UFC153熱狂のブラジル大会 アンデウソン・シウバ&アントニオ・ノゲイラ揃って母国凱旋勝利!

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(C)Photo Courtesy of UFC
 オクタゴンと呼ばれる金網に囲まれた八角形のフィールドで行なわれる、世界最高峰の総合格闘技大会 UFC。全米を中心に世界各国で開催され、世界中の格闘家たちが“最強”を目指し、リアルファイトを繰り広げる!

 毎回、多くの地元スター選手が登場し、大いに盛り上がるブラジル大会。今大会も最初の発表では、フェザー級絶対王者のジョゼ・アルドと元ライトヘビー級王者のビクトー・ベウフォートが出場予定だったが、ベウフォートがUFC152でライトヘビー級タイトルマッチを戦うため153を欠場、そして、最大の注目だったアルドも負傷により欠場が発表された。2大スターの欠場で衝撃と不安が走った中、UFCが新たなカードとして素晴らしい選手の出場を発表した。

 ひとりは、今や史上最強の総合格闘家とも言われ、未だUFC無敗、ミドル級を10連続防衛中のアンデウソン・シウバ。7月のUFC148で史上最大のリマッチと言われたチェール・サネン戦を2RTKO勝ちして、さらに敵無しの状態となったアンデウソン、今回はタイトルマッチではないが、階級がひとつ上のライトヘビー級のステファン・ボナーを相手にワンマッチを行なう。もうひとりは、総合格闘技の生ける伝説、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ。昨年12月の対フランク・ミア戦でキャリア初の一本負け、さらに試合で負傷した箇所の手術と長いリハビリ、どん底を味わった男が地元ブラジルで再起を懸ける!

 今、最も格闘技熱が高いブラジル、スター選手の戦いに加え、メジャーではないが恐るべき潜在能力を見せる新進気鋭の若手ファイターの戦いぶりも見逃せない!

この大会は、日本時間10月14日20:05よりWOWOW UFC-究極格闘技-で放送!
WOWOW UFC-究極格闘技-
シウバvsボナー 青写真

マイケル・ディサントがUFC 153のメインイベントを予想する…
“史上最高”。スポーツを志すすべての男女が一度は夢見る言葉だ。また、スポーツファンであれば、その“史上最高”の選手と同時代に生きたいと願うはずだ。ただ、その“史上最高”がどの選手か特定するのが難しいのも事実だ。
 しかし、MMAにおいてはそうではない。
 この男は、これまでケージとリングに立ってきたどの男と比べても、頭一つ抜けた実力を持っている。そしてその男はUFC 153に出場する予定となっている。
 アンデウソン・シウバはこのMMAにおいて、議論の余地のない絶対王者だ。数字が彼の実力を物語っている。UFC15戦全勝。タイトル戦11連勝。10度の防衛記録。
 これだけでも十分だが、これに加えて12回のファイトボーナス受賞、13のKOもしくは一本勝ち、そして最長の王座君臨期間……。この“スパイダー”は史上最高のMMAファイターなのだ。ホイス・グレイシー、エミリヤーエンコ・ヒョードルはピーク時には偉大なファイターだった。ジョルジュ・サンピエールは今が絶頂期だ。しかし、それでもシウバと比べれば数段劣る。

 その“史上最高”の男は日本時間10月14日にオクタゴンに帰って来る。ただし、ジョルジュ・サンピエールとパウンド・フォー・パウンドをかけて戦うわけでもなく、ミドル級のタイトル候補であるマイケル・ビスピンやクリス・ウェイドマンと戦うわけでもない。
 彼の対戦相手は“アメリカン・サイコ”ことステファン・ボナー。本来の階級より一つ上のライトヘビー級のノンタイトルマッチで戦う。それも、本来のミドル級と20ポンドの隔たりがある上、わずか4週間の準備で試合に臨むのだ。そしてシウバはこのリスキーなマッチを私利私欲を超えたところで、純粋にUFCへの貢献のために引き受けたのだ。
 整理すると、まずUFC 153ではフェザー級のジョゼ・アルドがライト級から階級を下げてきたフランク・エドガーとの“スーパーマッチ”を戦うはずだった。さらにこのほかにもクイントン・“ランペイジ”・ジャクソンvsグローバー・テイシエイラ、ビトー・ベウフォートvsアラン・ベルチャーと、好カード目白押しだった。しかしランペイジが負傷し、アルドも負傷した。さらにベウフォートはライトヘビー級王者のジョン・ジョーンズに挑戦するために、UFC 152に移動した。

