[週刊ファイト3月26日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼UFC FightNight:ヴァシェホスがエメットを1R撃破、UFC世代交代の兆し
Photo:(C)UFC/MLBジャパン by 野村友梨乃
・世代交代の前哨戦:メインはエメットvs.ヴァシェホス17歳差対決
・WBCで平良達郎が“プレーボールコール”も…Netflix中継に映らず
・17歳差の世代対決決着:ヴァシェホス、エメットを1R TKOで撃破
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・世代交代の兆しと若き才能が動かすUFC:今後の激闘の行方
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世代交代の前哨戦:メインはエメットvs.ヴァシェホス17歳差対決
2026年3月14日(日本時間15日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで『UFC Fight Night: Emmett vs. Vallejos』が開催された。今回のメインイベントで注目を集めたのは、ベテランのジョシュ・エメットと新鋭ケヴィン・ヴァシェホスによるフェザー級の一戦。両者の年齢差は実に17歳。キャリアと経験で勝るベテランと、勢いに乗る新世代ファイターがぶつかる、世代対決としても大きな意味を持つカードとなった。

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WBCで平良達郎が“プレーボールコール”も…Netflix中継に映らず
同じ日、スポーツ界ではもう一つ大きな注目が集まっていた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝で、侍ジャパンがベネズエラと対戦。舞台となった米マイアミのローンデポパークでは、“プレーボールコール”をUFCフライ級の日本人ファイター・平良達郎が務めた。
世界中の野球ファンが見守る舞台で、日本の総合格闘家がその存在を示した瞬間だった。
しかし、そのプレーボールコールはWBCを独占配信しているNetflixの中継では放送されなかった。始球式を務めた俳優・渡辺謙の投球シーンはしっかりと配信されていたにもかかわらず、平良のプレーボールコールは映像に含まれていなかったのだ。

この点はSNSでも「なぜ放送されなかったのか」と話題になっており、Netflixがライバル視しているUFCの選手だからか?と個人的には推測もしたりしていた。格闘技ファンの間では少し残念な出来事でならない。
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17歳差の世代対決決着:ヴァシェホス、エメットを1R TKOで撃破
<メインイベント フェザー級 5分5R>
○ケヴィン・ヴァシェホス(アルゼンチン)18勝1敗
1R 3分33秒 TKO
●ジョシュ・エメット(米国)19勝7敗
フェザー級メインイベントは、ランキング11位のベテラン、ジョシュ・エメットと14位の新鋭ケヴィン・ヴァシェホスによる一戦。41歳のエメットと24歳のヴァシェホス、実に17歳差の世代対決となった。
エメットはチーム・アルファメール所属のベテラン。ステップを使いながら一撃必殺のオーバーハンド右でKOを狙うスタイルで、2019年から2022年にかけて5連勝を記録し、ヤイール・ロドリゲスとの暫定王座決定戦にも進出した実力者だ。ただ近年はトップランカーとの対戦が続き、直近5戦では1勝4敗。とはいえ、敗れた相手はロドリゲス、トプリア、マーフィー、ザラルといずれもトップクラスの強豪ばかりで、ランキングを維持し続けていること自体が実力の証明でもある。
一方のヴァシェホスは24歳のアルゼンチン人ファイター。バックボーンはボクシングで、飛び込みながらパンチを打ち込むスタイルが特徴だ。UFCではここまで3戦3勝。唯一の黒星はDWCSでのジェアン・シウバ戦のみで、昨年12月にはランカーのギガ・チカゼをKOで破り、一気に注目株へと浮上した。今回がUFC初のメインイベントとなる。
入場からヴァシェホスは落ち着いていた。初のメインイベントとは思えないほど自然体で、笑顔さえ浮かべながらケージへと向かう。2025年3月のUFCデビューからわずか1年でメインイベントに立つスピード出世。その勢いを象徴するような雰囲気だった。
試合が始まると、ヴァシェホスはどっしりと構えながらエメットをじりじりとケージへ追い込んでいく。24歳という若さながら、試合の空気をコントロールしているようにも見えた。一方のエメットは、必殺の右を狙うタイミングをうかがう。

そして試合は一瞬で動く。エメットが飛び込んだ瞬間、その動きに合わせてヴァシェホスの右がカウンターでヒット。さらに右を打ち込みエメットがダウン。ヴァシェホスはすぐにパウンドを連打し、立ち上がろうとするエメットにヒザを入れ、エメットが右を振るも、すでによろめいている状態。ヴァシェホスは立ち際を逃さず、パンチとヒザの連打を浴びせ続け、レフェリーが試合を止めた。

1R3分33秒、TKO。初メインイベントのヴァシェホスが、ランキング上位のベテランを圧倒してみせた。
試合後、ヴァシェホスはこう語った。
「まず神に感謝したい。エメットの試合を観て成長してきたし、すごく尊敬している。今回の試合はすべてプラン通りだ。彼はベテランで同じ技を出してくるから、それを見切ったんだ。名前は特にないけど、アルゼンチンからそのうちチャンピオンが生まれるぞ」
試合前には「せっかく初めての5Rだから楽しみたい」と語っていたヴァシェホス。しかし実際の試合では、わずか1ラウンドで仕留めてしまった。そのフィニッシュ力は、これまでの試合と同様に強烈な印象を残すものだった。

24歳の新鋭は、ここから一気にトップ戦線へ食い込んでいくのか。ヴァシェホスの試合はとにかく面白い。これからどこまで駆け上がるのか、ぜひ見続けていきたいファイターの一人だ。