「見ないと損する。後悔したいのなら見なければいい」立嶋篤史インタビュー 1・27『REBELS.14』~増田博正引退セレモニー~

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【立嶋篤史スペシャルインタビュー】
――現在の体調はいかがですか?
体調、体調ってよく言われるんですが、別に悪くても良くても関係ないと思います。良くても試合が駄目な時もあるし、悪くても試合に勝つ時もあるので。怪我してたら負けるわけでもないし、怪我してなくても負ける時はあります。調子が悪くても良い試合する時もあるし、調子良くても駄目な試合の時もあります。だから、あんまりどうこう考えないです。
――確かに体調が悪かったり怪我をしている時の方が良い試合をする選手は多いですね。
圧倒的に多いですよ。悪い時の方がそれだけ気持ちを集中してくるから。
――現在、立嶋選手の立場は独特な位置にあると思います。90年代、日本を代表するスーパートップの座にありながら、今も闘い続けている唯一無二の選手ということで。
今まで僕よりも立派な成績を残した諸先輩方も含めて、僕ほど長い時間、選手をしているのは多分いないと思うんです。
――15歳デビューで、今年27年目。ずっとプロを貫き通しておられますが、その心持ちは変わらないものなのでしょうか?
変わらないです。
――普通の選手は、ベルト獲ってから辞めるとか、ここまでやったから引退するとか、そういう目標があると思うのですが、立嶋選手は、今、何を目標に闘っているのでしょう?
何を目標にって言われると上手く言えないけれど、強くなりたくないのに試合をやってる人はいないと思うんです。有名になりたくないのに試合を続ける人もいないでしょう。ボランティアでキックボクサーをやっているわけではないんで。納得したいし、満足したいから。それは、やっぱキックボクサーとして。昔から言ってるんですけど、地位も名誉もお金も欲しいです。昔から。でも、他のことをやって、たかが10万とか、20万とか多く稼ぎたいわけじゃない。信念を曲げて、その程度のギャラで、他の団体でお小遣い稼ぎをして志を売るなんてことはしません。
――現在、格闘技界は、更なる団体乱立やK-1やIT’S SHOWTIMEの崩壊、GLORYの台頭など混乱を極めていますが、それについて思うことは?
しようがないですよね、皆さん、頭悪いんで。観てる人もあまり考えてないし、やってる人も考えてないんで。少しでも媒体に出るのになびいたり、少しでもお金がもらえたら喜んで尻尾を振るから。志に芯がない。でも、僕みたいな人間がいれば、少しは、似たような人間が増えるかなと思うし。1人が2人になって、2人が4人になって、少しは良くなるかなぁと。
――プロモーションとしては、どうしても世界で主流となってきているので、K-1ルール的なものが必要になってきて、「肘打ちあり」「首相撲無制限」「基本5回戦」のムエタイを源流とする元祖キックボクシングと2つのルールを並行して採用しなくてはならないという現実もあります。
(K-1ルール的な)それは、ヨーロッパとかに任しといて、向こうからの選手呼ぶ時だけにヒジなしのルールでやるとかでいいんじゃないですか? 20年ぐらい前のように。マーシャルアーツ(30年ほど前にアメリカを中心としてK-1に近いルールで行われていた格闘技)とか今では聞かないですよね。80年代なんか、マーシャルアーツがキックに流れてきて、「キックボクシング」っていう存在すらよく分からない時代に僕は、これを始めました。またそうなると思います。K-1とかも、「そういえばあったね」っていうか、そういうのがあったことすら知らない人がこれから沢山出てきて、その時に「キックボクシングって何ですか?」って入ってくるのかなと。
――立嶋選手のキックとは、やはり昭和から続く伝統的な5ラウンド、肘あり、首相撲無制限のキックボクシングなのでしょうか?
