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5月27日(現地時間)にポーランド・ワルシャワで『KSW 39: Colosseum』が開催された。
KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。
そして今大会は6万人収容のワルシャワ国立競技場で開催する団体最大の大会となった。すでに前売り券で5万枚以上のチケットが売れるという人気の高さが各ニュースサイトでも驚愕の事と報じられて話題になっている。結果、MMA史上2番目(1位はダイナマイト)の興行入場者数を誇る最大のMMA大会となった。
今大会は5つの王座戦が組まれているが、目玉はやはりモンスター4人のメガファイトだ。KSWが急成長を遂げたのは、ポーランドの国民的英雄、ワールド・ストロンゲストマン・コンテスト5回優勝という怪力世界一男マリウス・プジアノフスキーがMMAデビューを果たしたKSW12からである。乱暴な例えをすると王や長嶋がMMAに転向して本気で取り組んでくれた様なものだ。このプジアノフスキーと対戦するのが、ポーランドのストロンゲストマン・コンテスト王者であるディベリウス・コヴァルチックだ。いわば怪力世界一男対ポーランド怪力男という究極の一騎討ちという夢のカードだ。ちなみにコヴァルチックもMMAデビューしており、ポーランドのMMA団体Fight Exclusive Nightで3戦全勝、しかも全試合1RでTKO勝利だ。この実績をひっさげてKSWに初参戦で怪力対決を行う事になった。試合は前にでるプジアノフスキーがローキックで追い詰める。一発の破壊力がスーパーヘビー級で強烈なのでコヴァルチックが足をひきずる展開となり、2Rに遂にプジアノフスキーの剛腕パンチでコヴァルチックがダウン。追撃のパウンド、そしてグランドで逃がさないプジアノフスキーは強烈なエルボーを落とすとコヴァルチックがタップ。プジアノフスキーが怪力男対決に完勝した。
また、ボディビル王者であるロバート・ブルネイカが2013年以来、遂にMMAに復帰する。合気道の達人がMMAに出たらどうなるのか?という疑問と同じくらい、ボディビルダーがMMAに参戦したらどうなるか?という疑問は長年、格闘技ファンの興味だったが、このブルネイカはボディビルダーのまま2012年にポーランドのMMA団体MMA AttackでMMAデビュー。マルチン・ナイマンを秒殺KO勝利してボディビル最強を知らしめた。この試合は格闘技マスコミより、一般芸能マスコミで大きく取り上げられ話題となった。そのブルネイカMMA復帰戦の相手は、なんと眼球に刺青をした驚愕のラッパー、ポペック・モンスターだ。ポーランド人だが英国在住で本名パベウ・ラクだが、ラッパーとしての名義ポペック・モンスターの名前が世界に広く知れ渡っている。もちろん、MMA選手でもあり、前回のKSWでプジアノフスキーと名勝負を演じ敗れている。怪物2人の試合は、筋肉の鎧を身にまとったブルネイカが突っ込んでくるが、モンスターが右フックで迎撃。これでブルネイカはダウンし、なんとか立ち上がるがモンスターのパンチラッシュを食らって悶絶。バックマウントからパンチを浴びたブルネイカがタップして、モンスターがTKO勝利で完勝した。
またメインはKSW実力の絶対エース、ミドル級王者マメッド・ハリドヴがウェルター級王者ボリス・マンコフスキーと王者対決を行った。ハリドヴは非UFC最強と言われ、13連勝中。しかも相手がマット・リンドランド、メルヴィン・マヌーフ、ケンドール・グローブなど世界的なメジャー選手を相手に一本勝ちの山を築いている。試合はマンコウフスキーが顔を固くガードしており、ハリドヴがかかと落としや飛び膝蹴りで攻撃するも崩せず、逆に2Rにはマンコウフスキーがラッシュで攻める場面も。それでも3Rにテイクダウンに成功したハリドヴが判定で勝利した。
ヘビー級王座戦は、KSW若き絶対王者として君臨していたカロル・ベドルフをKOして新王者となったフェルナンド・ロドリゲス・ジュニオールに、その敵討ちとして立ち上がったKSWの人気者、モヒカン野郎マルチン・ロザルスキーが挑戦した。極真空手出身で元々はK-1で活躍したキックボクサーであるロザルスキーだが、ジュニオールはチーム・ノゲイラ所属のMMA猛者。当然、下馬評はジュニオール有利だったが、なんとロザルフスキーの下がりながらの左フックがジュニオールの顎を打ち砕いた。ジュニオールは前のめりに倒れ込み失神。ロザルフスキーがKO勝利で新王者となり、やはりヘビー級は一発で全てを覆してしまう面白さがある事を改めて証明した。
■ KSW 39: Colosseum
日時:2017年5月27日(現地時間)
場所:ポーランド・ワルシャワ ワルシャワ国立競技場
<ミドル級/5分3R>
○マメッド・ハリドヴ(ポーランド)
判定 3-0
●ボリス・マンコフスキー(ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
○マリウス・プジアノフスキー(ポーランド)
2R 2分50秒 TKO
●ディベリウス・コヴァルチック (ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
○ポペック・モンスター(ポーランド)
1R 0分45秒 TKO
●ロバート・ブルネイカ(リトアニア)
<ヘビー級王座タイトルマッチ/5分3R>
○マルチン・ロザルスキー(挑戦者/ポーランド)
1R 0分16秒 KO
●フェルナンド・ロドリゲス・ジュニオール(王者/ブラジル)
<ライトヘビー級王座タイトルマッチ/5分3R>
○トマス・ナルクン(王者/ポーランド)
1R 4分59秒 三角絞め
●マルチン・ボイチク(挑戦者/ポーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ウカシュ・ユルコフスキー(ポーランド)
判定 2-1
●ティエリー・ソクジュ(カメルーン)
<ライト級王座タイトルマッチ/5分3R>
○マテウス・ガムロ(王者/ポーランド)
判定 3-0
●ノーマン・パーク(王者/英国)
<フェザー級王座タイトルマッチ/5分3R>
○クレベル・コイケ(挑戦者/ブラジル)
判定
●マルチン・ロゼク(王者/ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
○ミハウ・アンドレシャク(ポーランド)
1R 1分14秒 アナコンダチョーク
●ミハウ・キタ(ポーランド)
<ミドル級/5分3R>
○ダミアン・ヤニコフスキ(ポーランド)
1R 1分26秒 TKO
●ジュリオ・ガレゴス(米国)
<女子フライ級王座決定戦/5分3R>
○アリアネ・リプスキ(ブラジル)
1R 4分52秒 腕十字
●ディアナ・ベルビタ(ルーマニア)
【海外情報の決定版!UFC実況解説者!稲垣收】
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