極真の大砲、唸る! 菊野克紀、また豪快1RKOでライト級王座戴冠! 4・16『DEEP 41』

 最近、総合格闘技がつまらない?
 そう結論づけるのは、この男を見てからでも遅くはないのではないか――。
 そんなことを思わせるほどの、鮮烈な菊野克紀のKO劇であった。
 16日、東京・後楽園ホールにて、『DEEP 41 IMPACT』が開催された。
 前回大会の2・20『40』も、終盤に衝撃的な1RKOが相次ぐ好興行となったが、今大会は全10試合中9試合が一本またはKOというエキサイティングな展開に。終盤にはほぼ満員となったホールは沸きに沸き返った。
 
 メインはDEEPライト級王座決定戦。前王者ハン・スーファンが、戦極参戦のゴタゴタを経てタイトルを返還して以来空位となっていたベルトを懸け、「世界のTKの愛弟子」菊野克紀と、今田道場・松本晃市郎が激突。前回の『40』では、シドニー五輪柔道60キロ級銀メダリストのチョン・ブギョン相手に、ハイキックに秘技「三日月蹴り」(ミドルキックの軌道で繰り出される前蹴り)と、木山仁を輩出した極真会館・鹿児島支部仕込みの打撃が大爆発。あっと驚くKO劇で観客を仰天させた。一方の松本は、『40』では古豪・中尾受太郎を下したものの、消極的な攻防に終始し、消化不良な印象をファンに与えたばかり。心の師匠・今田耕司をがっかりさせないためにも、今度こそ“芸人魂”溢れるアグレッシブファイトを期待したいところ。「極真魂 vs.芸人魂」のこの異色対決、笑うのはどちらか!?
 
 試合は開始から終始、体格と圧力で大きく上回る菊野の周りを、松本がくるくるとサークリングする展開。菊野は両の拳をぐっと前に尽き出し、重心をぐっと屈め、まるでヒクソン・グレイシーのような構え。この「三戦(さんちん)立ちを総合用に改良した構え」(菊野談)から繰り出される前蹴りにミドルキック、そして菊野自身の圧力に気圧されたか、ついに松本はコーナーポストまで追い込まれてしまう。そのチャンスを逃さず一気呵成にパンチの連打をぶち込む菊野! 菊野渾身の右フックが松本のアゴをクリーンヒットすると、松本はゴム鞠のようにコーナーポストに身体を弾ませながらダウン! すかさず菊野がダメ押しのパンチを叩き込むと、レフェリーが大慌てで割って入り試合をストップ。ブギョン戦に続く圧倒的なKO劇で、DEEPライト級新王者・菊野克紀が誕生した。
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これが菊野流間合い地獄・MMA流三戦立ち! いつ“大砲”がサク裂するか分からないプレッシャーに、松本はジリジリと後退してしまう。
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そして1R終了間際、ついに菊野の大砲が火を噴く! コーナーポストを背に、松本は朽ち木のようにマットに沈んでいった。
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そして師匠“TK”こと高阪剛と抱擁し歓喜を爆発! チームALLIANCEの仲間たち、そして郷里・鹿児島から駆けつけた350人(!)の大応援団とともに喜びを分かち合った。
 DEEP新王者ともなれば、当然期待されるのは「上の舞台」DREAMへの登場。三日月蹴りが世界の強豪をキリキリ舞いさせる姿を、一日も早く見てみたい!
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 その他にも無敵女王MIKU、前田日明登場、元祖金ちゃん・金原弘光久々の勝利と、盛り沢山の充実度だった今大会の全試合完全詳細ルポを、ミルホンネットでは24日発売の『マット界舞台裏』4月30日号に掲載予定。こちらも是非ご覧いただきたい!
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バックステージでも三戦立ちを披露。ファイトスタイルもキャラクターも要・大注目のこのニューヒーローの面白コメントの数々も、『マット界舞台裏』で掲載予定。コメントを聞いた記者の感想としては…、この男のDREAM煽りVを、一日も早く観たくなってきたぞ!!
■『DEEP 41 IMPACT』
2009年4月16日(木)開始:18:15
会場:東京・後楽園ホール
<第10試合 第5代DEEPライト級王者決定戦 5分3R>
○菊野克紀(ALLIANCE)
(1R 4分32秒 KO)
●松本晃市郎(今田道場)
※菊野が第5代ライト級王者に。
<第9試合 女子52キロ契約 5分2R>
○MIKU(クラブバーバリアン)
(1R 0分21秒 TKO)
●ニックダリ“ザ・ナイトクイーン”キャラノック(アメリカ/Under Dawgas)
<第8試合 67キロ契約 5分2R>
○宮田和幸(Brave)
(1R 2分31秒 フロントチョーク)
●ソ・ジェヒョン(韓国/CMA KOREA)
<第7試合 77.1キロ契約 5分2R>
○上山龍紀(U-FILE CAMP)
(判定 3-0)
●窪田幸生(坂口道場)
<第6試合 85キロ契約 5分2R>
○金原弘光(U.K.R)
(2R 3分2秒 TKO)
●長井憲治(U-FILE CAMP)
<第5試合 93キロ契約 5分2R>
○桜木裕司(掣圏会館)
(2R 0分59秒 KO)
●加藤実(フリー)
<第4試合 65.8キロ契約 5分2R>
○北田俊亮(パラエストラ千葉)
(1R 1分29秒 フロントチョーク)
●ジョー・ベイビー・ジョー・タイマングロ(グアム/スパイク22)
<第3試合 無差別契約 5分2R>
○誠悟(フリー)
(1R 0分19秒 ネックロック)
●和歌嵐(手塚道場)
<第2試合 62キロ契約 5分2R>
○宮下トモヤ(POWER OF DREAM)
(1R 2分39秒 スピニングチョーク)
●クレイジー・ヒル(バンゲリングベイ)
<第1試合 70.3キロ契約 5分2R>
○パーキ(韓国/CMA KOREA)
(1R 3分59秒 TKO)
●松下直揮(MB3z)