[週刊ファイト10月12日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼Aコープランド所信表明 Tストーム妖艶 MJFジェイ・ホワイト決定AEW
photo:(c) AEW 編集部編
■ AEW Dynamite 4周年記念
日時:10月4日(現地時間)
会場:米カリフォルニア州ストックトン ストックトン・アリーナ
アントニオ猪木追悼『WRESTLE DREAM』のシアトルから少し西海岸を南下してストックトンでの初興行なんだが、やはり続々と怪我人情報が明るみになり、サミー・ゲバラも軽い脳震盪だったそうで欠場に。あの背中をリングに上がる階段箇所に打ち付けられたダービー・アレンも故障者リストと、NXT『No Mercy』もそうだが、競争が激化すると選手が無茶するから代償が大きい。
ということでAEW恒例のカードをあしらったチラシ画像ナシ。直前まで誰が出られるのか不明だったからに違いないが、エッジことアダム・コープランドの「所信表明やります」だけが事前の告知に。といっても、ちゃんとPPVを見た方ならクリスチャンがどちらの側だったか明白なんだけど、やはり無料の番組しか見ないライト層ファンも多いので、幼馴染の二人がいったんは抱き合うのだが、クリスチャンから英語では放送禁止用語を浴びせられて、トップ画像のように「消え失せろ、ボケ」となるのでした。
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Dynamite初回は2019年10月2日ワシントンDCからで、本誌はジョージ・ナポリターノ記者を派遣、現場取材している。初回だからイイ数字になるとは予測できたが、WWE側はNXTを上回ることになるとまでは想定してなかった。トリプルH(当時の担当)の責任問題に発展する大騒ぎになったものである。もっともビンス・マクマホンの醜聞問題から、今やCreative全体のトップ総括に返り咲いたのだが・・・。
▼プロレス裏番組対決!初回視聴数AEW1409,000、NXT891,000深淵
あれから4年、あっと言う間に世界で二番目に大きな団体に成長。三番手、四番手との差も巨大となって、マット界は再び二強時代に。そして競争がWWEのビジネスをも雪だるま式に膨れ上がらせ、お寒い日本とは比較にならない市場格差となったアメプロ新黄金時代を謳歌している。
今回に関しては米放送局TBSの問題で音声ない箇所のせいでそこを再度流したため東海岸フィードは延長、録画組が最後のエッジxクリスチャン見られない(日本製Digaのようには自動対応不能)とか、一部で番組時間表登録のミスも発覚。ただ、その分を割り引いても、平均視聴者数NXT857,000に対してAEW 800,000人と、逆転を許したことは本誌だけでなくマメにフォローしている専門媒体なら正確に予想した通りの結果であった。
もっともカネを出す広告主にとって最重要な指標である18-49歳デモグラフィックのDynamite視聴率は0.28%と前週から変わらず。NXTは50-60歳台の、「昔からずっとWWE見てます」組の固定客基盤が強固なので、前週から上がっても0.22%なので注意が必要だ。単純に「逆転!」を騒いでも大局を見誤ることになりかねない。
しかしながら、WWEがニック・カーン社長(AEWのトニー・カーンとは無関係)になって以来、これまでのPLE(プライム・ライブ・イベント)は日曜夜の伝統をやぶって土曜夜を増やしだしたため、NXT『No Mercy』とモロに時間が被ったAEW『Collision』は大打撃。放送開始以来、最低の視聴者数を更新してしまった。
アメプロ黄金時代はビジネス数字からも顕著だが、供給過多に陥っている課題がある。本当に見ている者からしたらNXTで実験されたことを焼き直してお茶の間向きに短い試合時間尺とスキットで構成するSmackDown-RAWは、「かったるい。もうそれはNXTで見た抗争カード」となるし、CMパンク班を目玉とすることで始まったAEW『Collision』も、その録画組から「もうイイ」と思われてしまっている現実がある。必ずしもWWEのPLEと被ったから数字が悪いではないのだ。
あと、本誌は「ジョシュ・バーネットの写真がない」と苦言を記しているが、誰かが文句言ったらしく、なんと今になって出してきたとか、マスコミ観点からだと写真が遅いAEWはこの辺りもダメなところ。さすがにWWEは歴史が長いから、HPとかも大勢のスタッフが専任で作業しておりキッチリしているのだ。