K-1 出場:木村“フィリップ”ミノル&卜部功也&卜部弘嵩 インタビュー

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「ずっとベルトを獲れなかった俺が最強の王者に勝ってK-1の世界王者になる。そんな物語だと思います」-65kg王者ゲーオに挑む木村”フィリップ”ミノル インタビュー

 11月21日(土) 東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~THE CHAMPIONSHIP~」。K-1 WORLD GP-65kgタイトルマッチで王者ゲーオ・フェアテックスと対戦する挑戦者・木村”フィリップ”ミノルのインタビューを公開!

――9・22後楽園での平本蓮戦は会場を大興奮させる一戦でした。あの試合は木村選手にとってどんな一戦でしたか?

「僕のイメージでは自分のステップアップどうこうの試合ではなく、お客さんへの感謝を見せる試合というか、感謝祭のような感じでした。『今までありがとう』という気持ちを込めて『いい試合を見せます!』という恩返しの感覚でしたね」

――平本選手も試合を盛り上げましたし、勝った木村選手も負けた平本選手もどちらも光った試合だったと思います。平本選手と拳を交えていかがでしたか?

「強かったですね。彼と同世代の選手が勝てないのもそりゃそうだな、と。あの世代ではトップ……というか世代関係なくトップの選手ですね」

――戦前の言葉通り、木村選手はほぼパンチのみで戦って、平本選手がパンチで来てもそれに応じて打ち合っていたように見えました。

「あれは僕だからこそですよね。リングの上でお互いに心を開いたから、いい試合になったと思います。自分のスタイルがあってこそ、お互い光るものだと思うので、やっていて楽しかったですね」

――試合中にお互いに分かり合えている感じがあったのですか?

「はい。そっちがそう来るなら、こっちもやってやるよって。僕たちリングでしゃべってましたからね、『もっと頑張ろうぜ!いい試合しようぜ!』って」

――木村選手にとっては平本選手の挑戦を受けるという今までにないシチュエーションの試合でしたが、周囲の反応も今までとは違ったのではないですか?

「そうですね。見ている人たちは分かってくれるもので、みんな感動していました。今までの『よくやった!』という感想ではなく『難しい試合をよく正解の方に導いて、いい盛り上げ方を出来てすごいよね』と、たくさんの人に言ってもらえて。だから見ている人たちは、試合のストーリーや見方を分かっているんですよね。今のファンは目が肥えていると思います。僕らが大々的に『こういうストーリーで、こういう試合なんだよ』と言わなくても、ファンがそれを感じ取ってくれるようになったので、やっていて楽しかったです」

――それはまさに新生K-1ならではのストーリーと盛り上がり方ですね。

「ボクシングでもMMAでも、例えばUFCでも、僕と平本選手みたいな試合で、あそこまで見ている人に伝わらないと思うんですよ。挑む立場と迎え撃つ立場があって…というのは。あの試合は本当にK-1ならではのストーリーで、K-1にしかない仕組みだったと思います。ただちょっと焦ったのは、僕もまだ22歳なのに、17歳を迎え撃つことになったから、まだ俺にも上があるのにベテラン感を出すのはまだ早いよって(笑)」

――確かにそうでしたね(笑)。さて木村選手にとっては目まぐるしい1年を締めくくる試合としてK-1 WORLD GP-65kgのタイトルマッチ、王者ゲーオ・フェアテックスが持つベルトへの挑戦が決まりました。

「今回のゲーオは僕が勝った時(1・18代々木)のゲーオとは全然違うと思うし、初めてゲーオという選手と戦うつもりです。感覚としては前に一度、タイ人と戦ったことがあるから、それを参考にゲーオと戦おう、みたいな感じですね」

――一度勝った相手と戦うというよりも、初めて戦うという感覚なのですね。
「もちろんいいイメージは残しています。俺は一度こいつを倒しているんだという自信は残して、それ以外はもう別人のつもりです」

――ゲーオは7・4代々木大会での左右田泰臣戦で、圧倒的な強さで左右田選手に勝利しました。改めてゲーオ強しの印象を残していますが、木村選手はあの一戦をどう見ていますか?

