3世代、他団体からの4選手という陣容で新宿FACEをあっさり前売りで完売させるのも他団体からしてみればため息が出る勢いであろう。
試合の方も人気に違わぬ内容で、場内は第1試合からヒートアップ。
川人が新技回転延髄斬りを繰り出せば、北村はパワーで押し切って危なげなく勝利。
筆者個人的ベストバウトは、岡-海野戦。
海野がエルボー合戦で岡をぐらつかせて大健闘。フロントスープレックスからボストンクラブで屈したが、試合後もグロッキー状態から岡の身体に手を伸ばすガッツを見せた。
その勢いに押された岡が膝を引きずって退場、その後セコンドにもつかず、今後に不安を残した。
リーグ戦の方は、プロレスのキャリアでいえば圧倒的に川人だが、北村、岡は格闘家としての大先輩。
人気の面でも既にメーンに名を連ねてもおかしくない状態だけに、新日としても悩ましいところだろう。
筆者は格闘技の実績からいって岡・北村を早く抜擢すべきと思ってきたし、特に北村は年齢的にヤングライオンとして括るのはそもそも無理がある。
岡が膝の負傷で1歩後退となっただけに、北村の優勝が濃厚か。
本当なら年末のタッグリーグ戦にモンスターレイジで参戦してもらいたいところだが、年内は下積みと割り切って早くとも1・4東京ドームからの本格始動となりそうだ。
リーグ戦が終わって後半戦は他団体と第3世代の交流戦となったが、本隊のみの出場だけにファンも概ね温かく勝利をアシストした。
小島、永田はG1からの好調を維持していたし、中西、天山の動きも悪くはない。
ただ、浅川、靑柳という主力級を贈り出した全日とKAIENTAIとしては、主流から外れている天コジの引き立て役に回るのは忸怩たる思いもあるだろう。
来年、北米侵攻後も国内の興行数を維持しようと思えば、他団体との交流は不可欠なだけに、第3世代にはスポットライトを浴びることへの未練を断ち切る決断が迫られるかもしれない。
※現地取材詳細版は金曜20日発売の『週刊ファイト10月26日号』に収録されます。
■ LION’S GATE PROJECT8
10月12日(木) 18:00開場 19:00開始
会場:東京・新宿FACE
観衆:462人(札止め)
<第1試合 15分1本勝負 山本小鉄メモリアル 第11回ヤングライオン杯争奪リーグ戦>
〇川人拓来
7分14秒 回転延髄斬り⇒片エビ
●成田蓮
<第2試合 15分1本勝負 山本小鉄メモリアル 第11回ヤングライオン杯争奪リーグ戦>
〇北村克哉
8分32秒 ジャックハマー片エビ固め
●八木哲大
<第3試合 15分1本勝負 山本小鉄メモリアル 第11回ヤングライオン杯争奪リーグ戦>
〇岡倫之
10分50秒 逆エビ固め
●海野翔太
<第4試合 30分1本勝負>
〇中西学
7分32秒 アルゼンチン・バックブリーカー
●吉野コータロー
<第5試合 30分1本勝負>
〇小島聡 天山広吉
12分33秒 ラリアート⇒体固め
●GO浅川 青柳優馬
<第6試合 30分1本勝負>
〇永田裕志
12分12秒 バックドロップホールド
●兼平大介
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