IWAジャパンプロレスの浅野起州社長が、一夜限りの復帰試合を行うというニュースが入ってきました。
失礼ながら、IWAジャパンプロレスはこのところほとんど活動はしておらず、団体の“名物社長”である浅野さんの名前も久しぶりに耳にしました。
浅野さんは、いわゆる“出たがり社長”で、団体のフロントがリングに上がった走りとも言える人物です。
かつてタイガー・ジェット・シンや、現在もDDTで活躍するゴージャス松野さんとの絡みは人気を博したものでした。
IWAジャパンといえば、豪華な外国人勢が魅力でした。
先のタイガー・ジェット・シンはじめ、スティーブ・ウィリアムス、ハックソー・ジムドゥーガン、ビッグ・ボスマンなど、メジャーでトップを張っていた外国人レスラーが次々と来日していました。
そんな環境下、デビュー間もないオイラがおよそ2年半の間IWAでお世話になったことは、その後のレスラー人生においてとても大きな財産となりました。
中でも、特に思い出深いのが“放浪の殺し屋”と呼ばれた、ジプシー・ジョーです!
IWAジャパンのリングで、ジョーさんとオイラは感動の再会を果たすことになるのです!
『再会』といっても、それはオイラの一方的なものでしかありません。
実は、オイラが生まれて初めて生で見たプロレスラーがジョーさんだったのです。
忘れもしない、1980年6月30日。その日は、当時中学1年生だったオイラが、初めてプロレスを生観戦した日です!
それは、国際プロレス『ビッグサマーシリーズ』開幕戦、後楽園ホール大会でした。
当時の国際プロレスは、崩壊の一年前ということもあり、人気も低迷していた時期でした。客席もまばらで、対抗勢力の新日本プロレスと全日本プロレスには興行面で大きく水をあけられていました。
それでも、何故かオイラは国際プロレスが大好きでした。
この日の後楽園大会は、団体の存続を賭け豪華な顔ぶれが揃っていました。
セミファイナルでは、新日本プロレスから殴り込みをかけたストロング小林&永源遥組が、アニマル浜口&寺西勇組から、国際プロレスの至宝IWAタッグベルトを奪取!
他にも、大木金太郎が力道山先生ゆかりのインターナショナルヘビー級ベルトを引っ提げて参戦! また、ディック・ザ・ブルーザーの義理の息子、“鋼鉄の虎”スパイク・ヒューバーが初来日したのもこのシリーズでした。
しんがりは“エース”ラッシャー木村登場! メインのタッグマッチで外国人エースのジプシー・ジョーと対戦しました!
この頃木村さんとジョーさんは、金網デスマッチで血で血を洗う抗争を続けていました。シリーズの最終戦では、IWAヘビー級のタイトルマッチを控えていたため、両者とも絶対に負けられない一戦です。その気迫が伝わり、自然と会場のファンもヒートアップしていました。
中学1年生で、身長168センチしかなかったオイラにとって、初めて生で見るプロレスラーはとにかくデカかった!
木村さんやジョーさんの胸板の厚みは半端なかった! そんな“怪物”同士がリング上で殴り合う姿は豪快そのものでした!
オイラは、手にしたカメラで両雄を撮りまくりました! 当時は場外フェンスなどなく、観戦マナーも緩かった(?)ので、エプロンサイドまで行きシャッターを押し続けました。気分はもうプロレスカメラマンです(笑)!
そんな時、試合は突然場外戦となり、ジョーさんとオイラが対峙する場面があったのです! オイラは、とても生きた心地がしませんでした! 金縛りにでも遭ったかのように、呆然と立ち尽くしてしまったのを今でもよく覚えています。プロレスラーの迫力をまざまざと感じた瞬間でした。
月日は流れ、オイラも憧れのプロレスラーになりました。初めてプロレスを観たあの日から20余年、ジョーさんと試合をする日が来るなんて、12才のオイラに言っても絶対に信じないでしょうね(笑)!
プロレスとは、なんて夢のあるスポーツなんでしょう? 子供の頃テレビで観ていたスター選手とプロの舞台で対戦するなんて、野球やサッカーではとても考えられませんからね。
もちろん、その時の話をジョーさんにしました。ジョーさんは懐かしそうに目を細めてオイラの話を聞いていました。
そんなジョーさんも、今はもうこの世にいません。
控え室で一緒に撮らせてもらった写真が唯一の宝物です。
写真のジョーさんは、すでに70才を過ぎていました。あんなに大きかったジョーさんは、すっかり小さくなっていました。
今でも時々、ジョーさんと試合した時のことを思い出します。
ジョーさんのチョップはとっても痛かったけど、何だかちょっぴり嬉しかったな。やっぱり、大きくて強いジョーさんは、オイラの中では永遠です。
ジョーさんありがとう! いつまでもオイラのことを空から見守っていてくださいね!
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