「ゲーオは昨年11月の初代王座決定トーナメント決勝で左右田選手とやっていて、ゲーオが疲れていたかもしれないけど、試合展開そのものは11月も7月も同じなんですよ。左右田選手をいなしてポンポン当てて攻撃を当てるっていう。それがお互いに万全の状態で戦ったから、7月はああなっただけなんです。みんなは俺とやった時にゲーオは調子が悪くて、7月に左右田選手とやった時に急に化けてまた強くなってきたと思うかもしれないけど、ファイターから見れば、11月も7月もゲーオがやっていることは同じなんですよね。度合いが違うだけで。それで1月に俺とゲーオがやって、俺が勝っているわけだから、ゲーオは俺に苦手意識があるだろうし、ゲーオにとって俺はやりにくい相手だと思います。
 僕の見解では、ゲーオは背が高い相手が得意だと思うんですよ。トーナメントで勝った相手も山崎(秀晃)選手、久保選手、左右田選手と、-65kgでは比較的みんな背が高い選手じゃないですか。で、俺は-65kgでは背が高い方じゃなくて、その俺につまづいているわけだから、きっとゲーオは俺みたいなタイプを苦手にしていると思います。まあ…でも再戦でベルトがかかったタイ人は強いですけどね」

――ゲーオは「1月の試合で負けたとは思っていない」や「木村は実力に伴わない口の悪さがある」と発言していますが、それについてはいかがですか?

「それでいいと思いますよ。でもそういう選手は次で勝てない。今まで格闘技を見て来て、格闘技のジンクスじゃないけど、ギリギリ勝った方と負けた方がいて、その2人が再戦するとギリギリ勝った方が圧勝するんですよ。これは格闘技で何回もあることなんです。それはきっと『負けてないのに負けにされた』と思って過ごす日々と『勝ったけど負けていたかもしれない』と思って過ごす日々では、成長の度合いに差が出るからだと思います。だから今までのキャリアではゲーオの方が上かもしれないけど、今回は俺の方が上だと思って戦います」

――木村選手もゲーオに勝った後、4月にHIROYA選手、7月にマサロ・グランダー、9月に平本選手に勝って、密度の濃い時間を過ごしてきたわけですからね。これから試合までの時間をどう過ごそうと思っていますか?

「試合が決まってからずっと緊張感が残っていて、まだ試合まで1カ月以上あるのに、夢にゲーオが出てくることもあります。だから練習を終えた時には自信しか残っていないように仕上げなきゃいけない。でもいい準備は出来ているし、僕も新しい戦い方で、いい試合が出来ると思います。いい試合をすることが目的ではないですけど、ベルトを獲るために最高の試合が出来るでしょうね」

――木村選手はこれまであと一歩のところでベルトを獲ることが出来ず、先日の会見でも「ここでベルトが獲れるかどうかは人生のチャレンジ」と話していました。その気持ちは今も同じですか?

「そうですね。その壁はすごく高かったので、ゲーオ戦がそれを乗り越える時だと思えば、しかもK-1の世界チャンピオンという夢が叶う時だと思えば、こんなに楽しみなことはないんでワクワクします。11月21日は自信だけを持ってリングに立つつもりです」

――今まで感じてきた悔しさはすべて今回のタイトルマッチでベルトを巻くためだった、と。

「初めて巻くベルトがK-1のベルトということには特別な想いがあって、僕にも執念はあるし、ゲーオにも執念はあると思うんでワクワクします」

――木村選手自身、K-1や格闘技に救われた人生だったわけですよね?

「はい。K-1がなかったらこうやって夢も見ていないし、K-1があったからこそ格闘技を始めたと思います。自分の人生を創るうえでK-1のベルトは獲らなきゃいけないし、K-1のベルトをここで獲ってこそ完璧な人生になると思います」

――例えばもしK-1がなかったら、今もまだ地元にいて普通に就職して暮らしていたと思いますか?

「そう思いますね、めっちゃ格闘技は好きでしょうけど(笑)。でもK-1に出会っていなかったら絶対にそういう人生を送っていたと思います」

――たくさんの人たちがこの試合を楽しみにしていると思います。木村選手はどんな試合を見せたいと思っていますか?