「格闘技」って言葉、すごく紛らわしいです。まずそこから説明しなければならないじゃないですか。例えば、ボクシングの説明はルールを知らない人にでもできる。でも、「(最近のキックは)何でこの団体は延長戦があるの?」とか、「なんで、ここはラウンド数が短いの?」とか。そういう説明をしなきゃいけないものなんて、競技としては論外なんですよ。だって、全く知らない人が見に来て、「なんでこの人はこの格好で許されるの?」とか、「なんで片方がグローブをして片方がグローブしてないのとか?」とか、そういう説明をしなくていいように、キックボクシングならキックボクシングをやればいいんですよ。団体がたとえ多くても、同じルールでやって競い合うべきなんです。より良い選手を育てて、より良い試合をして。それで稼げるように選手が頑張るべきなんですよ。たったそれだけでいいと思うんですけれども、(団体分裂など)仲違いして出て行ったはいいけれども、やっぱりオリジナリティーは中途半端に出したいからって、微妙にルールを変えたり……そういうのって、逆にオリジナルじゃないですよね。コロコロとルール変えたり、急に採点基準変えたり余計に解りづらい。「ムエタイ」はタイ語だから分かりにくい。タイの国技だからムエタイ。日本ではキックボクシング。それでいいと思うんですよ。その上で、現実としてタイが一番強いんだし。なんとかルールの人も結局タイに練習に行ったりするわけじゃないですか。タイ人のミットがいいからトレーナーに持ってもらったりする。でも、その割にタイを度外視してたり。独自性を主張してルールを変えていったり。例えば野球で、1塁から走るものや3塁から回るルールもあったりすると訳分かんないです。三振ではなく四振でアウトにしたりするような要らない個性と似ています。
――キックへのこだわりの話は尽きませんが、立嶋選手の話に戻します。これだけの長い間、現役を続けていることで、「もう選手として終わりかけてるじゃないか?」とか、「パンチドランカーなのに無理やり続けているのではないか?」などと言う人もいます。
僕、身体が駄目なのに無理矢理やってるわけじゃないんで。追い込んで練習も出来るし。僕以上に気持ち込めてやってる人もいないし。無事なのにとやかく言うのは「職業選択の自由」への侵害に当てはまるんじゃないかなあと。
――日本フェザー級最強選手の一角、駿太選手との一戦(昨年9月2日)は、正直、ミスマッチかと思っていましたが、結果、競った試合になっていました。無敗のホープや現役ランカーとやっても常に熱戦になっています。もちろん負けることもありますが、それにしても入場から退場までの立ち振る舞い、試合内容、全部含めて、立嶋選手は、徹底してプロを貫いているし、説得力があります。
僕が全然練習しないでリングに上がったりとかなら何を言われても仕方ないでしょう。そういうベテランの人とか今までいっぱい見てきてます。練習しない。走らない。減量中に酒を飲んで、練習も適当で、ブヨブヨの身体で試合する。もし、自分がそれに当てはまるんであれば、何を言われてもしようがない。でも、実際に自分がどこか障害を隠していて、本当は片目が見えないとか、脳に障害があるとか、それを誤魔化して自分の好きなようにやっているなら、「まわりに迷惑をかけるから辞めろ」って言われるのも解るし、僕も辞めるべきだと思う。もちろん、そうなる前に辞めます。五体満足で辞めたいんで。でも結局、中学生でも高校生でも中年でも事故は起こる時は起こるし、僕の身体に問題がなければ、その可能性は一緒だと思うんですよ。
――キックにこだわるあまり、何が何でもそれでお金を稼ぎたいと執心しているわけではない?
もちろん、この競技で稼ぐことに固執はしています。でも、キックボクシングがキックボクシングでなくなるなら、昔に戻って警備員をやったっていいわけだし(立嶋選手は、ジムをオープンする前に警備員のバイトをしていた)、土方をやったっていい。ただ、似たような競技やって、適当にお金稼ごうとか名前を売ろうとかはないです。
――更に辛辣な物言いとして、立嶋さんが現役を続けている理由を「スポットライト症候群なのではないか?」との声もあります。
そういう人は、野球やサッカーの中継をサウナで見ながら好き勝手に批判している輩と同じで、自分は安全で責任を問われない立場から偉そうに物申したいだけじゃないですか。政治についてもそうですよね。何言っても責任問われるわけじゃないし。交通事故に遭って6年以上もブランクを作って、再起不能だとか、もうやらせるなとか、勝手に言う。練習も見てないし、僕の生活にも関わっていない人間が無責任に。まぁ、言いたい人は言えばいいし。
――改めて立嶋選手、現在の具体的な目標は?
ありますよ。言わないだけで。
――また、今回、1999年6月1日に試合をした増田博正が引退しますが、同時代を共有したキックボクサー仲間として、送別の言葉などいただけますでしょうか?
