“暗黒の一族“の誇りを取り戻した…地下王座はふたたびジャガー・ロゴフスキーの元に! 8・16地下プロレス『EXIT-20 CORONA』

 18世紀のフランス暗黒社会に端を発する究極のアングラ格闘文化=地下プロレス。この禁断の格闘技が、昨年7月に世界屈指のゲイタウン・新宿二丁目にて『EXIT』の名で日本に上陸してから、この夏で満一年を迎える。日本上陸一周年として、メモリアルな意味合いを持つ『EXIT-20 CORONA』が、“聖地”二丁目「BAR EXIT」にて開催された。
 
 記念すべき一周年のメインは、WUW(World Underground Wrestling)王者・澤宗紀と前王者ジャガー・ロゴフスキーの頂上決戦。3・1『EXIT-7 KABUKI』での初対決では、一進一退の名勝負の末に澤が勝利、地下王座のベルトをジャガーから奪い獲った。“地下の至宝”奪還に燃えるジャガーはこの一戦のためにマスクを新調し、並々ならぬ決意を見せてリングに登場。一方の王者・澤も、全身から漲る自信が王者の風格となり、この日も瞬間最大風速の輝きを見せている。
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“暗黒サラブレッド”vs.“地下のピープルズ・チャンプ”、宿命の対決ふたたび…時は来た!
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 速攻勝負が信条のジャガーは、今回も開始直後からエンジン全開。前回の対決では、その「飛ばし過ぎ」がアダとなって澤に逆転を許したが、今回は寸分のスキも見せず、澤に反撃のチャンスを与えなかった。そして6分過ぎ、絞りあげた腕十字がリング中央でガッチリ極まり、特別指名審判ザ・グレート・カブキが試合をストップ。ジャガー・ロゴフスキー、王座奪還に成功せり!
 <WUW(World Underground Wrestling)選手権試合 時間無制限一本勝負>
○[挑戦者]ジャガー・ロゴフスキー(6分37秒 腕ひしぎ逆十字固め)●[王者]澤宗紀
※第24代王者・澤が防衛に失敗。ジャガーが第25代王者となる。
 そして、試合後に王座奪還劇を上回るサプライズが起こった。これまで、見る者すべてに対して感情を一切見せてこなかった格闘マシーン・ジャガーが、観客一人ひとりとタッチを交わし、歓びを露わにしたのだ! そして帰り際には、
「ミナサン、アリガトウゴザイマシタ!」
と日本語でファンに感謝を表明。多くの観客は、ジャガーの王座返り咲きを祝福しつつも、この突然の“変身”ぶりに驚きを禁じ得ない様子だった。はたして、なぜジャガーはここまで歓びを爆発させたのか!?
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“地下の至宝”は、ふたたび“暗黒の一族”の元に…。第9代地下王者・カブキからベルトを手渡されるジャガー。そして、物言わぬ新王者は突然、観客とタッチを交わし、歓びを分かち合った!
 王座奪還の歓びを露わにしたジャガー。彼がそこまでに欲した、あの木彫りのベルトの背景には、長く連綿と受け継がれる“世界の地下プロレス史”に、5代にわたって君臨するロゴスキー家の“血の重み”があったのだ――。
 そもそもロゴスキー家がフランス地下プロレスに登場したのは、ジャガーより4代前の祖先が、1917年のロシア革命によって母国を追われ、フランスに亡命したことがルーツとされる。彼もまた、当時の貴族たちの欲望を満たすために、アンダーグラウンドの世界で血みどろの闘いを繰り広げる、“ロシア地下プロレス”の格闘士だったのだ。
 亡命以降フランス地下プロレスの中核として、世界のアングラ格闘文化を一手に担い続けてきた“暗黒の一族”。そして時は流れ、己たちの強さを実証するシンボルとしてロゴスキー家は、日本の兜をモチーフにした木彫りのチャンピオンベルトを創りあげたのだ。ところで、いったいなぜ“暗黒の一族”は、日本風のベルトにこだわったのか?
 
 驚くなかれ。ゴロスキー家の血塗られた歴史、そして木彫りのチャンピオンベルトの由来、そのすべてが、他ならぬ新王者ジャガー・ロゴフスキーの口から発せられたのだ! 試合後の控室でジャガー本人から(しかも、ジャガーは流暢な日本語ですべてを語ったのだ!)ミルホンネット記者に伝えられたロゴスキー家の秘密は、度肝を抜く内容ばかりであった。
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 試合後、夜の新宿の片隅にて。夢路は、ミルホンネット記者から聞いたロゴスキー家驚愕の秘密の数々を“先生”小笠原和彦に打ち明けた。“先生”小笠原は、ひとしきり夢路の話に耳を傾けてから、重々しく口を開いた。
「――夢路さん、その話は、私も極真側から聞いたことがありますよ……」
 夢路が驚愕した、ロゴスキー家の“暗黒の血脈”の秘密とはいったい何なのか!?
 友よ、愛する読者諸兄よ…、その全貌は(激戦続きの全5試合の詳報含め)、近日発売の『別冊ミルホンネット~地下プロレス大全 誰か教えてくれよ』(仮題)まで、今しばし待たれたし!
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