[週刊ファイト10月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼火曜夜激突オレンジC志田光再戴冠Jホワイト AコープランドAEW初
(c) AEW 編集部編
■ AEW Dynamite Title Tuesday
日時:10月10日
会場:米ミズーリ州インディペンデンス ケーブルダーマー・アリーナ
大リーグMLBのプレーオフのため現地時間水曜夜から火曜夜に番組が移動、再び「火曜生TV戦争」となったDynamiteである。いきなりの日付移動はそれだけで見逃してしまう視聴者が出るだけでなく、NXTがスーパースターたちに集合をかけて総迎撃体制を取ったことや、このところのNXT番組の充実ぶりが著しいため、AEWが負けることは普通に誰もが予想できたこと。
それでも恥をかいてはいけないとばかり、2つの王座移動、日本からの視聴者には黄金カードである「ジェイ・ホワイトvs.ハングマン・ペイジ」投入、トリには元エッジことアダム・コープランドのAEW初試合と、通常よりこちらも特番仕様にて進軍攻撃してくれた。特をしたのは視聴者ということになろう。
なにしろ、PPV並みのYouTube公開”Buy-in”から生中継が始まり、ここで「エディ・キングストンvs.鈴木みのる」ROH世界王座、NJPWストロング無差別級のダブルタイトル戦なんだから、SNSでも「今回は火曜です!」を呼び掛けて注意喚起、負け戦(いくさ)とわかっていても、立派に全力で闘ったことが重要になる。
▼Buy-in
エディの”小橋建太チョップ”でみのるの胸が真っ赤に染まる。プロレスはお客さんと真剣勝負をするスポーツ芸術である。王座防衛の結果はどうでもイイことなのだ。
番組はTV制作班が詰めるスイッチング・ルーム(別称WAR truck)にいるクリスチャンが「Dynamiteはbiggest特番のTitle Tuesdayだ、最初の30分はCMナシで放送する」と宣戦布告。ブライアン・ダニエルソンの入場曲、ワグナーの♪ワルキューレが会場に鳴り響いた。映画『地獄の黙示録』の奇襲作戦開始である。
気合が入ってるAEWは、このところプッシュされている職人Swerveストリックランドとのカードで、現地版CMナシの中身勝負をじっくり魅せる戦略に出た。つまり売り出しているストリックランドをdown寝かせても、質の高い中身を優先したということ。ブライアンがブサイク・ニーを決めてクリスチャンの保持するTNT王座挑戦権を得た。専門媒体的にはServeを高評価することになろう。
ということで、ベテラン格上が勝利するマッチメイクなのか。そうではない。クリス・ジェリコ親分は先週、新たにドン・キャリス・ファミリーに加入したパワーハウス・ホブスのワールド・ストロンゲスト・スラムを喰らって負けるのだ。これでイイのである。