9・13沖縄「TENKAICH 77」セミに抜擢の新星・岩浪悠弥インタビュー!

 9月13日(日)、沖縄はコザ・ミュージックタウン音市場で開催される「TENKAICHI 77」のセミファイナルに登場する“イノベーションの新星”岩浪悠弥のインタビューをお届けする。また、大会に先駆け、去る5月31日、沖縄コンベンションセンター展示棟で行われた「ALPHA CORPORATION Presents TENKAICHI 76 ~Special Live AK-69~」のダイジェストムービーが半年間の限定で公開されることとなった。

「TENKAICHI 76」ダイジェストムービー
映像作家、内田竜世の作品をAK-69のライブ音源に乗せてお送りする7分間!

“イノベーションの新星”岩浪悠弥インタビュー

9・13沖縄「TENKAICHI 77」のメインを務める廣虎のロングインタビュー!

――チャンピオンメイカーとして名高い橋本道場から“天才少年”が出現したと評判の岩浪選手です。

いや、自分はとても“天才”などと言われるようなほどではまだないです。同門の先輩、加藤竜二(※1)さんや宮元啓介(※2)さんこそは“天才空手少年”と呼ばれていましたし、現在もそれに相応しい実力者ですけど、僕はまだまだです。

――しかし、17歳でありながら日本フライ級屈指の実力者と言われることはそうそうあるものではありません。

アマチュア時代に2度対戦している那須川天心(※3)君なんかそうでしょうけど、自分的には未熟なところばかりです。

――今、キックボクシング業界で最も注目されている麒麟児、那須川選手との対戦経験が?

はい、2回やって2度の判定負けです。初戦はまだキックを始めたばかりの中1で、すでアマ数十戦のキャリアのある天心選手と相当の差がありましたけど、中2でやった二度目の対戦は競った試合ができたと思っています。

――プロでも対戦の可能希望とか?

向うは階級を55kgで固めていますからね。僕が身体が大きくなってそれだけの実績が詰めれば是非!

――キックを始めたのが中1からとのことですが、格闘技はそこから?

いえ、小学校入学してすぐに空手を習いに橋本道場に入門してずっと空手をしていました。

――大技を中心とした加藤選手や“居合パンチャー”町田光(※4)の居合パンチなど個性重視のオリジナルスタイルが目立つ橋本道場の中で岩浪選手は美しいムエタイスタイル、しかも難易度が高いフィームー(※5)なので空手がベースだとは驚きました。

僕自身はムエタイをしているつもりはないんですよ。

――最近は日本でも少年ムエタイが盛んで、小学生くらいから盛んにタイに練習と試合に行くようなアマ選手が増えているので、岩浪選手もその流れの中にあるのかと思っていました。

よく言われるのですが、タイに行ったこともないし、橋本師範(※6)から手足が長い僕の体型に合っているので「やってみたら?」と勧められたのでこうなりました。

――それにしてもタイ人から教わらなければ上達が難しい首相撲も強いし、空手が基本の橋本道場の中ではあまりにも異端です。

首相撲は先輩たちが強いので、そこで揉まれれば自然と強くなることができます。ムエタイは……YouTubeではよく見ます(笑)。

――ブアカーオやセーンチャイなど憧れて手本にしている選手がいるとか?

それは特にありません。トップクラスの色んな試合を見て、自分にあっていそうなテクニックを参考にする感じであまり選手の名前も知らないです。

――てっきり相当のムエタイマニアだと思っておりました。それでは、目指すところはルンピニーやラジャダムナンの本場の殿堂スタジアムのタイトルなどではない?

そこまでいければいいなとは思いますが、それよりも今は目の前の試合を一歩一歩勝って、まずはローズ達也選手に勝てれば挑戦できるINNOVATIONフライ級王座のベルトを巻いて、そこからWBCムエタイ(※7)とかを狙いたいです。

――なるほど。

まずはINNOVATIONのタイトル。これは尊敬する竜二先輩や森田晃允(※8)先輩が巻いてきたベルトなのでこれは絶対にほしいです。

――橋本道場への愛情と先輩への憧れが強く感じられます。

はい、それが一番の原動力です。

――そんな岩浪選手が格闘技を始めたきっかけは?

