北米第二のMMA大会であった『ストライクフォース』の最終興行が1月12日(現地時間)、オクラホマ州オクラホマシティで開催された。
もともとは、カリフォルニア州で、MMA興行が解禁になったのを受けて、地元で絶大な人気を誇り一大勢力となっていたシーザー・グレイシー(カルロス・グレイシーの孫、ヘンゾらの従兄、早くからアメリカに移住しており、グレイシー一族の北米進出を助けた。ディアス兄弟、ギルバート・メレンデスらの師匠)と犬猿の仲であった、“MMAレジェンド”フランク・シャムロックとの試合を組む為に発足。当初は、地元カリフォルニア州サンノゼで地元選手(主にシーザー・グレイシー一門)を試合させる為の大会であったが、全権を握っていたスコット・コーカーの辣腕と、UFCが巻き起こしたMMAブームに乗り急成長、2009年にはUFCに次ぐメジャー団体であったエリートXCを買収、3大ネットワークCBS傘下のショータイムと契約、放送開始となり、世界的なMMA大会となった。
長年、UFCのライバルという位置づけであったが、2011年にUFCの経営母体であるズッファ社が買収、その傘下に入る事になる。その後、UFCと2大ブランドとして独立採算でやっていく事になったが、UFCが3大ネットワークFOXと契約した事もあり、ストライクフォースを放送しているショータイムとズッファ社が十分な協力体制が取れず、今回の大会で一旦、活動休止となった。
契約選手のほとんどは、そのまま同じ経営母体であるUFCへ移籍が決定、ただし、今大会で契約が切れるジョシュ・バーネットの様に、UFCと契約条件で難航している選手は、そのまま離脱も予想される。
そんな中、始まった放送では、ワンサイドゲームと言える内容が続く。日本でも活躍し、ストライクフォースでも王者経験のあるホナウド・ジャカレイ、ゲガール・ムサシが相次いで一本勝ちで勝利、そして渦中のジョシュ・バーネットも肩固めで一本勝ちし、試合後のマイクでUFC行きをアピールした。
5・19StrikeForceよりヘビー級トーナメント優勝のダニエル・コーミエ(下)
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そのジョシュ・バーネットに完勝し、ストライクフォース、ヘビー級トーナメントを優勝、UFC移籍でライトヘビー級絶対王者ジョン・ジョーンズとの対戦が噂されるダニエル・コーミエーもセミファイナルに登場。地元オクラホマという事で、最前列にコーミエ―の家族も招待され、オクラホマ大学でオールアメリカンレスラーとして活躍したコーミエ―に人気が集中。その中、危なげなく実力差を見せつけ、最後は頭を抱えて亀状態になったなスターリングにパンチを叩きこみTKO勝利したコーミエ―、UFCとの契約は済んでおり、4月20日の『UFC on FOX 7』でフランク・ミアと対戦する事と、秋にはジョン・ジョーンズと対戦する事を明言した。ナンバーシリーズと同格の『UFC on FOX』でUFCデビューと破格の扱いとなるようだ。
ストライクフォース実質最終試合となるメインでは、日本でもおなじみのネイト・マーコートが、タレック・サフィジーヌを迎え撃つタイトルマッチ。ダン・ヘンダーソン率いるチーム・クエスト所属で急成長しているサフィジーヌがローキックをヒットさせ続け、マーコートの太ももが真っ赤に腫れあがり、サフィジーヌ優勢で試合が進む。マーコートもパンチで反撃するも、試合終盤には、サフィジーヌがテイクダウンを決めて判定で勝利。見事に新王者に輝いた。この勢いのまま、サフィジーヌもUFCに乗り込んでいく事は確実だろう。
■ Strikeforce: Marquardt vs. Saffiedine
日時:1月12日
場所:オクラホマ州オクラホマシティ
<ウェルター級タイトルマッチ>
○タレック・サフィジーヌ(挑戦者)
判定 3-0
●ネイト・マーコート(王者)
<ヘビー級>
○ダニエル・コーミエー
2R 4分02秒 TKO
●ディオン・スターリング
<ヘビー級>
○ジョシュ・バーネット
1R 2分11秒 肩固め
●ナンドー・グェルミノ
<ライトヘビー級>
○ゲガール・ムサシ
1R 4分09秒 チョークスリーパー
●マイク・カイル
<194ポンド契約>
○ホナウド・ジャカレイ
1R 3分10秒 キムラロック
●エド・ハーマン
プレリミナリーカード
<ライト級>
○ライアン・クートゥア
判定 2-1
●KJ・ヌーン
<ミドル級>
○ティム・ケネディ
3R 1分36秒 ギロチンチョーク
●トレバー・スミス
<ライト級>
○パット・ヒーリー
判定 3-0
●カート・ホロボウ
<ミドル級>
○ホジャー・グレイシー
2R 3分16秒 肩固め
●アンソニー・スミス
<ライト級>
○アドリアーノ・マルチンス
判定 3-0
●ジョージ・グージェウ
<ライト級>
○エステヴァン・パーヤン
2R 4分01秒 TKO
●マイケル・ブラボー
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