[ファイトクラブ]Judgement Dayタッグ戴冠女子防衛Payback Gムタ中邑真輔-Sロリンズ

[週刊ファイト9月14日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼Judgement Dayタッグ戴冠女子防衛Payback Gムタ中邑真輔-Sロリンズ
 (c) 2023 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編
・期待されずにレポート飛ばす専門媒体すらあったAEW話題に挟まれた大会
・冒頭ベストマッチ圧巻トリッシュ・ストラタス金網20分ベッキー・リンチ!
・大会ホスト初を自称ジョン・シナ=レフェリーLAナイトしゃべり屋対決MIZ
・黒覆面ミステリオpWo軍順調オースチン・セオリー丸めてUS王座防衛
・ケビン・オーエンズTシャツ本誌のテリー?自身の身体痛めて闘う勇気
・5人目JDマクダナ介入、最後ドミニク悪行Fベイラー&Dプリースト奪取
・配信大会内グレイソン・ウォラーeffect異例Cody回ジェイ・ウーソ戻る
・2021年正月NXTから寝かされた大女ラケルとリアのどつき合い再現
・Gムタ客席1度だけカーブストンプ白目剥く中邑真輔セス・ロリンズ防衛


■ WWE Payback
日時:9月2日(現地時間)
会場:米ペンシルバニア州ピッツバーグ PPGペインツ・アリーナ 観衆14,584人(=主催者発表)

 なにしろ4大PPVの間に挟まったいわゆる月間の有料配信大会であり、しかもWWEの記録を上回る8万人強の有料入場者数を集客したAEWのロンドンはウェンブリー大会が、この1ヶ月間は「凄い記録更新になりそう」とマスコミの話題をさらっただけでなく、終わってみればCMパンクの解雇というビッグニュースまで付随してしまう。関心とか注目度では、正直もっとも弱い有料配信大会の『WWE Payback』である。しかも、遠征エージェントのボスだったデイブ”Fit”フィンレーをして、「中邑真輔とセス・ロリンズが最高試合だった」とコネティカット本社に報告した2019年の両国国技館大会を生で見ている日本からの視聴者にとっては、今回のトリ「もう、それは見た」となろう。また、ラケル・ロドリゲス(当時ゴンザレス)とリア・リプリーの大女同士のド迫力対決にせよ、NXTで実験されたことの一般向き焼き直しとくれば、「このPaybackは後回しでいい」とカード見た段階では判断されるのも致し方ない。
 ところがどっこい。そういう回に限って「な、な、なんだこれは!」の第1試合から、もの凄く面白かったのだから、ちゃんと見ないとわからないものなのだ。

冒頭ベストマッチ圧巻トリッシュ・ストラタス金網20分ベッキー・リンチ!

<第1試合 女子スチールケージマッチ>
○ベッキー・リンチ
 20分00秒 マンハンドル・スラム
●トリッシュ・ストラタス


 なんといっても、じきに50歳になろうかというトリッシュなのである。自身も煽りVで「最初はモデルということで採用されて・・・」と、今の「女子革命」が始まる前、DIVA全盛時代に本物のプロレスがやれると頭角を現し、20年前にRAWで最初に女子がメインイベントに昇格した当事者なのだ。しかも、実況聞いてわかったが、ベッキーとは同じピッツバークで闘ったそうで、しかも、次世代への継承なのか、NXT女子王者のティファニー・ストラットンも顔見世する(いずれ、ベッキーと抗争予定)という、歴史と伝統を盛り込むのだから、長く見ている、NXTも全部見ている卒業しないファンには、最初からウルウルさせるお膳立てまで揃えた。そして女子の凄まじいハードヒットの神話劇の幕が開く。


 怪我もあり、ちょっとこのところ精彩を欠いていたベッキーも、ここではキラー・モード全開に。すぐ止まったが鼻血も出しながら全力で殴り合う。お客さんがどんどんボルテージを上げてきた。TV視聴ではともかく、会場では見にくかったりする金網戦なんだが、これだけガンガン激しくぶつかれば、それは伝わっていくのだ。”AWESOME”である。


 お互い「今日は体調万全」を自己申告したんだろう。作る側は特に女子カードは短くするものだが、やがて男子の目安14分を超えても、ハードヒットの攻防は止む気配がない。期待してなかったカードだけに、ビックリ仰天なのだ。


 やがて戦いは金網頂上へ。トリッシュが両足だけかけて宙ぶらりんになり、ミスが起きて落ちたら死んじゃうという危険なspotをもやり遂げる。ベッキーの雪崩式垂直落下スープレックスは、かけたベッキーの方が重いためかバンプは先だった。ブランク時期も長いとはいえ、トリッシュうまいです。先に高く飛んで重力を逃がしてました。


 冒頭の煽りVで「ワタシは最初はサイドキック役だった」と語るトリッシュだが、今やそのサイドキック(子分)にゾーイ・スタークを従えており、最後は介入してくるのだが、ベッキーにやられる。
 試合はマンハンドル・スラムで3カウントなんだが、そこではまだ終わらない。トリッシュが引っ叩きゾーイ制裁が始まるのだ。しかし、ゾーイも必殺Z-360(ベリー・トゥ・バックGTS)を見舞い、べビーフェイスにターンする。これでトリッシュとの師弟対決に大河ドラマを回すのだ。
 構成といい、圧巻の必見試合であった。トリッシュはすでにHall of Fame殿堂入りしているが、本物のレジェンドとなったのである。

大会ホスト初を自称ジョン・シナ=レフェリーLAナイトしゃべり屋対決MIZ
<第2試合 シングルマッチ>
○LAナイト
 15分45秒 BFT
●ザ・ミズ


 良いニュースも、悪いCMパンク解雇もマット界の話題はAEWが独占している状態である。なにしろ日本国内とは規模が余りにも違い過ぎる。仕方のない現実である。WWEは間違いなく危機感を持ったと推定されジョン・シナを投入してきた。なんでも「数々のチャンピオンにはなったが、配信大会のホストは初めて」なんだそうだが、そうだったっけ?


 なぜか公式写真が途中までしかないのだが、まぁこの二人はしゃべりだけでなく仕事も出来るんで悪くはない内容。但し、Comedyやれるしゃべり屋というなら、このあとのセグメントにグレイソン・ウォラーが迫って来ているのだが、もっとも現在人気上昇中のLAナイトが勝利するのは鉄板である。勝負論のないカードではあった。

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