僕が言える立場じゃないんで。僕がもう辞めた選手なら言えるのかもしれないですが。
――増田博正選手との試合は覚えていますか?
(試合については)あまり覚えてないです。あの時は本当に色々あって。色んな圧力とか。練習場所もなくて。わざと自分の記憶から外してる部分があるかもしれないです。それはどうでもいいことだけど、辞めていく人間に続けている人間が何か言うことなんてないでしょう。
――今回の試合に当たって、対戦相手の立澤敦史選手の事はご存知でしたか?
試合を組まれてから知りました。
――立澤選手は、1995年1月7日に試合をしたチャモアペット会長(“ムエタイの神”とまで呼ばれた伝説の王者)の弟子ですが、そういったところに思い入れなどは?
関係ないです。興味もない。とにかく、選手は、練習を頑張って良い試合をすれば、それでいいんじゃないですか。周辺のなんかしらを語るのは、見る側の自由なんで、それはお任せします。どう思おうと、どう冷やかそうと、みんな自由。見るのも自由、見ないのも自由。ただ、僕の試合は面白いですよ。
――「見るのも自由、見ないのも自由、ただ、僕の試合は面白い」、至極名言です。
見ないと損をする。そんな試合しかしません。後悔したいのなら見なければいい。
リングネーム:立嶋篤史 Atsushi Tateshima
所属:ASSHI-PROJECT
本名:立嶋篤史
生年月日:1971年12月28日
出身地:東京都豊島区
身長:173cm
戦型:オーソドックス
得意技:ローキック、肘打ち
血液型:AB
デビュー年月日:1987年8月3日
戦績:76戦40勝(26KO)32敗4分
ステータス:元全日本フェザー級王者
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■ REBELS.14~増田博正引退セレモニー~
日時:1月27日(日) 12:30開場 13:00開始予定 全試合終了予定 20:00
主催:REBELSプロモーション
会場:ディファ有明(TEL 03-5500-3731
チケット前売り:SRS席 15,000円(16,000円)、RS席 10,000円(11,000円)、A席 7,000円(8,000円)、B席 5,000円(6,000円)完売 ※ カッコ内は当日料金。
チケット販売所:e+(イープラス) http://eplus.jp [パソコン/携帯]、REBELS公式ブログ、REBELSプロモーション事務局、参加各ジム、各選手
REBELS公式ブログ
お問合せ:e-mail rebels.muaythaiアットマークgmail.com
【全カード 時間はあくまで目安】
<第3部 REBELSムエタイ 第21試合 メインイベント WPMF日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5回戦 WPMF日本ルール 19:35>
T-98[タクヤ](クロスポイント吉祥寺/WPMF日本ウェルター級王者)
vs.
田中秀哉(RIKIX/WPMF日本ウェルター級2位)
<第3部 REBELSムエタイ 第20試合 51.5kg契約 3分5回戦 WPMF日本ルール 19:10>
松崎公則(STRUGGLE/WPMF日本スーパーフライ級王者)
vs.
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF日本フライ級7位/元M-1ジュニア45kg級王者、元KAMINARIMON45kg級ジュニア王者)
<第3部 REBELSムエタイ 増田博正引退エキシビジョンマッチ及びセレモニー 18:50>
<第2部 REBELS 第19試合 REBELS RAIDERS TOURNAMENT 決勝戦 70kg級 3分3回戦 REBELSルール 18:30>
北斗拳太郎×小西拓槙の勝者
vs.
亮次×黒木信一郎の勝者
<第2部 REBELS 第18試合 55kg級 3分3回戦 REBELSルール 18:15>
出貝泰佑(バンゲリングベイ・スピリット)
vs.
竹内将生(エイワスポーツジム/WPMF日本バンタム級2012年新人王)
<第2部 REBELS 第17試合 58.5kg契約 3分3回戦 REBELSルール 18:00>
不可思(The Body Box/WPMF日本フェザー級2位)
vs.
渡久山ゆうた(平井ジム)
<第2部 REBELS 第16試合 55kg級 3分3回戦 REBELSルール 17:45>
高橋茂章(KIX)
vs.
國本真義(MEIBUKAI KICKBOXING GYM/WPMF日本バンタム級7位)
<第2部 REBELS 第15試合 60kg級 3分3回戦 REBELSルール 17:30>
大橋悠一(クロスポイント大泉)
vs.