 つまり、UFC 153はシウバの申し出があるまで、開催の危機に瀕していたのだ。そしてシウバにはミドル級まで体重をシェイプアップする時間が残されていなかった。それでもシウバはノープロブレム、と言わんばかりに、ライトヘビー級での試合を買って出た。デイナ・ホワイトはシウバと4週間の準備期間で戦う選手を探すだけでよかった。
そこでステファン・ボナーが登場する。
 初代TUFのファイナリストとしてUFCと契約して以来、この男はUFCに忠実な男であり続けた。彼は時と場所、対戦相手を選ばずに試合に応じてきた。そしてその愛社精神が彼に千載一遇のチャンスをもたらした。もし彼がこれまで誰もなし得なかった打倒シウバを達成すれば、彼の名はMMAの歴史に刻まれることだろう。

 もちろん、階級が下の選手とはいえ、シウバを下すのは簡単なことではない。シウバは過去2回ライトヘビー級で戦っており、その時も体格差を問題としなかった。どちらも第1ラウンドで相手をKOしている。一人目の犠牲者はジェームズ・アーヴィンで、二人目は元ライトヘビー級王者のフォレスト・グリフィンだった。
 ボナーはアーヴィンとグリフィンが失敗したミッションを成功に導けるのだろうか?

 私はこれまで何回も書かせてもらっているが、あえてもう一度言う。シウバやボナーといった破壊力とスキルを兼ね備えた選手がオクタゴンで戦えば、どんなことでも起こりうる、と。一つの右カウンターでシウバがキャンバスに沈むことも十分にあり得る。一つの油断が致命傷につながり、一つのグラウンドでのミスが一本負けにつながるのがこの世界だ。重量級では試合の流れに関わらず、一瞬で形成が逆転してしまうことが起こりうる。

 さらにボナーはただの“かませ犬”ではない。そんな言葉があればの話だが、彼は“恐るべきかませ犬”なのだ。彼はボクシングの実績があり、さらにブラジリアン柔術の黒帯である。しかし彼の何よりの強みは、その不屈の闘志だ。ボナーは心のなかに猛犬を飼っている。この猛犬は相手に食らいついて離れない。劣勢でも前進し続け、後先を考えずにひたすら戦い続けるのだ。

 さて、試合の行方はどうなるのだろうか? シウバの楽勝か? それともUFC史上最大のアプセットが演じられるのか?

アンデウソン・シウバ
・32勝4敗
・37歳
・187cm/84kg
・UFC史上最多の15連勝
・UFCにおいてKO勝利、もしくは一本勝ちが12回
・第1ラウンドでの勝利が50%
・2006年1月20日以来負けていない(UFCの外で岡見勇信相手に反則負け)
・タイトル戦で11連勝(史上最多)
・10戦連続で王座防衛中(史上最多)
・12回のファイトボーナス(ノックアウト・オブ・ザ・ナイトが7回、ファイト・オブ・ザナイトが3回、サブミッション・オブ・ザ・ナイトが2回)
・98日ぶりの試合
・キャリア最長の休養期間は315日

ステファン・ボナー
・17勝7敗
・35歳
・193cm/93kg
・3連勝中
・ファイト・オブ・ザナイト受賞が1回
・329日ぶりの試合
・キャリア最長の休養期間は464日

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■ UFC 153 Silva vs. Bonnar
日時:2012年10月13日
場所:ブラジル・リオデジャネイロ

<ライトヘビー級>
○アンデウソン・シウバ
 1R 4分40秒 TKO
●ステファン・ボナー
 欠場者が相次いだブラジル大会を成立させる為、出場を決めたアンデウソン・シウバとステファン・ボナー。
 試合は、当然スタンド打撃勝負を避けたいボナーがすぐに組みつき、金網にシウバを押し込んでこつこつと打撃を打ち込みテイクダウンを狙うボナーだが、シウバがいなしていく。そして1R残り30秒になるとシウバが足をかけてボナーを倒し、猛然とラッシュを仕掛ける。膝蹴りでダウンさせ、亀の体勢になったボナーにパウンド連打。レフリーがストップし、シウバがTKO勝ちで母国凱旋勝利を果たした。

<ヘビー級>
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
 2R 4分31秒 腕十字
●デイヴ・ハーマン
 母国ブラジルでの凱旋試合となるノゲイラだが、対戦相手は、戦極などでも活躍した地味で強いというやっかいな相手デイブ・ハーマン。
 1Rは、テイクダウン出来ず苦しんだノゲイラだが、2R開始と同時にパンチでハーマンからダウンを奪い、そのまま得意のグランドへ。アームロック、腕十字を仕掛けるもののハーマンもなんとか逃れる。しかし、最後は再びグランドを制したノゲイラががっちりと腕十字を極めてハーマンがタップ。ノゲイラは理想的な勝ち方でブラジルの観客の大声援に応えた。

