[週刊ファイト7月10日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼主力選手が次々退団:迷走中!どうなる新日本プロレス徹底検証
by 水口達彦
・本誌予言通りジュリア戴冠よりSmackDown目立ったのはジェフ・コブ
・なんと内藤哲也も退団へ! 記録より記憶に残るNJC⇒IWGP戴冠の頃
・棚橋社長の手腕とは? 2010年代のV字回復はブシロード背広組だが
・内藤の穴を埋めるのは誰だ? 海野翔太-辻陽太-上村優也-ボルチンO
・後藤洋央紀という新日の新たな柱~新世代について考察しているのに
・他団体も迷走している 全日本-大日本-最低動員数更新のアイスリボン
・このままではいけない!それでも盟主、伝統あるリングを守って欲しい
本誌予言通りジュリア戴冠よりSmackDown目立ったのはジェフ・コブ
(c) 2025 WWE, Inc. All Rights Reserved. JCマテオ(元ジェフ・コブ)がジミー・ウソー撃破!
新日本プロレスがここに来て迷走している。以前からもオカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイト、ケニー・オメガなどの退団者がおり、しかも主力ということで大きな話題となったが・・・ここに来てノアへ移籍したKENTA、そして外国人のジェフ・コブがアメリカWWEへと移籍してしまった。特にKENTAはノアでトップとして活躍しており、新たなライバルが増えてしまったような構図になっている。
新日本はかつて選手が多すぎて10人タッグや12人タッグを設けるほど選手が多かった。シングルならヘビー王座がIWGPヘビー、NEVER無差別、インターコンチヘビーだった。そのどれもが好勝負を連発しており、後楽園ホールはもちろん両国国技館をも満員にしていた。
しかしコロナ渦が起こり後楽園ホールでも空席が目立つ様になってしまい、ついにはオカダとジェイと言う主力選手が抜けてしまった。特にオカダはIWGPヘビー級王者として連続防衛記録を持っているスター選手だったので、団体としてもプロレス界としてもどうにか引き止めて欲しかったが、本人の意思は固く先に退団していたケニーやヤングバックスらが立ち上げたアメリカAEWへと移籍した。
私としては新日本は長い歴史があり、その中でたくさんの分裂があったように思う。それでも50年を超える歴史を数えてきた事は素晴らしい。新日本とは戦いの中で作られたきた文化だと思う。なぜなら数々の大きな戦いから団体を守ってきた選手がいたから。猪木、長州、武藤、永田、棚橋、オカダなどが頑張ってきた。そんな歴史をここで止める訳にはいかないと思う。
なんと内藤哲也も退団へ! 記録より記憶に残るNJC⇒IWGP戴冠の頃
その中でも最近最も話題となっているのが内藤哲也の退団だ。同時にBUSHIも退団となる。内藤は最近の新日本への不信感と両眼の斜視、ヒザのケガなど体調面が思わしくなく退団となった。新日本への愛が人一倍強い内藤が退団とは驚いた人も多いだろう。BUSHIも「内藤が辞めるなら自分も辞める」と言い退団となった。
内藤はIWGP王座を戴冠しプロレス大賞MVPも受賞した名実ともに新日本のトップレスラーと言える。2020年1・5東京ドームでは史上初となるIWGP2冠王となった。BUSHIも2015年にロス・インゴへケガ明けに加入。IWGPジュニアヘビー級戦線でKUSHIDAと大田区総合体育館でメインイベントを行い、プロレス界を驚かせた。
▼新日本激震‼ KENTAに続きジェフ・コブ 内藤哲也 BUSHI電撃退団
2015年内藤はベビーフェイスでありながら大ブーイング浴びていた。その時私はどうしてなのかわからなかった。なぜなら内藤は何も悪い事はしていなく、普段通りのスターダスト・ジーニアスとして飛び技中心の新しいスタイルで試合をしていたからだ。
しかしメキシコ遠征で内藤は変わった。現地ヒールユニット、ロス・インゴ・ベルナブレスと出会いヒールの道へ進む事を決意、そこにメキシコ語で日本を意味するハポンを付けて輸入した。
始めうちは支持が伸びず、棚橋とのIWGP権利証を懸けての試合は現地観戦していたが棚橋派が圧倒していた。この時点では観客が内藤を認めていなかったという事だ。
