レジェンド・ザ・プロレスリング2011 北海道シリーズ開幕直前!北海道大会は30年の時を超え、新たな感動の予感大!?

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 藤波辰爾、長州力、初代タイガーマスクらレジェンドたちの北海道上陸、迫る! 9・29(木)函館市民体育館、9・30(金)札幌テイセンホール、10・2(日)浜中町総合体育館。特に札幌はレジェンドたちにとってさまざまな事件が起こったり、栄冠を手にした地で郷愁を誘う。いま時を超え、あらたな感動がよみがえる!
(構成・文:安田拡了)
30年の時を経て「魔の札幌」の主人公が集まった!
 札幌(札幌中島体育センター)というと数々の栄光があり、事件があった。とくに藤波、長州、藤原、初代タイガーにとって忘れがたいことが多いはずだ。
 30年前、札幌といえば「魔の札幌」といわれるくらいに事件が起こった。特に藤波と長州は全盛期で、いい意味でも悪い意味でも思い出深い地のはずだ。
 ちょっと歴史を振り返る。
 1980年2月1日の雪祭りで新日本のエースだった藤波はスティーブ・カーンを粉砕してNWAインターナショナルジュニアヘビー級、WWFジュニアヘビー級二冠王となった。同年7月、NWA同級防衛戦を行なう予定だったが手指骨折で王座返上。翌81年6月、スタン・カーンを破ってWWF同級王座防衛…。
 と、ここまでは栄光、絶頂の日々と言っていい。しかし、1984年2月3日ともなると様相は違ってくる。
私もこの時代の取材記者。この日、札幌に行った。藤波vs長州のWWFインターナショナルヘビー級選手権があったからだ。しかし、長州が入場してきた時、どこからともなく現れた藤原がなんと長州を襲い、血みどろにしてしまったのだ。
いったい、何があったのかわからぬ藤波は選手権をぶち壊された思いでリングに上がって「ふざけるな!」と興奮。さらに興奮のあまり、審判部長の山本小鉄をボディスラムで投げ、血みどろの状態でリングに上がってきた長州をストンピング。怒りがおさまらず、一人でリングを折り、体育館から飛び出した。
この時、藤波は「こんな会社辞めてやる!」と雪の降りきしる中に消えたのだ。
これ以降、藤原に脚光が浴び「テロリスト」と恐れられるようになって、暴れまくっていく。
また、この余波はその年の7月に起こった。藤波が長州とWWF同級選手権を行なう。しかし長州が破れる。その2ヵ月後に長州は新日本を離脱し、ジャパンプロレスを設立してしまう。そして、その3年後。87年5月13~14日、新日本は札幌二連戦を行ない、この時、長州力らが新日本に突如としてUターンし、藤波を襲うのだった。
なんと凄まじい展開だろうか。
取材現場にリアルタイムでいただけに、この歴史を振り返ると、いまでも武者震いがするくらいだ。
ともかく、30年の時を経て、この時の主人公たちが札幌で試合を行なう。
それだけでもジ~ンと来てしまう。本当に世の中というのは何があるかわからない。30年後であろうが、札幌という因縁の地で長州、藤波、藤原がレジェンドという一緒の船に乗って試合をするとは…。
札幌でタイに持ち込みたい長州。しかし藤波はそうはさせじと…
そう思うと9・30札幌大会のメイン、長州vs藤波の意味は一段と光ってくる。
これまで札幌で期待されながら流れてしまっていた「名勝負数え歌」が行なわれるからだ。もちろん、昔のようにピリピリした対立関係ではないが、今年に入って2人の「名勝負数え歌」が始まっており、どこも満員御礼。期待は増すばかりだ。
目下、その戦績は1・10後楽園と5・7大阪が藤波の勝ち。9・23名古屋は長州の勝ちとなって、長州は今回の札幌でタイに持ち込もうと意気込んでいる。
名古屋大会で勝った長州は「ラリアットのキレが悪く、内容は最悪だったよ。札幌は季節もいいし、星を並べたい(2勝2敗)」
どうやら長州は猛省している様子で、あらためて札幌でいいところを見せたいという気持ちがありありだ。
一方、藤波は「この悔しさを札幌でぶつけたい。藤波、長州(戦)を札幌のファンは楽しみにして欲しい。札幌ではこのドラゴンスマイルを咲かせますよ」と語る。
初代タイガーマスク、空牙戦に向けてコンディション絶好調!?