<ライトヘビー級>
○グローバー・テイシェイラ
 2R終了 TKO
●ファビオ・マルドナド
 皆が対戦を避けるブラジル重量級の新星、グローバー・テイシェイラ。今回はランペイジ・ジャクソンと対戦予定だったが、負傷欠場により急遽、同じブラジル人のファビオ・マルドナドが代打で抜擢された。
 1Rからパンチでぐらつかせ、マウントを制し、マウントパンチ、肘打ち連打で攻め続けるテイシェイラ。一方的な展開ながら、マルドナドは耐え続ける。2Rもテイシェイラがテイクダウンして一方的な展開が続くが、それでも試合を諦めないマルドナド。2R終了後、レフリーがこれ以上無理と判断してストップするも、諦めないマルドナドの頑張りに、テイシェイラも祝福して、抱き合い、テイシェイラTKO勝利となった。

<ウェルター級>
○ジョン・フィッチ
 判定 3-0
●エリック・シウバ
 激戦区ウェルター級で常にタイトル戦線にいる強豪ジョン・フィッチに対するは、ブラジルのホープ、エリック・シウバ。フィッチに勝利すればタイトル戦も見えてくるが、フィッチは簡単に勝てる相手ではない。エリック・シウバにとって正念場になりそうだ。
 1Rからフィッチお得意のグランドで上をキープして、いつものパターンに陥るかと思われたが、地元という事もありシウバが意地を見せる。2Rには逆にグランドでバックをとりチョークまで極めかかるシウバ、あのフィッチが防戦一方になる場面も。流石に試合巧者のフィッチは体勢を立て直してくるが、シウバも、グランドで上をとり返したり、打撃、ギロチンなどで反撃してくる。それでも3R、フィッチがマウントパンチで追い詰め、判定は、競り勝ったフィッチがモノにするも、両者、目まぐるしく動き、特にシウバは格上のフィッチ相手に互角に近い試合内容を見せ評価を上げた。

<ライトヘビー級>
○フィル・デイビス
 2R 4分29秒 アナコンダチョーク
●ワグナー・プラド
 8月の再戦となる重量級対決。前回はデイビスのサミングで試合続行不可能となりノーコンテンストとなっている。
地元で雪辱に燃えるプラドだが、レスリング力はデイビスが上手、1Rからテイクダウンして上をキープして試合を優位に進める。そして2Rも、デイビスが攻め続け、最後はプラドをアナコンダチョークで捕えて一本勝ち。敵地でデイビスが完勝した。

<ウェルター級>
○デミアン・マイア
 1R 2分30秒 チョークスリーパー
●リック・ストーリー
 階級を落としてきた柔術セレブ、ダミアン・マイアに対するは、D-1レスラーであるリック・ストーリー。かつては一本勝ちを量産し、現代のヒクソンと言われたマイアだが、それで警戒され、ミドル級ではなかなか得意のグランドに行けずに苦戦していた。
 しかし、今回は地元ブラジルという事もあるのか、レスラー相手にすぐテイクダウンを奪い、得意のグランドでバックを制してチョークスリーパーで一本勝ち。これぞ柔術家、理想の勝ち方というパターンで見事に勝利。ウェルター級転向で2連勝、いずれも強豪を1Rで下しており、マイアはいよいよタイトルマッチが見えてきた。

プレリミナリーカード
<フェザー級>
○ホニー“ジェイソン”マリアーノ・ベゼーラ
 2R 4分16秒 TKO
●サム・シシリア

<ライト級>
○グレイソン・チバウ
 判定 3-0
●フランシスコ・ドライナルド

<フェザー級>
○ディエゴ・ブランダオ
 判定 3-0
●ジョーイ・ガンビーノ

<ウェルター級>
○セルジオ・モラエス
 3R 3分10秒 チョークスリーパー
●ヘネー・フォルテ

<ミドル級>
○ルイス・ケイン
 判定 3-0
●クリス・カモージー

<ライト級>
○クリスチアーノ・マルセロ
 判定 2-1
●レザ・マダディ

詳細版はマット界舞台裏10月25日号K1両国天狗選手谷川暴露営業マン闇TNA年間最大吉田沙保里に収録されました。

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