しかし時が流れて2016年3月、ニュージャパンカップ優勝決定戦、後藤洋央紀に勝利し優勝した。当時はこの大会に優勝すると好きなシングル王座に挑戦することができた。何にするか聞かれた内藤は「IWGPオカダだ!!」と宣言し挑戦が決まった。そして4月両国国技館でIWGPヘビー級へ挑戦した。
序盤からオカダ優勢で試合は進んだ。オカダの勝利かと思った。オカダがエルボー攻撃しようとした時、内藤がレフェリーを引き付けて誤爆させ当時フリーだった真田聖也(SANADA)が乱入してオカダを攻撃。最後は必殺のデスティーノ(変形リバースDDT)が決まり必死のフォール、3カウントが入り内藤が念願の王者となった。
しかしせっかく手にしたベルトを内藤は投げ捨てた。意味のわからない行動。しかしこのアクションが現地観戦していた私にはカッコイイと思ってしまった。(内藤は悪い事をしているのだが)その後、マイクアピールで木谷オーナーへ「俺に負けたオカダをスターにしてあげてください」と言った。
木谷オーナーはオカダへ1億円規模のプロジェクトをしていたからだ。その後6月にオカダに敗れてしまい。防衛は石井智宏からの1回だったがファンの心に残る、記録よりも記憶に残る防衛ロードだったと思う。
世の中には1歩踏み出せない人も多いと思う。しかし内藤は一歩踏み出して自分の夢を叶えた。そんな行動がプロレスファンに響いた瞬間だった。ここから新日本が活発になりプロレスファンが一気に増えた。この功績は揺るぎないしファンは内藤を忘れない。
内藤の今後に注目したいと思う。
棚橋社長の手腕とは? 2010年代のV字回復はブシロード背広組だが
棚橋弘至と言えば「100年に1人の逸材」と言われる程の名レスラーである。中でもIWGPヘビーの防衛記録は永田裕志の記録を破って史上最多記録を持っていた程の実力者であり、オカダに破られるまで10年近く記録を守った。(最後は自らオカダに挑戦し敗れて記録を抜かれた。)
棚橋と言えば派手なコスチュームに派手な髪型と目立つ見た目をしているのに対し、以外にも使用する技はハイフライフロー(ダイビングボディプレス)やドラゴンスクリュー、ドラゴンスープレックス、テキサスクローバーホールドくらいである。
古くからのオーソドックスな技が多く、試合内容も重厚なため見た目とは裏腹に玄人受けが良いレスラーなのだ。私はこのようなスタイルが好きで引き込まれてしまう。しかし棚橋は華麗な空中殺法が多い新日本を生き抜いてきた。
そんな棚橋が23年12月から新日本の社長に就任した。当初は「レスラーと社長両方とも100%」と言っていたが、しかし、昨年10月の両国国技館大会で「2026年のイッテンヨン東京ドームで引退します!!」と突然報告したのだ。
▼棚橋弘至が新日本プロレス社長に就任! レスラー社長の功罪とは?
私はやはり社長と選手の2足のわらじは難しいのかと思った。社長就任前からオカダなどが退団しており課題がある中でのスタートだった。その後もKENTA、ジェフ・コブが退団。そして今年5月で新日本の柱である内藤も退団となった。新日本迷走の証拠と言えるだろう。
そもそも選手が社長になる事は正しいのだろうか? 歴代ではアントニオ猪木、坂口征二、藤波辰爾が社長レスラーとなっているがしっかりと機能していたのは坂口のみ(全員ダメかもしれないが選手たちの証言を聞く限り坂口は機能していたのだと思う)で、藤波が退任してから20年以上もの間社長レスラーは新日本にはいなかった。棚橋もその1人になってしまうのか。
その間は菅林氏やメイ氏、大張氏などレスラーでない親会社のブシロードやユークスからの出向が多く、この方たちと選手によって新日本は2010年代、V字回復したと言っても良いだろう。その頃の中心選手が棚橋だった。そのため社長就任の時は大きな話題となり、プロレス界そして世間を騒がせた。
▼新日本プロレスのエース・棚橋弘至、2026年1月に感動の引退へ!
しかし社長としての手腕は未知数で不安が多かったのも事実だった。そして今の所属選手大量離脱につながった可能性がある。特に内藤は新日本の中心選手で、なくてはならない存在でより驚いた。
引退後はそのまま社長を続けていくのか現段階ではわからないが、この異常事態を脱するのが急務だ!
そのためには選手、スタッフ一同が一丸となって団体再建に取り組まなければならない。