[週刊ファイト10月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼AEW志田光さくらえみKオメガKフレッチャーSting2月引退ジュースR
(c) AEW 編集部編
■ AEW Dynamite
日時:10月18日(現地時間)
会場:テキサス州ヒューストン郊外ローゼンバーク フォート・ベント・カウンティ・エピックセンター
先に、60年代ピンナップ・ガール風トニー・ストームの例によっての白黒サイレント・クリップ”Gone with the Storm”を目につく位置に出しておきます。
"タイムレス" トニー・ストームの最新作「嵐と共に去りぬ」。#AEWDynamite #AEW #ToniStorm | @RJCity1 pic.twitter.com/fwMk9eUVFO
— AEW ジャパン (@AEW_jp) October 19, 2023
それにしてもNXTがバトルロイヤルで始まれば、Dynamiteはバトルロイヤルで番組を終える意識しまくりなのだが・・・。AEWはジェイ・ホワイトの試合で始まり、マイク・デイビスの負傷をいいことにシングルでカイル・フレッチャーがケニー・オメガと凄い試合をやり遂げて、最後はジュース・ロビンソンで終わる構成。新日本プロレスが母屋を盗られた感あり。特にオージーオープンの流出は痛い。やはりカイル・フレッチャーが頭角を現したからだ。
順番にジェイ・ホワイトのベルトはMJFから盗んだもの。メキシカンのペンタはテキサス会場なので声援を多く浴びている図式に。現在のバレット・クラブ・ゴールドはジュース・ロビンソン、ビリー・ガンの息子コルテンとオースティンである。
いわゆる互角の攻防の展開で、チョップ合戦ではジェイの方が痛がるんだが、「お前はスーツ着ているからだ」とクレームすると、ペンタはスーツを脱ぎ捨てチョップを受けて、「効いてない」とアピールした絵は新鮮だったかも。
MJFの王座に『Full Gear』で挑戦が決まっているジェイが負けるハズもなく、最後はブレードランナーが決まるんだが、番組の掴みとして大変良く出来ました。
志田光vs.さくらえみ、Teacher vs. Studentと英語実況でもやってるんだが、AEWになってからも数度TVマッチで見ているし、トータルではもの凄い数やってる両者なんだけど、ちょうど志田の3度目の戴冠もあれば、NXTが「女子部門はこちらが圧倒的!」とやってる最中なので、ここらで再度、「これが本物のJoshi Puroresu」というのを見せたんでしょう。
新たにAEW見た方もいるだろうし、こりゃ凄いとなったんではなかろうか。必殺カタナをよくやく二度目でフォールというのがミソ。団体側の目的達成なのでした。
元エッジのアダム・コープランドが、延々とクリスチャンとのガキの頃からの長い、長い道のりを語るセグメントあり。もっともクリスチャンの反目からAEWは始まったんだが、大河絵巻は始まったばかりです。人気番組『ブラックリスト』は面白いから、結局、毎週見ることになるというのと一緒で、プロレス中毒にさせる契機というのも「来週、どうなっちゃうんだろう?」という人間ドラマに他なりません。
ウォードロウがドルフ・ジグラーの実弟ライアン・ネメスを、パワーボム・シンフォニーではなく一発だけでKOするカードは、まぁそれだけのことでした。
さて、本誌では繰り返しになるがAEWでNo.1のヒールは選手ではなくドン・キャリスなのだ。今回はパワーハウス・ホブスもマイクを取って、子供頃クリス・ジェリコを見に行って酷い扱いされたんで、「だから先週、何度も何度もジェリコをスラムで叩き付ける処刑で復讐したんだ」と。そこにカイル・フレッチャーが現れるんだが、サミー・ゲバラの軽い脳震盪は未だドクターから試合の許可が下りておらず、急遽Dynamite 4周年記念大会ではカイルがドン・キャリス・ファミリーに合流したような恰好だったんだが、その案は練り直しになったようで「今回はシングルでケニー・オメガと闘う」と。
ということでもの凄い試合、最後は片翼の天使が決まるんだが、恐るべしカイル・フレッチャーなのでした。はい、カイルを悪の軍団なんかに入れない方がイイとなった上層部判断、正解なのであります。育てたら次世代スターになります。なれます。