[週刊ファイト4月16日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼UFC Fight Night:モイカノ勝利の裏で平良達郎の決戦延期の衝撃報道
Photo:(C)Zuffa LLC /UFC by 野村友梨乃
・UFC Fight Night:メインイベントはモイカノvs.ダンカンのATT同門対決
・決戦延期も熱は消えず:平良達郎、王座挑戦は5月へ仕切り直し
・日本勢5月ラッシュ:鶴屋怜&朝倉海再起戦決定、マカオに集う次世代
・同門対決の決着:モイカノ、ダンカンを絞め落とし再起の一本勝利
・グラップラー対決の帰結:ジャンジロバ、組みで制圧し王座戦線へ浮上
・無敗フィニッシャーの衝撃:ヤキヤエフ、打撃被弾も構わず一本勝ち
・新旧交錯のUFC Fight Night ラスベガス115:再起と躍進が描く次章
▼UFCシアトル、アデサニヤ4連敗の衝撃:激闘連発で進む世代交代
▼UFCフェザー級激化:無敗対決制したイヴロイエフ、王者挑戦に名乗り
■ UFC Fight Night: Moicano vs. Duncan
日時:2026年4月4日(日本時間5日)
会場:米国ネバダ州ラスベガス META APEX
<メインイベント ライト級 5分5R>
○ヘナート・モイカノ(ブラジル)21勝7敗1分
2R 3分14秒 リアネイキドチョーク
●クリス・ダンカン(スコットランド)15勝3敗
<コメインイベント 女子ストロー級 5分3R>
○ヴィーナ・ジャンジロバ(ブラジル)23勝4敗
判定 3-0
●タバタ・リッチー(ブラジル)12勝4敗
<ライトヘビー級 5分3R>
○アブドゥルラフマン・ヤキヤエフ(トルコ)9勝0敗
1R 2分52秒 TKO
●ブレンジソン・ヒベイロ(ブラジル)17勝10敗
<バンタム級 5分3R>
○イーサン・ユーイング(米国)10勝2敗
3R 1分44秒 鉄槌⇒TKO
●ハファエル・エステヴァム(ブラジル)14勝1敗 ※体重超過
<フェザー級 5分3R>
○トミー・マクミレン(米国)10勝0敗
1R 3分57秒 TKO
●マノロ・ゼッキーニ(イタリア)11勝5敗
<フェザー級 5分3R>
○ジョゼ・デラノ(ブラジル)17勝3敗
判定 3-0
●ロベルト・ルチャラ(ポーランド)11勝3敗
<ヘビー級 5分3R>
○トーマス・ピーターセン(米国)11勝4敗
判定 2-0
●ギリェルミ・パッチ(ブラジル)6勝1敗
<フライ級 5分3R>
○アレサンドロ・コスタ(ブラジル)15勝5敗
2R 4分56秒 左ボディ⇒TKO
●スチュワート・ニコル(豪州)8勝3敗
<ライト級 5分5R>
○ダリウス・フラワーズ(米国)13勝8敗1分 ※体重超過
2R 0分52秒 パウンド⇒TKO
●ランド・ヴァナータ(米国)12勝8敗2分
<女子バンタム級 5分3R>
○アリス・ペレイラ(ブラジル)7勝1敗
2R 4分24秒 KO
●ヘイリー・カワン(米国)7勝5敗
<ミドル級 5分3R>
○トレーシャン・ゴア(米国)6勝4敗
3R 3分27秒 ギロチンチョーク
●アザマト・ベコエフ(ロシア)20勝5敗
<女子フライ級 5分3R>
○ジオニ・バルボーザ(ブラジル)9勝4敗
判定 2-0
●メリッサ・ガト(ブラジル)9勝3敗2分
<ライト級 5分3R>
○カイ・カマカ三世(米国)18勝7敗1分
判定 2-1
●ダコタ・ホープ(米国)11勝2敗
UFC Fight Night:メインイベントはモイカノvs.ダンカンのATT同門対決
ジョシュア・ヴァンと平良達郎の一戦が延期となるという予想外のニュースが流れた一夜。そんな中で開催された『UFC Fight Night: Moicano vs. Duncan』は、ATT同門対決となるヘナート・モイカノ vs. クリス・ダンカンをメインに据えた大会となった。
王座挑戦が先送りとなった日本の期待・平良達郎。その一方で動き出した日本人ファイターたちの新たな挑戦。そしてオクタゴンの中では、再起を懸けたベテラン、進化を続ける実力者、無敗の新鋭たちが、それぞれの立場で結果を残していく。
一つの大会の中に、停滞と前進、継続と変化が同時に存在する――。そんなUFCという舞台の“今”を映し出す一夜となった。
決戦延期も熱は消えず:平良達郎、王座挑戦は5月へ仕切り直し
2026年4月11日(日本時間12日)、米国フロリダ州マイアミのカサヤセンターで開催される『UFC 327』にて行われる予定だった「UFC世界フライ級選手権試合」で、同級3位の平良達郎が王者ジョシュア・ヴァンに挑戦する一戦が、思わぬ形で延期となった。ヴァンの負傷欠場により、このタイトルマッチは5月9日(日本時間10日)開催の『UFC 328』(ニュージャージー州ニューアーク)へとスライドされることが、5日のUFCライブ中継内で発表された。
来週に迫っていた大一番。日本のMMAファンにとって、この日を待ち望んでいた人は多かったはずだ。それだけに、突然の延期発表に落胆したファンも少なくないだろう。