 さて、初代タイガーマスクも札幌は思い出深い地だ。事件こそなかったが、1982年2月5日、ブレット・ハートを破ってWWF同級王座防衛。83年2月3日、G浜田に勝ってNWA同級王座防衛。同年7月、タイガーは小林邦昭を破り、WWF同級王座防衛している。
 30年を経て、そのタイガーの相手は若手の空牙。今回、幹細胞作戦で体の細胞を若返らせており、9・23名古屋の小林戦では動きもよく、好調ぶりを見せつけた。
もっとも小林の攻撃を予測して、フィッシャーマンがきたところを狙って丸め込めるという手堅い勝ち方。言い方を変えれば、勝手知ったる小林戦で自信をつけ、空牙戦に向けてコンディションを絶好調にしていこうという腹積もりだったのかも。
 初代タイガーは「ナチュラルができる男」と空牙を認めているものの、若手にしてやられては恥。何としても空牙に完勝するつもりだ。
もちろん、空牙もそれを承知している。さぞやパニック寸前になっていることだろう。その精神状態の中で、どんな動き方をしてくるか予測不可能と言ってもいい。初代タイガーがパニック寸前の空牙をどう料理するか。これは見ものである。
本田、泉田よ、藤原を怒らせてくれ!
 このほかに藤原喜明がアレクサンダー大塚と組んで、なんと本田多聞、泉田純至と闘う。
 このカードは軸が藤原だ。本田、泉田が藤原にどうやって向かっていくかで勝負の面白さはグンと変わってくる。藤原は昔から、ガンガン向かってくるレスラーほど怖さの本領を発揮するタイプだからだ。そのためにも本田、泉田よ、是非とも藤原を怒らせてくれ。頼みます!
そして、テロリスト藤原喜明が復活!?
 第二試合のAKIRAvs菊地毅戦も、AKIRAのスピーディな動きに菊地がどう対応するのかが見もの。
 第一試合の長井満也、倉島信行vsタイガー・シャーク、斎藤彰文組戦も長井が北海道・砂川市出身で、なんと前出の藤原テロ事件を高校1年の時に会場で見て、悔しがったどの熱心なプロレスファンだった。当時を思えば、きっと思い入れ強い試合になっていくことだろう。
9・29函館大会、10・2浜中大会も熱闘!
 函館大会は藤波辰爾がAKIRAと組んで長州力、石井智宏の師弟チームと対戦する。
石井は言うまでもなく師・長州を父のように慕い、そして尊敬している。体を張って長州を守り、積極果敢に藤波を襲っていくに違いない。AKIRAはそんな石井の動きを阻止してくるはず。かつて藤波と組んだり、シングルをしてきたAKIRAにとって、藤波は同志と言ってもいい。藤波には思う存分、長州とやって欲しいと思っているからだ。
 この大会のセミはこれまたいい。初代タイガーはタイガー・シャークと組んで、藤原喜明&空牙と対戦するのだ。
初代タイガーにしてみれば、空牙とは翌30日に試合をすることになっており、前哨戦となる。また藤原とはこれまで何度も「肉を切らせて骨を断つ」ような厳しい試合をしてきただけに心が躍る。
 10・2浜中大会のメインはなんと藤波と長州と初代タイガーが、まさにレジェンドチームを組んで藤原、AKIRA、菊地毅組と対戦することになっている。なんだかレジェンドの集大成を見せてくれるような期待感を抱かせる。
このように北海道の3大会はワクワクしてくる。レジェンドたちは30年の時を超え、新たな感動を生んでくれるはずだ。
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