2024・1・2有明アリーナ大会まで約1ヶ月となったプロレスリング・ノア。GHCヘビー級王座を始めとした王座戦を軸に主要カードは決まりつつあるものの、まだまだ全容は見えてこない。11・24後楽園ホールでは2大GHC王座戦が組まれたものの、後半勝負で帳尻を合わせる試合内容に期待と不安を筆者は垣間見たのであった。
［週刊ファイト12月7日号］収録 ［ファイトクラブ］公開中
▼1・2有明に期待と不安入り混じるNOAH後楽園メッタ斬り
約1ヶ月で切られる”もう一押し”の行方や如何に？
photo & text by 鈴木太郎
・有明直前で柱乏しい後楽園
・年始有明に欲しい”あと一押し”
・長期政権予感させるダガ、危なげなく近藤修司撃破GHC JrヘビーV1
・GHCタッグ王座JモリスAグリーンGLG盤石防衛-マサ北宮&稲葉大樹
・6人タッグ拳王-征矢学GHCヘビー前哨戦も主役は若手・・・清宮&大岩
・ノーテーマ8人タッグに息吹宿したジェイク-丸藤！LJ・クリアリー牛殺し
・Eita狩り執念燃やすも現実見せつけられるLEONA 藤村加偉HAYATA
・杉浦貴5分捕まるREAL戦況掌握も藤田和之パワーボム谷口周平粉砕
・後楽園名物Jr多人数タッグ制したニンジャ・マック流星アルファ・ウルフ
・迷い淵立つ宮脇純太の光明見えたフィニッシャー変形鎌固め-小澤大嗣
■プロレスリング・ノア『STAR NAVIGATION 2023』
■日時：2023年11月24日（金） 18:30開始
■会場：東京・後楽園ホール
■観衆：801人
今秋に期間限定で開催されているNOSAWA論外プロデュースブランド『MONDAY MAGIC』が毎大会完売と好評なプロレスリング・ノア。2024・1・2有明アリーナビッグマッチまで約1ヶ月となり、徐々に主要カードが決定していく中での後楽園ホール大会となったが、8月の『N-1 VICTORY』3連戦を除くと久々に後楽園ホールで観衆1,000人台に達しない大会となった。
とはいえ、この間『中嶋勝彦vs.宮原健斗』、『丸藤正道vs.ウィル・オスプレイ』、中嶋勝彦NOAH後楽園ファイナルなど集客に直結する要素がNOAH後楽園大会にはあった為、今大会の目玉はタッグ王座とJrヘビー級王座の2大王座戦。有明前にタイトルマッチ出場者を決める為の駄目を押すカードだった事は、観衆の食指を伸ばす決定打に至らなかったか・・・。
試合も、全体的に攻守の押し引きが極端な印象で、杉浦貴が5分以上にわたって相手チームに捕まり続けた第3試合の6人タッグマッチが代表例であった。
▼『中嶋勝彦-宮原健斗』で見たプロレスの素晴らしさと負け惜しみの醜さ
▼後楽園1,532人熱狂！ 『丸藤正道25周年興行』 ウィル・オスプレイ戦
▼中嶋勝彦退団祝福ムードも福岡で正念場なGHCヘビー級王座戦線
今大会の柱であった2大GHC王座戦も、キーポイントが見えづらい序盤の攻防に今大会の盛り上がりの不安を抱いたが、試合後半の展開で巻き返したことで、NOAH後楽園で得られる満足度の基準はかろうじて維持した。GHC Jrヘビー級王座は、2024・1・2有明で『ダガvs.Eita』が正式決定。かつてDRAGON GATEではユニットの同僚関係にあった両者も、NOAHマットでは共闘⇒裏切りを経た敵対関係に変化。ダガが王者である以上、敵対するEitaとは相対する運命にあったと言えるだけに、大一番で因縁のカードを組んだことは納得いくものだった。
とはいえ、2024年の日本プロレス界で先陣を切るビッグマッチということを加味しても、有明規模を埋めるには主要カードだけでは不足を感じる。この日、有明の決定カードとして『小川良成＆ザック・セイバーJr vs.棚橋弘至＆HAYATA』も発表されたのだが、もう一押し何かが欲しいところ。その一手は残り約1ヶ月で果たしてどのように切られるのか？ 期待と不安が入り混じる後楽園ホール大会なのであった。
長期政権予感させるダガ、危なげなく近藤修司撃破GHC JrヘビーV1
長期政権予感させるダガ、危なげなく近藤修司撃破GHC JrヘビーV1＜メインイベント GHCジュニアヘビー級選手権試合＞
○ダガ
（22分29秒 ディアブロウイングス⇒片エビ固め）
●近藤修司
※第54代王者が初防衛に成功。
11・4新潟大会でHAYATAからGHC Jrヘビー級王座奪取に成功したダガの初防衛戦。相手は2022年8月以来の同王座挑戦となる近藤修司。初戦から元GHC Jrヘビー王者を迎え撃つ展開となったが、腕攻めから近藤に的を絞らせることなく流れを制圧したダガが危なげなく防衛に成功。安定感のある試合巧者ぶりは、長期政権を予感させる強さすら感じられた。
