“魔王”真樹日佐夫、ついに地下プロレスに降臨! 6・14『EXIT-16 INFINITY』

 それは、最終試合の最中のことであった。
 “先生”こと小笠原和彦の先導によって現れた、その男。
 “先生”と呼ばれる男が“先生”と呼ぶ、その男。
 その男が歩くと、『十戒』のワンシーンのように、人の波が真っ二つに分かれる。
 薄褐色のサングラスの奥に潜む、会う者すべてを射抜く眼光。
 白のスーツに薄いストライプのマフラーを肩に掛けた、唯一無二のファッションセンス。
 前を大きくはだけさせた黒いシャツの胸元から覗く、69歳と思えぬ分厚い胸板。
 男は用意された真紅のソファにどっかと腰を下ろすと、鎖に囲まれた暗黒のリングを眺めて叫んだ。
「おぉぉ、懐かしいじゃねぇか」
 これは夢でも幻でもない。
 あの梶原一騎の実弟・真樹日佐夫が、本当に地下プロレスのリングに現れたのである…!
090614_maki01.jpg
090614_maki02.jpg
090614_maki03.jpg
 鎖の中を抜け、暗黒のリングを闊歩する真樹日佐夫。ついに地下のリングに“梶原ロマン”の張本人が降臨した!
 18世紀のフランス暗黒社会に端を発し、現在ここ日本に連綿と闘い継がれる地下プロレス。
 かつて『空手バカ一代』において、かのマス大山と対決し、以降固い友情で結ばれたとされる“元祖・地下の帝王”イワノフ・ロゴスキー。その息子イワノフ・ロゴスキーJr.は香港・九龍街で“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキと地下王者のベルトを懸けて闘い(激戦の模様は『プロレススーパースター列伝』に記録されている!)、孫のジャガー・ロゴフスキーは前地下王者にして、現在も継続参戦中。
 この“暗黒サラブレッド”ロゴスキー家の血を継承するジャガーの他に、元極真空手全日本王者・小笠原和彦と『紅の挑戦者』の主人公の名を継承した紅闘志也が参戦する、鎖に囲まれた真っ黒な地下プロレスのリング。この“暗黒版・四角いジャングル”こそが、梶原一騎の格闘ロマンを2009年の現在に現出させる唯一の存在なのである。その梶原一騎の実弟にして、梶原ロマンの体現者そのものである真樹日佐夫が、この暗黒のリングに「懐かしい!」と快哉を叫んだこの事実。
 
 やはり、すべてを知るのはこの男なのか――!?
 誰か教えてくれよ!
090614_main01.jpg
090614_main02.jpg
 梶原ロマンの張本人・真樹日佐夫が見つめる“御前試合”。メインの澤&ジョータと夢路&梅沢のタッグ対決は、ジョータが腕極め式スリーパーで梅沢に勝利。地下のリングで梅沢に連敗続きの雪辱を果たした…が、試合後の梅沢の口からダラーッと真っ赤な鮮血が……!
090614_kurenai.jpg
090614_jaguar.jpg
090614_sensei.jpg
 そして梶原ロマンの住人たち=紅、ジャガー、小笠原先生は如何に闘ったか…!? その全貌は近日発売の『別冊ミルホンネット』地下プロレス『EXIT』大特集にて紹介の予定。今しばし待たれたし!
090614_misawa.jpg
 地下の世界から、地上の王に捧ぐ――。第1試合開始前、出場全選手が登場しリングを囲み、前日に逝去した三沢光晴さん追悼のテンカウントゴングが鳴らされた。
週刊マット界舞台裏’09年3月12日号~3・1 地下プロレス『EXIT-7 KABUKI』
週刊マット界舞台裏’09年4月09日号~南の果ての街・豪州アデレードで地下プロレス!?