「11月に代々木第二に来た人は、間違いなく毎回K-1を見に来るような気持ちだと思うんですよ。今のK-1は他の格闘技以上にストーリー性があって、絶対に続きが見たくなると思うんで。そして俺が思っている以上に、ファンのみんなは色んな想いを持って試合を見に来ると思うので、俺もゲーオもファンも気持ちが最高に高まった状態で、最高の作品を創ることが出来ると思います。ゲーオの人生から見ても、俺にリベンジして防衛することはすごいことだろうし、俺の人生から見ても、ずっとベルトを獲れなかった選手が最強のチャンピオンに2回勝ってK-1のベルトを獲ることはすごい物語です。みんなの最高の気持ちがリングに集中すると思うので、それが爆発するんじゃないですかね。俺はその瞬間が楽しみです」

<選手プロフィール>
木村“フィリップ”ミノル
Kimura “Philip” Minoru
所属ジム:Fighting Kairos/マイウェイジム
出身地:ブラジル
誕生日:1993/9/9
身長:172cm
クラス:-65kg
戦績:25戦20勝(15KO)4敗1分

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「試合が終わった後に普通の兄弟に戻れなくてもいい。K-1のベルトにはそれだけの魅力があります」挑戦者・卜部弘嵩と対戦 -60kg王者・卜部功也インタビュー

 11月21日(土) 東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~THE CHAMPIONSHIP~」。K-1 WORLD GP-60kgタイトルマッチで挑戦者・卜部弘嵩と対戦する王者・卜部功也のインタビューを公開!

――初防衛戦の相手が兄の弘嵩選手に決まりました。防衛戦が兄弟対決になるかもしれないという覚悟はありましたか?

「そうですね。ずっと兄が(王座挑戦を)言い続けていて、兄はすごく負けず嫌いですし、どこかで覚悟を持たなければいけないと思っていました」

――弘嵩選手が9月のKrush後楽園大会で勝利したあと、マイクで功也選手に対戦アピールし、功也選手もそれを受けて立つ構えを見せました。

「あの時にもう兄とやるんだろうなと思いました。兄はタイ修行まで行って気合を入れていたので、これは避けられないなと思いました」

――1・18代々木のK-1 WORLD GP-60kg初代王座決定トーナメント決勝で兄弟対決が実現したことで、2人の関係性は変わりましたか?

「一緒に練習することがなくなりましたね。お互いに意識していたんだと思います」

――同じ道場で練習していても、お互い何をやっているか分からないという状態ですか?

「そういう感じです。どんな練習をしているかも分からなかったです。今までは兄と練習内容やテクニックについて相談や話し合いをすることもあったのですが、そういうことは一切なくなりました」

――前回はトーナメントの決勝戦でしたが、今回はお互いノーダメージで戦うことになります。1月とは違う試合になると思うのですが、どんなことが頭に浮かびますか?

「もちろん僕は兄の強さを分かっているし、その分、兄の弱さも分かっています。僕自身、今までよりもさらにレベルアップしているので、兄弟関係なしに卜部弘嵩という対戦相手にしっかり勝ちたいだけです」
――例えば決勝で勝った相手に防衛戦でも勝てば、文句なしの完璧なチャンピオンになると思います。

「この試合が終わって兄弟の関係がおかしくなろうと、僕はプロとして勝つことしか考えられないです」

――功也選手は格闘技を始めた頃、弘嵩選手のことを目標にして追いかけていましたか?

「格闘技を始めるきっかけも兄だったし、プロになってからも兄について行って…そんな感じでした」

――ただK-1甲子園で活躍して、先にプロでも注目を集めたのは功也選手だったように思います。

「僕は上手くいきすぎたかなって感じだったんですけど。兄も10代でアマチュア大会でチャンピオンになってプロデビューして、少し勝てない時期もありましたが、Krushでチャンピオンになって…兄のそういう姿を見てきて、最後まであきらめない気持ちの強さを知っています。1月のトーナメントで僕に負けた後も、あきらめずに僕との対戦をアピールし続けて実現させたので、また強くなっているんだろうなと思います」

――いつかは兄に勝ちたい、超えてやろうという思いはあったのですか?

「僕の中ではなかったんですよね。兄は兄、僕は僕だったんで。でも1月のトーナメントで兄に勝って、K-1のチャンピオンになって考えが変わりました。僕はK-1のベルトを獲って、もっともっと強い相手と戦いたいし、誰よりもこのベルトを防衛したい。そこは誰にも譲れません」

――兄弟対決で弘嵩選手が変わったように、功也選手も変わったわけですね。K-1のベルトを巻いて、K-1チャンピオンとしての自覚や覚悟は強くなりましたか?

「はい。兄弟だろうが、このベルトを譲るつもりはありません」

――弘嵩選手に自分にはもう敵わないと思わせたいですか?