しかし唯一の救いは、ヴァンの怪我が長期離脱を伴う深刻なものではなかった点にある。試合はおよそ1カ月後に再設定され、日本人初のUFC王者誕生という大きな期待が完全に消えたわけではない。むしろ、“仕切り直し”という形で、より万全の状態での決戦が実現するとも言える。
ただ、その「負傷欠場」という理由については、ファンの間で小さくない疑問も広がっている。今回のプレリムに出場するダコタ・ウラカン・ホープのセコンドとして、ヴァンが現地で帯同している姿が確認されており、SNS上ではウォーミングアップでミットを持つ様子も拡散されている。

こうした状況から、「本当に試合ができないほどの負傷だったのか」という声も上がり始めているのが実情だ。もちろん詳細は公表されておらず、真相は当事者にしか分からない。それでも、“負傷による延期”という発表と現地での動きのギャップは、少なからず違和感を残すものとなっている。
さらに5月は、日本人ファイターの試合が複数予定されているほか、『Road To UFC』シーズン5の開幕も控えており、日本のMMAシーン全体が大きく動くタイミングでもある。
もっとも、日程の巡り合わせはどこか皮肉でもある。もともと4月11日(日本時間12日)に予定されていたこのタイトルマッチは、同日に開催されるRIZIN福岡大会と重なっていた。そして今回スライドされた5月9日(日本時間10日)も、今度はRIZIN神戸大会と同日開催となる。ここまで重なるかと思うほどの“かぶり”だが、それだけ今の格闘技界が活発に動いている証でもあるだろう。
決戦は先送りとなった。それでも、この一戦への期待が揺らぐことはない。むしろ時間を経て、より大きな熱とともに、その真価が問われる舞台へと変わっていくはずだ。
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日本勢5月ラッシュ:鶴屋怜&朝倉海再起戦決定、マカオに集う次世代
平良達郎のタイトル戦延期というニュースの一方で、日本人UFCファイターたちの動きはむしろ加速している。5月は、日本勢にとって一つの大きな節目となる月になりそうだ。
2026年5月30日、中国・マカオのギャラクシー・アリーナで開催される『UFC Fight Night: Song vs. Figueiredo』で、鶴屋怜の復帰戦が正式に発表された。対戦相手はヘスス・アギラー。待ちに待った試合決定の知らせに、ファンの期待も一気に高まっている。