小学校入学前に生まれた八王子から青梅に引っ越して入学式に友達が一人もいない状態だったんでメソメソ泣いていたんですね。それを見た父親が気持ちを強くしようと橋本道場に入門させてくれました。

――かなり強引に?

いえ、やってみたら楽しいし、先輩はカッコいいし、大好きだった仮面ライダーやドラゴンボールの世界に入り込んだみたいでワクワクしていました。

――すると試合もすぐに?

試合は怖くて組手もあまりしていなかったんで、小4でようやくです。けど、デビュー戦のトーナメントで3位になれたんで自信がついてドンドン試合にでるようになりました。

――数々の優勝歴を持つ加藤選手などに続いて?

僕はあんなに大きな大会で優勝したことはないし、まあまあくらいなものです。

――空手からキックに惹かれたのは?

後楽園ホールで山本佑機(※9)先輩の試合を見て眩しいくらいに光っていてカッコ良くて……けど、自分から言い出せなかったので師範に声をかけていただいて嬉しかったです。

――空手からキックへの戸惑いはなかった?

自分は食べてもなかなか体重が増えない痩せっぽちで、けど手足が長くて同体重でならこれを利点にできるのでキックの方が向いているなとすぐに思いました。空手だと無差別級が基本で体重制でも軽量級が60kg以下だったり10kgくらいの体重差が当たり前だったので。

――そして、橋本道場の中では異色のムエフィームー(フィームーのムエタイ選手)が誕生したわけですね。

ムエタイではないんですけどね(笑)。ただ、華麗なテクニック系には憧れます。森田先輩や町田先輩のようにガンガンいくファイタータイプの試合も好きなんですけど、それよりも距離をコントロールして触れられずに自分だけが攻撃して完封するような試合が目標です。

――そこでローズ達也戦ですが、彼もタイ修行の経験があり、トレーナーもタイ人であることが多くムエタイを理解したベテランです。

僕がプロデビューした時にはトップランカーで肘の使い方など多彩で引き出しの多さが凄いなと思います。

――そんなローズ選手は、このインタビュー収録前に発表したインタビューで「スピード、パワー、テクニック……フィジカル系すべての項目で上回れてる」と分析し「自分の一番苦手なタイプ」と言い切っていりま。

もちろん読ませていただきました。自分もそう思います。

――では勝利は確信している?

けど、「人生の重みで勝負する」って部分、これが一番大きな武器で、そこを明らかに上回れているので楽勝できるとは思っていません。ですが、何物にも惑わされず自分のペースを保って完勝します!

――今回はローズ選手のホームである沖縄が舞台となります。アウェーに乗り込むにあたって心構えは?

ジュニア時代から色々なプロモーションで試合をさせていただいているので、言わばアウェーが当たり前なので何も気になりません。いつでもどこでも自分を貫くのみです。

――隙や油断など一切なさそうですね。

加藤先輩と対戦してきたライバルのローズ選手のことは同じく尊敬しています。だからこそ全力で叩き潰すことが礼儀だと思っています!

※1 加藤竜二 日本フライ級最強が確実視された名王者。ありとあらゆるタイトルを保持し、空手スタイルの大技を駆使する豪快でスピーディーなファイトスタイルで軽量級らしからぬKO劇を量産した。容姿端麗でファッショナブルな容姿から“チャラツヨ”との異名も持ち本人もこのキャラクターを素のままに楽しみ自由闊達にリングを駆け抜けた。今年9月27日、後楽園ホールで惜しまれながら引退式を迎える。

※2 宮元啓介 空手で数々の栄冠に輝きキックプロデビューから無敗で新人王となり9連勝するなど瞬く間に日本軽量級シーンのトップに躍り出た好ファイター。WBCムエタイやINNOVATIONのタイトルを保持しつつ寡黙に淡々と戦い続ける様はド派手な加藤竜二とは対照的。恥ずかしがり屋な故“ハニカミ王子”とも呼ばれる。