「一人の対戦相手に対して、いつも通り触れさせずに勝つ。それを貫きたいと思います」

――今大会は全4階級のタイトルマッチが並び、それぞれ比較される部分もあると思いますが、功也選手はどんな試合を見せたいですか?

「先ほどの繰り返しになりますが、今回も触れさせずに勝ちます。兄だろうが誰だろうが関係ないです。それが僕のスタイルです」

――前回の兄弟対決は感動的な終わり方でした。今回は試合が終わった後、どうなっていると思いますか?

「どうなるんですかね…僕も想像できないです。でも僕は前回より覚悟を持っているんで、感動とか関係ないです。意地ですよね、もう。あっちは兄や選手としてのプライドで、一度負けた相手に負けられないだろうし、何が何でもK-1のベルトを巻きたいと思っているでしょう。でも僕も一人の選手としてこのベルトは誰にも譲れないし、誰が相手でも負けたくない。そういう意地と意地のぶつかり合いですね。だから試合が終わった時にどうとか考えてないです。意地でもこのベルトを守って勝つ。それしか考えられません」

――兄弟ではなく血がつながっていない相手を殴るような感覚ですか?

「僕の中では完全にそういう考えになっていますね。僕は兄弟の関係がぶっ壊れてもいいと思っています。試合が終わった後に普通の兄弟に戻れなくてもいい。K-1のベルトにはそれだけの魅力があるし、きっと兄もそう思っていると思います」

<選手プロフィール>
卜部功也
Urabe Koya
所属ジム:チームドラゴン
出身地:東京都江東区
誕生日:1990/6/8
身長:172cm
クラス:-60kg
戦績:44戦39勝(8KO)6敗
タイトル歴
・初代K-1 WORLD GP -60kg王者
・ISKA世界ライト級王者
・Krush YOUTH GP 2012 -63kg王者

「功也の試合には魂がこもっていないし、すべてが軽い。僕は甘っちょろい卜部功也しか知りません」-60kg王者・卜部功也に挑戦 卜部弘嵩インタビュー

 11月21日(土) 東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~THE CHAMPIONSHIP~」。K-1 WORLD GP-60kgタイトルマッチで王者・卜部功也に挑む挑戦者・卜部弘嵩のインタビューを公開!

――1・18代々木でのK-1 WORLD GP-60kg初代王座決定トーナメント決勝で功也選手に敗れた後、ずっと対戦をアピールし続けていたタイトルマッチでの再戦が実現しました。この8カ月間はどんな気持ちで過ごしていたのですか?

「こうして正式に決まりましたけど、ずっと(VS功也を)頭の中でイメージしていて、それに向かって突っ走ってきた感じです。それがブレることはなかったし(功也に)負けた悔しさを1日も忘れることはなかったです」

――今までも色々な悔しい想いをしてきたと思いますが、あの敗戦は人生の中でどのくらい悔しい出来事でしたか?

「やはり兄弟なので2人で同じ場に立つことが多くて、そういう時にいつも感じていましたね。ベルトが獲れなかった時の悔しさを」

――試合が決まった時にはどんな気持ちにありましたか?

「僕の中ではイメージしていたことなんで当然なのかな、と。それだけです」

――この試合が決まってから、チームドラゴンの練習が二部制になったと聞きました。今までそういったことはあったのですか?

「初めてですね。さすがに対戦相手と一緒に練習するわけにはいかないんでしょうがないです。先輩や仲間たちには迷惑をかけてますけど、11月21日まで続けさせてもらいます」

――弘嵩選手は2013年12月に梶原龍児さんの引退試合で同門対決を戦ったことがありますが、その時も練習を分けることはなかったんですよね?

「そうですね。あの時は追い込み練習は一緒で、スパーリングの時に上手くかぶらないようにしていました」
――ではもう功也選手とは全く会わない状況ですか?

「会わないですね。そういう環境を作っていただいているので、いい集中ができた練習をしています。もともとあまり連絡することがなかったのですが、対戦を意識するようになって、イベントで顔を合わせそうになる時は『僕は行かないです』と断ることも多くなりました」

――今回の試合が決まってご両親からはどんな言葉がありましたか?

「やるしかないよねって感じですね。僕は父親と話すことが多いのですが、父親はそういった反応でした。母親は…どうですかね…。複雑な気持ちとK-1の舞台で世界最強を兄弟で争うことを喜んでいる部分と両方あると思います」

――過去を振り返ると、先にプロデビューしたのは弘嵩選手ですが、注目を集めていたのは功也選手だったように思います。当時、功也選手のことをどう思っていましたか?

