KO、KO、またKO! ノックアウト決着3連打に後楽園ホールが揺れた! 2・20『DEEP 40』

 20日、東京・後楽園ホールにて、『DEEP 40 IMPACT』が開催された。
 今大会は、池本誠知と門馬秀貴のDREAMウェルター級GP出場決定戦を筆頭にマニア注目の好カードが並んだが、大会終盤3試合で目の覚めるような1RKO決着が相次ぎ、週末夜の後楽園ホールを満員に埋めた観客も大興奮。「フタを開けてみるまではわからない」ガチンコ興行にあっても、今大会はまさに、誰もが「当たり」と認める好興行であった。
 
 終盤戦KOラッシュの幕開けとなったのが、セミ前に組まれたDEEPライト級王座決定トーナメント一回戦。シドニー五輪柔道60キロ級銀メダリストにしてDREAMの強豪チョン・ブギョンが、DEEP生え抜きの新鋭・「世界のTKの弟子」こと菊野克紀を迎え撃つ。
 下馬評ではやはり、07年大晦日『やれんのか!』で青木真也を極めかけたブギョンの“地獄腕十字”が菊野の打撃&パワーを封じ込めるのでは…という見方が多数を占めていたが、始まってみると、極真空手全九州大会無差別級・全関西大会無差別級でともに優勝の実績を誇る菊野の打撃が大爆発。
090220-kikuno01.jpg
 まずは序盤の打撃の応酬から左ハイキック一閃! 菊野の大応援団が総立ちで「菊野」コールで後押しする。
 追撃のパウンド&鉄槌を何とかしがみついて回避したブギョン。しかし菊野の攻めは緩まず、次は極真仕込みの秘技「三日月蹴り」(ミドルキックの軌道で繰り出される前蹴り)でブギョンの腹部をえぐり、再度ダウン! 今度こそ逃さぬ、とばかりに菊野はトドメに強烈な踏みつけ連打! ブギョンの頭部がバスケットボールのようにエグくマットをバウンドし、レフェリーが大慌てで試合をストップ。菊野は飛び上がって喜びを爆発させ、満員の場内が蜂の巣をつついたような騒ぎに! このKO劇で、これまでやや弛緩気味だった後楽園ホールの空気が一変する。
090220-kikuno02.jpg
090220-kikuno03.jpg
秘技・三日月蹴りと踏みつけで銀メダリスト粉砕! 血相変えてリングに飛び込むドクターにも注目だ
 
 この空気はセミのDEEPミドル級次期挑戦者決定戦にも波及する。決定戦は、GRABAKAの豪腕・福田力と第2代王者・桜井隆多の剛力マッチョ対決。開始早々レスリング力で上回る福田が桜井をテイクダウン。福田がそのまま難なくバックを奪い、大きく振りかぶった追撃のパウンドをありったけの力を込めて数発打ち込むと、桜井はぐったりと動かなくなり、またまたTKO決着! 福田はイカツい顔をさらに険しくさせて咆吼! 現王者・中西裕一への挑戦権を、持ち前の豪腕で強奪した。
090220-fukuda01.jpg
090220-fukuda02.jpg
フィニッシュは唐突に訪れた。メルヴィン・マヌーフばりの豪腕KO劇!
 
 衝撃的なKOが相次ぎ、興奮冷めやらぬ中で行われた池本と門馬のメイン対決。グラウンド技術の高い両者の対決だけに寝技中心の攻防が期待されたが、この試合もフタを開ければ打撃戦。門馬のコンビネーションパンチと池本の鋭い蹴りが交差するスリリングな展開となったが、池本は、とっておきの秘打「ダブルパンチ」(その名の通り、右と左のパンチを二本いっぺんにまとめて出すパンチ)を門馬の顔面に炸裂させる! たまらずダウンした門馬に池本は上から覆い被さり、追撃のパウンド連打で堂々のKO勝利。そしてDREAMウェルター級GP出場権の切符を手にした。
090220-main01.jpg
090220-main02.jpg
090220-main03.jpg
門馬とのスリリングな打撃戦を制した池本。それにしても踏みつけ&サッカーボール有りのルールの総合は、やっぱり俄然エキサイティング!
 
 ド迫力KOが相次いだ今大会だが、ミルホンネットが勝手に選ぶMVPは、やはり興行の流れを塗り替えた菊野。第8回全世界空手道選手権大会の覇者・木山仁を輩出した極真会館・鹿児島支部で鍛え上げられた強靱なフィジカルと打撃を、総合の闘いにも完全に順応させている。これに高校九州大会を制した柔道をベースにTK直伝のテクニックが加わり鬼に金棒。今大会の勝利で、プロデビュー以来無傷の6連勝。シドニー五輪銀メダリストにKO勝利したのも、もはやフロックでも何でもない!?
 そしてミルホンネットでは、未公開写真も含めた今大会の完全詳細ルポを、27日発売の『マット界舞台裏』3月5日号に掲載予定。こちらも是非ご覧いただきたい!
■『DEEP 40 IMPACT』
2009年2月20日(金)開始:18:15
会場:東京・後楽園ホール
<第10試合 DREAMウェルター級GP出場決定戦 5分3R 76キロ以下契約>
○池本誠知(総合格闘技スタジオSTYLE)
(1R1分42秒 TKO)
●門馬秀貴(和術慧舟會A-3)
<第9試合 DEEPミドル級次期挑戦者決定戦 5分3R 83.9キロ以下契約>
○福田力(GRABAKA)
(1R0分45秒 TKO)
●桜井隆多(R-BLOOD)
<第8試合 DEEPライト級王座決定トーナメント一回戦 5分3R 70.3キロ以下契約>
○菊野克紀(ALLIANCE)
(1R4分15秒 TKO)
●チョン・ブギョン(韓国/チーム・ユン)
<第7試合 DEEPライト級王座決定トーナメント一回戦 5分3R 70.3キロ以下契約>
○松本晃市郎(今田道場)
(3R判定 3-0)
●中尾受太郎(フリー)
<第6試合 5分2R 77.1キロ以下契約>
○長谷川秀彦(SKアブソリュート)
(2R判定 3-0)
●石川真(剛術)
<第5試合 5分2R 無差別契約>
○田澤和久(THUG LIFE 香和)
(1R2分55秒 袈裟固め)
●ティム”ビックパーム”パーシー(チーム・オオヤマ)
<第4試合 5分2R 93キロ以下契約>
△井上俊介(吉田道場)
(2R判定 ドロー)
△加藤実(フリー)
<第3試合 5分2R 77.1キロ以下契約>
○長岡弘樹(総合格闘技DOBUITA)
(2R判定 3-0)
●渡辺良知(AACC)
<第2試合 5分2R 70.3キロ以下契約>
○岡澤弘太(AXIS一宮/チームZST)
(2R判定 2-0)
●伊藤有起(ALLIANCE)
<第1試合 5分2R 65.8キロ以下契約>
○直撃我聞(PUREBRED大宮)
(2R判定 3-0)
●広斗(SFK)
週刊マット界舞台裏’09年2月19日号~2・10DEEP&CMAファン感謝祭詳細
週刊マット界舞台裏’09年3月05日号~2・20『DEEP 40』完全レポート