ルンピニースタジアム福田海斗がラジャ現役王者に勝利&伊藤勇真リベンジならず惜敗!

福田海斗、快挙! ラジャダムナン現役王者に判定勝利
 現役高校生ファイターの福田海斗(キング・ムエ)が11/6(金)のルンピニースタジアム興行「スック ワンウィラポン」第6試合に出場、現ラジャダムナンスタジアム ライトフライ級王者・クワンドム・トーミンブリーに判定勝利する快挙、タイ関係者に大きな衝撃を与えた。

 この試合は、100万バーツ(約350万円)の賭け試合に日本人選手が挑むということで試合前から大きな話題にとなっており、欧米の観光客やタイ人ギャンブラーなど多くの人がスタジアムに押し寄せ、場内は異様な熱気に包まれた。

 両者がリングに登場するとひときわ大きな歓声が上がり、ワイクルーの一挙手一投足にもギャンブラーの厳しい視線が注がれた。
 第1ラウンド、両者前蹴りで牽制し、福田はロー、クワンドムも負けじとローを返す。福田がワンツーフックから右ローを決めれば、クワンドムはカウンターでワンツーをクリーンヒットさせ、序盤から両者ヒートアップ。 普段は1.2ラウンド様子見のギャンブラー達も既に総立ちで歓声を送る。

 第2ラウンド、早くも両者が最も得意とする首相撲勝負へ。福田がステップして左ヒザを当て、深く組んでくるクワンドムの顔を押さえて細かくヒジ・ヒザのコンビネーション。クワンドムも力強いロックから左の押しヒザ。ブレイクで離れればパンチでボディを狙い打ちするクワンドムに対し、福田は左縦ヒジのカウンターを合わせる。首相撲の攻防は一進一退ながら、クワンドムのロックが強く福田の頭が下がる場面もあり、このラウンドは賭け率2-1でクワンドム有利。

 第3ラウンド、両者一歩も引かないヒザ勝負となる。福田がクワンドムの蹴り際にうまくコカシ技で転倒させれば、クワンドムはロープ際で左の押しヒザからヒザを押し当てた体勢で福田の動きを封じる高等テクニックを見せる。このラウンド終了時で賭け率はイーブンとなり、まさに一進一退の展開。

 そして運命第4ラウンド、福田は左ミドルから入り遠い間合いで組み、顔を押さえてヒザ。左右のヒジも交えヒジ・ヒザの波状攻撃。2発3発とクワンドムのボディーにヒザがクリーンヒットし、さらに福田が渾身の右ヒジを放ったあとクワンドムがバランスを崩して転倒!すぐに立ち上がり首相撲の展開が続くが、ボディーが効いているのか若干蹴り数が減るクワンドム。 ブレイク時の体勢も福田が有利な体勢となり福田の印象が良くなる。しかしクワンドムも王者の意地を見せ前進、強いロックから大きく回してヒザ。第4ラウンド終了時で5-2と福田が逆転したが、大きな差ではないため最終ラウンドで決着が付く “チンダム” という、ギャンブラーにとっては最も好まれる展開となった。

 その最終ラウンド、両者勢いよく飛び出しお互い意地をぶつけ合うかのようにヒザが目まぐるしく交差する。しかしながらクワンドムが若干スタミナ切れか、ロープ際でのブレイク時の体勢がやはり不利となり、このわずかな差で賭け率が一気に福田へ。後半セコンドからの「前蹴りで突き放せ!」の指示通り、前蹴り・ジャブで距離を保つ。クワンドムも必死にパンチを振るうが福田に動きを封じられ万事休す。
 試合終了後レフェリーは福田の手を挙げ、福田は現役王者を敗るという快挙を達成した。

 試合後、多くの関係者や観光客から祝福を受け、またテレビや専門誌のなどのマスコミもごった返し、あるマスコミ関係者は「日本人選手がタイでタイのチャンピオンに勝ったのは、あのフジワラ以来じゃないかな。 しかもヒザの展開で勝つなんて考えなれない!カイトはもうフジワラ以上だ。」と今回の勝利の大きさを物語っていた。

 また、ムエタイ最大のプロモーション・ペッティンディーのシアナオ氏が、12/8(火)に開催されるルンピニースタジアム生誕記念興行への出場をオファー。ルンピニースタジアム・フライ級タイトルマッチ出場が提案されたという。
 福田サイドの意向はまだ調整中とのことだが、今後の福田の去就が注目される。

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■ ルンピニースタジアム「スック ワンウィラポン」
日時:11月6日(金)
会場:タイ・バンコク・ルンピニースタジアム

<第6試合 111-113ポンド契約>
●クワンドム・トーミンブリー(ラジャダムナンスタジアム ライトフライ級王者・ルンピニースタジアム同級6位)
 判定3-0(49-47、49-47、49-47)
○カイト・ウォーワンチャイ(福田海斗/WPMF世界フライ級王者)

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伊藤勇真、リベンジならず惜敗。11/2(月)ラジャダムナンスタジアム

 元WPMF日本フライ級王者の伊藤勇真がタイ・ラジャダムナンスタジアム興行「スック ワンキントーン」に出場、今年3月に接戦で敗れたコム・トープラン49と再戦。前回の激しい蹴り合いとはうってかわって華麗なテクニック合戦であったが、コムのカウンターに戦法に惜敗、リベンジとはならなかった。

 序盤は両者静かな立ち上がり。第二ラウンドに入りようやく動き始め、伊藤はパンチからローにつなぐ。コムも時折鋭いワンツーを見せるがディフェンスに徹し、前げ蹴りで伊藤を突き放す。後半で一気に試合を決めるつもりのようだ。
 第三ラウンド、伊藤は前に出て首相撲を仕掛ける。コムも応戦し、ほぼ互角の展開であったが中盤以降、コムが伊藤の顔を押さえて真っ直ぐのヒザ、この攻撃が数発決まりそれまで互角だった賭け率も一気にコムに流れ、伊藤にとっては厳しい展開に。
 そして勝負の第四ラウンド、劣勢をひっくり返そうと伊藤は手数をアップし勝負に出る。首相撲からガッチリとロックして押しヒザ!その後のコカシ技でコムを転倒させる。ギャンブラーも一気に沸き立ち、場内も大歓声であったが、コムはサウスポーにチェンジし左ミドルを狙い打ち。カウンターで伊藤の腕を蹴りあげ展開を戻す。最終ラウンド、パンチで連打でコムをロープ際に釘付けにするが逆転には至らず惜敗となった。

 リベンジとはならなかった伊藤だが、タイ人関係者からも「スワイ、スワイ!(戦い方が)きれい」と評さており、ギャンブラーからも好意をもって受け入れられているようだ。すぐに次戦のオファーもあり、伊藤も定期的に参戦する予定だという。伊藤の巻き返しに期待したいところだ。

■ ラジャダムナンスタジアム「スック ワンキントーン」
日時:11月2日(月)
会場:タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム

<第8試合 115ポンド契約>
○コム・トープラン49(タイ)
 判定3-0
●ユーマ・ウォーワンチャイ(伊藤勇真/元WPMF日本フラグ級王者)

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