※3 那須川天心 現在、キック界で最も注目を集める天才児。その実力はジュニア時代から有名で無数のタイトルを獲得し、中学卒業後すぐに16歳でプロデビューするや6連勝でRISE王者となり、そのままBLADEの軽量級トーナメントで3戦全勝3KO勝ちで優勝。K-1王者の武尊との対戦希望を華々しく打ち上げた。戦績9戦9勝8KO。

※4 町田光 “居合パンチャー”の異名を持つあまりにも個性的なサムライファイター。同門で天才型の加藤竜二とは対照的に努力型の典型だが、必殺技の研究に余念なく「キックをメジャーにする」使命感に燃えている。現在、INNOVATIONとREBELSの二冠王。

※5 フィームー ムエタイで大別される3つのタイプ(ムエフィームー、ムエカオ、ムエブック)のひとつで万能型と訳されることが多い。反射神経を研ぎ澄ましディフェンシブでカウンターアタックを中心とするアウトボクシングを基調とする。最もな難易度が高く尚特使難い。

※6 橋本師範 橋本道場の創始師範の橋本敏彦は、士道館空手の全日本選手権を連覇し東京都福生市に道場を立ち上げ、空手で不世出の王者、山本隆治など、キックで無数のチャンピオンを育て上げ日本最高の名伯楽として今日もトッププロからジュニアまで共に汗を流す毎日を送っている。

※7 WBCムエタイ プロボクシングで権威のある認定団体、世界ボクシング評議会が2005年、ムエタイ部門のタイトルを設立し現在も運営している。日本でもこれに連なりWBCムエタイ日本タイトルとランキングが存在する。現在、梅野源治と大和哲也が世界王者となっている。

※8 森田晃允 “MAの暴君”と呼ばれたハードパンチャー。軽量級とは思えない剛打でKO勝利を連発し、橋本道場に初のキックボクシングタイトルをもたらした。現在は引退し、東京都昭島市で加圧トレーニングスタジオ「SMART」を運営している。

※9 山本佑機 双子王者として勇名を馳せた“スーパーツインズ”壮泰と佑機は、橋本道場きってのスター選手だった。美しいミドルキックを柱にした勇敢なファイターとして数々の名勝負を戦い、多くのベルトを手に入れた。

リングネーム:岩浪悠弥
英語名:Yu-ya Iwanami
所属:橋本道場
生年月日:1998年1月6日
身長:170cm
戦型:オーソドックス
得意技:ヒザ蹴り
戦績:11戦8勝2敗1分
ステータス:INNOVATIONフライ級3位

「TENKAICHI 77」予定カード

第9試合 メインイベント ミドル級(72.6kg) 3分3回戦(延長1R) TENKAICHI KICK ルール
廣虎[ヒロト](ワイルドシーサー沖縄/WPMF世界スーパーウェルター級9位、WPMF日本スーパーウェルター級王者、WPMF日本ミドル級王者)
vs.
トム・サントス(ブラジル/チーム・ブラジリアンタイ/ファイトドラゴン70kg級王者)

第8試合 セミファイナル INNOVATION次期フライ級(50.8kg)王座挑戦者決定戦 3分5回戦(延長1R) WBCムエタイルール
ローズ 達也(ワイルドシーサー沖縄/INNOVATIONフライ級1位、TENKAICHI KICK バンタム級王者)
vs.
岩浪 悠弥(橋本道場/INNOVATIONフライ級3位)

第7試合 ミドル級(72.6kg) 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール
マーカス・スミス(天下一道場沖縄/TENKAICHI KICK ミドル級2位)
vs.
杉田裕希(天道會/元SKKBミドル級王者、元GLADIATORスーパーミドル級王者)

第6試合 フェザー級(57.15kg) 3分2回戦 TENKAICHI KICK ルール
真夜(SHIMAZILIANS/TENKAICHI KICK フェザー級6位)
vs.
我那覇 友麻(赤雲會/TENKAICHI KICK フェザー級7位)

第5試合 ライト級(61.3kg) 3分2回戦 TENKAICHI KICK ルール
基[モトキ](reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/TENKAICHI KICK スーパーライト級5位)
vs.
稲嶺 徹(神風塾/TENKAICHI KICK ライト級7位)