小林“JET”孝輔(KIBAマーシャルアーツクラブ)
<第2部 REBELS 第14試合 REBELS RAIDERS TOURNAMENT 準決勝戦 70kg級 3分3回戦 REBELSルール 17:10>
北斗拳太郎(ボスジムジャパン/TRIBELATEスーパーウェルター級王者、J-NETWORKスーパーウェルター
vs.
小西拓槙(M-BLOW)
<第2部 REBELS 第13試合 REBELS RAIDERS TOURNAMENT 準決勝戦 70kg級 3分3回戦 REBELSルール 16:50>
亮次(エイワスポーツジム)
vs.
黒木信一郎(ストライキングジムAres/シュートボクシング協会/SB日本スーパーウェルター級3位)
<オープニングセレモニー(5分) 16:45>
休憩(15分)/公開勝利者インタビュー(会場ロビー特設会場にて) 16:30
<第1部 REBELSムエタイ 第12試合 ライト級 3分5回戦 WPMF日本ルール 16:05>
黒田アキヒロ(フォルティス渋谷/J-NETWORK/WPMF日本ライト級4位、前J-NETWORKライト級王者、J-NETWORKライト級1位)
vs.
ハチマキ(PHOENIX/WPMF日本ライト級5位)
<第1部 REBELSムエタイ 第11試合 フェザー級 3分5回戦 WPMF日本ルール 15:40>
立澤敦史(チャモアペット・ムエタイ・アカデミー/WPMF日本フェザー級8位)
vs.
立嶋篤史(ASSHI-PROJECT/元全日本フェザー級王者)
1・27ディファ有明『REBELS.14』増田博正引退セレモニー大会 立澤敦史VS立嶋篤史が決定
<第1部 REBELSムエタイ 第10試合 スーパーフェザー級 3分3回戦 WPMF日本ルール 15:25>
中向永昌(STRUGGLE/WPMF日本スーパーフェザー級8位)
vs.
HIROKI(Dropout/元NKBフェザー級1位)
<第1部 REBELSムエタイ 第9試合 ミドル級 3分3回戦 WPMF日本ルール 15:10>
涌井 忍(Combat Workout Diamonds/WPMF日本ミドル級3位)
vs.
春野剛士(Dropout/元NKBミドル級3位)
休憩(10分) 15:00
<第1部 REBELSムエタイ 第8試合 スーパーバンタム級 3分3回戦 WPMF日本ルール 14:45>
炎出丸[ヒデマル](クロスポイント吉祥寺/WPMF日本スーパーバンタム級3位)
vs.
裕喜(KIX)
<第1部 REBELSムエタイ 第7試合 スーパーフェザー級 3分3回戦 WPMF日本ルール 14:30>
清川祐弥(新宿レフティージム/WPMF日本フェザー級4位)
vs.
浜本“キャット”雄大(クロスポイント吉祥寺/WPMF日本スーパーバンタム級5位)
<第1部 REBELSムエタイ 第6試合 69kg契約 3分3回戦 WPMF日本ルール 14:15>
竹本雄一(小鉄組)
vs.
藤倉悠作(ASSHI-PROJECT)
<第1部 REBELSムエタイ 第5試合 スーパーライト級 3分3回戦 WPMF日本ルール14:00>
前田将貴(RIKIX)
vs.
番長兇侍(習志野トップチーム)
<第1部 REBELSムエタイ 第4試合 ウェルター級 3分3回戦 WPMF日本ルール 13:45>
藤ノ木 岳(チャモアペットムエタイアカデミー)
vs.
秀雄(平井ジム)
<第1部 REBELSムエタイ 第3試合 スーパーバンタム級 3分3回戦 WPMF日本ルール 13:30>
充志(RIKIX)
vs.
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)
<第1部 REBELSムエタイ 第2試合 フェザー級 3分3回戦 WPMF日本ルール 13:15>
谷口典由(チャモアペットムエタイアカデミー)
vs.
林 亮介(バンゲリングベイ・スピリット)
<第1部 REBELSムエタイ 第1試合 スーパーフェザー級 3分3回戦 WPMF日本ルール 13:00>
永島一平(y-park)
vs.
市川一大(クロスポイント大泉)
【立嶋篤史が参戦した蹴拳関係】
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・5・20『蹴拳Ⅵ』~神になった立嶋篤史 
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【REBELS関係】
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