「何も思わなかったですけど…僕にはそういう運がなかっただけなのかなってだけで。ただ直接対決で勝っちゃえば、関係ないと思っています」

――功也選手のことをうらやましいと思ったり、コンプレックスを持つことはなかったですか?

「それも次の試合で変わるんじゃないですかね。地上波で『新K-1伝説』も始まったし、次で勝てばこっちのもんかなって。トーナメントは1回戦・準決勝のダメージがあって、決勝では100%の力を出せない部分があったんで、今度は文句なしの無傷の状態でやれるので楽しみです」

――功也選手は「兄弟の関係が壊れてもいい」と話していたのですが、それについてどう思いますか?

「本当かなって思いますね。僕は甘っちょろい卜部功也しか知らないんで、僕のように精神状態を追い込めるのか?と思います。その言葉は本心じゃなくてただ強がっているだけだと思います」

――弘嵩選手から見ていて功也選手の甘っちょろいは変わらない?

「昔から変わらないですね。あの甘っちょろさは変わらないです」

――会見でも功也選手を見る目が兄弟を見る目ではなかったように思いました。

「完全に僕はやる気満々なんで。これで変な試合をしたり、また負けるような試合をするんだったら、1月から悔しい想いをして、この試合に向けてやってきた意味がないと思います」

――功也選手はK-1のベルトは兄弟の関係を犠牲にしても価値があるものと言っていました。弘嵩選手にとってK-1のベルトはどんなものですか?

「チャレンジャーなんで、ベルトはおまけですね。チャンピオンは試合も会場も盛り上げて、大会を成功させなきゃいけないと思いますけど、僕はチャレンジャーだから、お客さんを盛り上げるとか余計なことを考えずに、ぶっ倒しにいくだけなんで気持ちは楽です」

――ベルトが獲れなかったことより弟に負けたことが悔しかったのでしょうか?

「僕自身、納得できなかったんですよね。スカッとやられて負けたんだったら、それはそれでって思うんですけど…僕はあの試合に納得していない。功也のパンチも蹴りもすごく軽くて、全然負けた気がしてません」

――あの時は準決勝までのダメージもあったと思いますが、2Rが終わった時には自力で歩けないようになっていましたよね。それでも功也選手の攻撃は軽かったですか?

「(即答で)軽かったですね。なんか…重みがなかったです。魂がこもっていないっていうか。確かにダメージはありましたけど、心が参るようなものじゃなくて、すべてが軽かったです。僕は今まで卜部功也の試合を見て、何も感じなかったし、実際に試合をやってみて、そう思いました。功也がチャンピオンになってからの試合を見ましたけど、何も伝えられていないし、卜部功也がチャンピオンのままだったら、K-1の他の階級にライバルがたくさんいるのに、メインは張れないんじゃないの?と思います」

――会見では功也選手に「危なかっしい選手」と言われていましたが、完全無欠のチャンピオンよりも、危なかっしくても倒して勝つ選手の方が魅力的なこともあります。弘嵩選手はそこをどう考えていますか?

「僕にとって判定で終わることが負けなんですよ。だから判定になりそうだったら、最後はリスクを背負ってでも強引に倒しに行くという責任があるんです。でも今のチャンピオン(功也)は、そういう責任を背負ってないんですよ。だから攻撃が軽いし、外国人選手を倒せないんです」

――今年2度目の兄弟対決になりますが、どんな試合を見せたいと思いますか?

「僕が勝つところをみんなに見てもらいたいです。1月18日から11月21日まで約10カ月、自分が思い続けたものをすべて試合に出して、そういう試合をすれば必ず見ているお客さんにも伝わると思うので、楽しみにしてほしいです」

――敵として見ている弟と試合が終わって、今までと同じ関係に戻れると思いますか?

「どうですかね。僕がK-1のチャンピオンになったら、Krushと同じようにK-1も引っ張っていかなければいけないので、忙しくて相手にしてられないですね」

<選手プロフィール>
卜部弘嵩
Urabe Hirotaka
所属ジム:チームドラゴン
出身地:東京都江東区
誕生日:1989/5/13
身長:169cm
クラス:-60kg
戦績:43戦31勝(15KO)9敗3分
タイトル歴
・初代・第4代Krush -60kg王者
・ISKA世界スーパー・ライト級王者

大会概要・対戦カード
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