第4試合 フライ級(56.7kg) 3分2回戦 TENKAICHI MMA ルール
塩浜 康太(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE /TENKAICHI MMA バンタム級4位)
vs.
末吉 竜馬(Theパラエストラ沖縄)

第3試合 スーパーライト級(63.5kg) 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール
リュウイチ(神風塾) vs.   ハマジン(team HAMAHIGA)

第2試合 60kg契約 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール
ダイスケ(エボリューションムエタイジム) vs.   LUIGI[ルイージ](虎の穴)

第1試合 ライト級(61.3kg) 3分2回戦(延長Rなし)  TENKAICHI KICK ルール
修平(エボリューションムエタイジム) vs.  鉄[テツ](ワイルドシーサーコザ)

チャレンジファイト第7試合 ミドル級(72.6kg) 2分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
ムスタファ・ザザイ(ワイルドシーサーコザ) vs.   ジェイソン・ティパルドス(天下一道場沖縄)

チャレンジファイト第6試合 65kg契約 2分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
ディアボロ(ASUKI GYM) vs.  バトルコック(南風原ジム)

チャレンジファイト第5試合 65kg 2分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
糸満 ひとき(シャイン沖縄) vs.   ハビブ(ワイルドシーサーコザ)

チャレンジファイト第4試合 55kg契約 1分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
RAIYA(天下一道場沖縄) vs.   凛虎[リント](虎の穴)

チャレンジファイト第3試合 55kg契約 1分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
まさひろ(南風原ジム) vs.  KIYOTAKA(尚真ジム)

チャレンジファイト第2試合 40kg契約 1分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
アイラ(ワイルドシーサーコザ) vs.   犬童 凛(シャイン沖縄)

チャレンジファイト第1試合 40kg契約 1分2回戦 アマTENKAICHIキックルール
リキ(エボリューションムエタイジム) vs.  銘苅 琉空(天下一道場沖縄)

【9月13日「TENKAICHI 77」興行概要】

イベント名:TENKAICHI 77
主催:株式会社TENKAICHIプロモーション
会場: コザ・ミュージックタウン音市場(沖縄県沖縄市上地1-1-1 コザ・ミュージックタウン3F)
日時:2015年9月13日(日)14:00開場 15:00アマチュア&オープニングファイト開始 16:00本戦開始予定
チケット前売り:VIP席 15,000円(最前列) SRS席 10,000円(2列目、3列目、ステージ席) 
    RS席 6,000円(4列目以降) 立見 4,000円
※カッコ内は当日料金(1,000円アップ)。未就学児及び身長100cm以下の児童は無料(席は保護者の膝上か立見)。税込価格。
チケット販売所:株式会社TENKAICHIプロモーション沖縄事務局、ワイルドシーサー沖縄グループ、参加各ジム、出場各選手
認定:JAPAN KICKBOXING INNOVATION
TENKAICHI公式サイト
TENKAICHI公式ブログ
問合せ:TEL 098-926-1114 MAIL info@tenkaichi-pro.co.jp
TENKAICHIプロモーション沖縄事務局:沖縄県中頭郡北谷町北谷1-1-5 シティーコーワ2F(月~土/14:00~22:00)

マット界舞台裏3月14日号UFC楽屋Archive7-’08初夏松田慶三JWP蛟龍R沖縄天下一WNC
廣虎KO加藤智亮、砂辺光久x曹竜也~12・14沖縄『TENKAICHI 74』
沖縄TENKAICHI在日米軍空軍の“黒い重爆撃機”FRED勝利、5・31沖縄コンベンションセンター廣虎vs田嶋はる
キックルール高坂侑弥x隼也ベストバウト!TENKAICHI FIGHT群馬藤岡市民ホール
5・31「ALPHA CORPORATION Presents TENKAICHI 76 ~Special Live AK-69~」公式試合結果
7・12「TENKAICHI with BEST GYM」公式試合結果!マキシマム ザ 僚君がメインで勝利!
ワイルドシーサー高崎『TENKAICHI G13』高崎市大会結果