鶴屋はMMA10勝1敗。第8代フライ級キング・オブ・パンクラシストとして『ROAD TO UFC』シーズン2を制しUFCと契約。2024年6月の本戦デビューではカルロス・ヘルナンデスに判定勝利を収めた。しかし2025年8月に予定されていた試合は負傷により欠場。今回が待望の復帰戦となる。
対するアギラーはMMA12勝4敗。UFCデビュー戦では平良達郎に一本負けを喫したものの、その後はKO勝利や接戦を制して実績を積み上げてきたファイターだ。勢いを取り戻したい鶴屋と、評価をさらに上げたいアギラー。フライ級戦線の中でも重要な一戦となる。
さらに同大会では、朝倉海の再起戦も決定。バンタム級へ転向し、キャメロン・スマザーマンと対戦する。

なかなか試合が決まらない状況が続いていた朝倉だが、本人は常に「準備はできている」と発信し続けてきた。その言葉通り、ようやく巡ってきた復帰の舞台となる。フライ級で2連敗を喫している中での階級変更。バンタム級初戦となるこの試合は、今後のキャリアを大きく左右する重要な一戦になることは間違いない。
一方のスマザーマンは元Fury FC王者でMMA12勝6敗。UFCでは1勝2敗ながら、2026年1月の『UFC 324』では計量後に倒れ救急搬送されるというアクシデントもあり、そのインパクトが記憶に残るファイターでもある。コンディション面も含め、どのような状態で試合に臨むのかも注目ポイントだ。

さらに5月28日からは同じマカオで『ROAD TO UFC シーズン5』のオープニングラウンドが開催され、日本人選手11名の参戦も発表されている。シーズン4でフェザー級を制した中村京一郎に続く新たな日本人ファイターが誕生するのか。こちらも見逃せない。
タイトル挑戦、再起戦、そして次世代の台頭――。5月のUFCは、日本人ファイターにとって“現在と未来”が交差する重要な時間となる。
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同門対決の決着:モイカノ、ダンカンを絞め落とし再起の一本勝利
<メインイベント ライト級 5分5R>
○ヘナート・モイカノ(ブラジル)21勝7敗1分
2R 3分14秒 リアネイキドチョーク
●クリス・ダンカン(スコットランド)15勝3敗

ライト級で行われたのは、ランキング戦線に関わる重要な一戦、ヘナート・モイカノ vs. クリス・ダンカン。両者は同じアメリカン・トップチームに所属するトレーニングパートナー同士という、複雑な関係性を持つカードでもあった。
モイカノはドーバー、ターナー、サン・デニらを破り4連勝を飾るも、王者イスラム・マハチェフへの緊急挑戦で一本負け。その後も敗戦が続き、ここで流れを取り戻したい状況だった。一方のダンカンは打撃を軸に4連勝と勢いに乗るファイター。互いに相手の強みを知り尽くす中での対戦となった。
1Rは拮抗した展開。グラウンドに持ち込みたいモイカノに対し、ダンカンはスタンドで勝負を仕掛ける。慎重な立ち上がりとなったのは、互いの手の内を知るがゆえだった。しかし2R、試合が一気に動く。モイカノのジャブでダンカンの鼻から出血。打ち合いの中で左を合わせてダウンを奪うと、そのままバックを奪取する。
バックマウントからリアネイキドチョークへ。必死に手首を掴んで防ぐダンカンだったが、モイカノのパウンドに意識が割かれた一瞬の隙――その瞬間を逃さなかった。チョークが深く入り、ダンカンはタップ。2R3分14秒、一本決着。モイカノが得意のグラップリングで再起を果たした。
試合後、モイカノは肩を組んだダンカンに最大限のリスペクトを示した。
「ダンカンは本当にリスペクトしている。ATTは最高のチームだ」
さらにこう続けた。
「僕は神を信じている。いつも救ってくれるんだ。家族のために祈ってきた。仲間を殴りたくなかった。だからチョークでフィニッシュした」

勝利の裏にあったのは、技術だけではない葛藤だった。同門だからこそ生まれる迷い、それでも勝負の世界で結果を出さなければならない現実。そのすべてを背負いながら、モイカノは“最も自分らしい形”で勝利を手にした。