[週刊ファイト3月5日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼UFCフライ級王者戦線へ:5位浮上の堀口恭司が示す“強さ”と“格”
photo:週刊ファイト+(C)UFC、(C)堀口恭司 by 野村友梨乃
・UFCフライ級5位の堀口恭司:安定した試合内容でUFC王座圏内へ
・試合後右手骨折告白:堀口恭司の覚悟と迅速発信が示した“チーム力”
・炎上の中で際立った堀口恭司の守る覚悟:男気溢れる揺るぎない姿勢
・公式発表待ちの熱狂:フライ級王座戦の行方は平良達郎が濃厚か
・日本人が王座を射程に:UFC初の日本人チャンピオン誕生への期待
▼UFC Fight Night113:堀口恭司の勝利の裏でUFCに露呈した体重問題
▼UFC前夜でも動じない強さの本質:堀口恭司が貫く“いつも通り”の姿勢
UFCフライ級5位の堀口恭司:安定した試合内容でUFC王座圏内へ
日本時間10日に更新されたUFC公式ランキングで、堀口恭司がフライ級5位に浮上した。7日(日本時間8日)に行われた『UFC Fight Night 113』で、6位アミル・アルバジに判定3-0で完勝。復帰2戦目で上位ランカーを下し、堂々のトップ5入りだ。

これで日本人としては、3位の平良達郎に続き、フライ級トップ5に2人が名を連ねる形となった。UFCのベルト圏内に、日本人ファイターが2人いる。ほんの数年前まで、「いつかそんな日が来たら」と夢のように語られていた光景が、いま現実になっている。正直に言えば、ここまでの景色を見ることができるとは思っていなかった。
だが、堀口の勝利が評価されたのは順位だけではない。危険な局面を最小限に抑え、崩れず、奪われず、試合を支配し切った内容。それは「勝った」というより、「差を見せた」15分だった。そして個人的に強く感じるのは、堀口の試合には不思議な“安心感”があるということだ。
もちろん格闘技に絶対はない。一瞬で流れが変わるのがMMAだ。それでも、堀口の試合を観ていると、「大丈夫だろう」という感覚が自然と湧いてくる。「勝てるだろうか」という不安よりも、「勝つだろう」という信頼が先に来る。
それは単なる贔屓目ではないと思う。技術の高さ、試合運びの冷静さ、危険を察知する能力。そして何より、堂々とした人柄と揺るがないメンタル。どんな状況でも感情に振り回されず、自分を貫く姿勢。その積み重ねが、観る側に“信頼”を生んでいるのではないだろうか。
フライ級タイトル戦線の中枢に、堀口の名前が確実に刻まれた瞬間だった。そしてそれは、偶然でも勢いでもない。積み上げてきたものが、ようやく“数字”として表れただけなのだ。
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試合後右手骨折告白:堀口恭司の覚悟と迅速発信が示した“チーム力”
しかし試合後、堀口は右手を骨折していたことを明かした。1ラウンド終了後、セコンドへ戻る際に右手を気にしていた様子が引っかかっていた。あの一瞬の仕草が、やはり現実だったのだ。
自身のYouTubeで「5日間は動かさないように強く言われた」と告白。経過次第では手術は不要とのことだが、決して軽い話ではない。それでも、彼の言葉から焦りは感じられなかった。

試合中も右手の痛みを抱えながら打ち続けていたという事実。「痛みがあっても打つ。変更はない」その言葉は、強がりというよりも、彼の当たり前を語っているように聞こえた。勝敗以上に、“覚悟”と“職業意識”を感じさせる一言だった。長期離脱ではないことに、ファンは胸をなで下ろしたはずだ。まずは治療に専念してほしい。タイトルは急がなくていい。堀口は確実に近づいている。焦る必要はない。
そして今回、もう一つ感じたことがある。怪我の状態を心配していた矢先、堀口自身のYouTubeで現状を報告する動画がすぐに公開された。曖昧な情報が広がる前に、本人の言葉で説明する。そのスピードと誠実さは、ファンにとって何よりの安心材料だった。
ここ数年、ファンが知りたいことを、知りたいタイミングで届けてくれるようになった。その背景には、妻である川村那月の存在も大きいのではないかと、個人的には感じている。インタビューでの質問の切り取り方、動画の構成、タイミング。どれも「ファン目線」が徹底されている。堀口が試合に集中できる環境を整えながら、外側との橋渡しを担う存在。それは単なる“サポート”ではなく、チームの一員としての役割だ。
リングの中で戦うのは堀口一人だが、その裏には確かな支えがある。そしてその支えを、隠さず、誠実に伝えてくれる。だからこそ、ファンは不安よりも信頼を抱けるのだろう。強さはケージの中で証明するものだ。だが信頼は、ケージの外で積み重ねられていく。今回の右手骨折の一件は、その両方を改めて感じさせる出来事だった。
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