アントニオ猪木逝去!日刊新聞、各マスコミの報道

 10月1日(土)の午前中、アントニオ猪木の訃報が伝わると、各メディアがプロレスでは「猪木vs.アリ戦」、政治活動では、「イラク人質解放、北朝鮮関連」を中心に猪木氏の経歴と功績を伝えていた。特にテレビ朝日の「サタデーステーション2時間SP」は予定の番組内容を変更。「アントニオ猪木さん死去『燃える闘魂』を緊急追悼」と題して、ほぼまるまる2時間を猪木追悼番組として放送した。ワールドプロレスリングで猪木氏と最も関わりの深いテレビ朝日のこの番組編成にはSNSでも賞賛の声が多く上がっていた。 
 テレビだけでなく、ラジオ・ネットニュースでも一斉に報じられたが、ここでは、紙媒体の新聞各紙が猪木訃報をどう伝えたのかを軸にまとめてみたい。

10月1日(土)当日の夕刊三紙

 東京スポーツは10月1日(土)の朝に伝わってきた訃報を当日の夕刊1面トップに大きく掲載。1面に訃報掲載したこの日の東京スポーツはB版となっている。急遽1面トップを差し替えて掲載されたと思われるが、写真のレイアウトがカッコいい。写真には「新日本プロレス道場にて(77年)」のクレジット。記事の内容は一般的な事実しか書かれていないが、時間が無い状況での発行なのでしかたない。 夕刊ゲンダイ、夕刊フジも1 面の見出し、次のページに記事。

スポニチ、デイリー、スポーツ報知

 翌日の朝刊スポーツ紙は当然「猪木訃報」一色。
 「スポニチ」は一面と最終面をブチ抜きで、コールされる猪木の両手を挙げるポーズ。モノクロで猪木vs.アリ戦。記事内の「兄弟子・ジャイアント馬場さん・・・」という表記にはちょっと違和感もあるが、まあ、たぶん事実上はそんな関係だったと思われるので一般的感覚としては問題無しか。そして、2面3面も見開きブチ抜きで「猪木・最後まで・ボンバイエ!!」「地球がリング」の見出し。このページは、7月21日にスポニチが猪木氏に単独インタビューを行った内容を中心に構成されており、他紙には無い独自の内容だ。

 「デイリー」は1面トップに「卍固め」をかける猪木。猪木の気迫溢れる表情がいい。「スポーツ報知」は1面に「さらば闘魂、1、2、3、ダーっ」。ジャイアンツがCSを逃した大事件が発生したので、猪木関連は全5ページだ。しかし、使用されている写真がほとんどカラーでサイズも大きいので、猪木ファンとしては嬉しい限り。
 「ニッカン」は猪木関連で全8ページ。手元の新聞を見比べたところ、最多のページ数を割り当てているところに、猪木への思い入れを感じる。

 ニッカン、サンスポ、東スポ第二報

 「サンスポ」は1面トップにルスカ戦。拳を握りしめる猪木のモノクロ写真。カラーで小さくアリ戦。アントニオ猪木が切り開いたジャンル異種格闘技戦を前面に出している。30面に古舘伊知郎、桑田佳祐などのコメント。31面には、政治家猪木、闘魂注入ビンタの数々。
 「東スポ」は訃報の翌日10月2日は日曜日なので夕刊がお休み。ということで、猪木訃報の第2報は、二日後の10月3日の夕刊(10月4日付)。発行までにまる二日の時間があったので3日の朝刊スポーツ紙よりも、さぞや中身の濃い構成になると期待した。その1面の大見出しが「猪木 別れても好きな人」。前日の朝刊で各スポーツ紙が猪木の経歴や実績・エピソードを語り尽くしているので、同じような内容を記事にしてもしょうが無いという判断か。そのあとに続く2面以降も、他紙とはひと味違う内容。世間の意表を突く猪木魂なのか。SNSにはこの日の東スポの紙面に「アレッ?」という声も。とは言え、1面の写真はとても素敵なお二人の姿。

 朝日新聞、読売新聞、毎日新聞

 さて、普段はプロレスを報道しない一般紙はどうか。「朝日新聞」は、9面と27面を使って大きな記事で伝えている。「プロレスはエンターテインメントの部分もあり、演出は存在する。だが、猪木さんはアリ戦を含め真剣勝負があった」と猪木プロレスを評価。もっともその論旨に本誌はまったく賛同できないのであるが・・・。
 「読売新聞」は小さめの記事だが、藤波辰爾、舟橋慶一さん、日本維新の会・馬場伸幸代表のコメントがオリジナル色か。
 「毎日新聞」は、1面に写真が無いので、一見すると扱いが小さい印象。しかし、1面の「余録」では、「毀誉褒貶(きよほうへん)もあったが、・・・・▲参院議員を務めた政治家として90年、イラクの日本人人質解放は特筆すべき功績」「強烈な個性を放った人生のページが閉じられ、昭和はまた、遠くなった」と猪木愛を感じる追悼文。15面では紙面半分、23面ではカラーでほぼ全面が「アントニオ猪木」。一般紙のなかで、一番大きく取り上げている。

 「産経新聞」は、プロレス入門からアリ戦・政界進出と、ある意味プロレスファンにとってベタな内容だが、25面のほぼ全面を使ったカラー写真がいい。田中敬子さん、江本孟紀さん、藤波辰爾、長州力など、その他多数のコメントでアントニオ猪木像を浮き彫りにしている。
 「日経新聞」は、小さな扱いだが締めのコメントが心にしみる。「並み居る強豪レスラーや格闘家と、そして冷笑や病とも闘い続けたザ・プロレスラーが、闘いのリングから下りた」

 猪木氏の訃報はスポーツ紙の1面トップであるだけで無く、代表的な一般紙5紙すべてに大きく取り上げられている。最期まで闘い続けたアントニオ猪木の“闘魂”は確実に世間に届いていたと言えるだろう。

産経新聞、日本経済新聞、THE JAPAN NEWS


 尚、こういう企画は見せ方のレイアウトも問われてくるため、とりあえずスグに出た分というか、週プロと週刊ファイトの表紙を加えて再コラージュしたのが上記になる。本誌は週刊サイクルが始まった『マット界舞台裏』の時代こそ文字を並べていたが、電子書籍ジャーナルとしての差別化もあって写真だけにしている。

 その見せ方で評価するなら、写真週刊誌FRIDAYが美津子さんを多く使っていたのが二重丸をつけておく。実際、かの結婚式にせよ、当時の報道の見出しは「倍賞美津子・アントニオ猪木結婚」の順番なのであった。

 本誌もしつこくやっている件はさておき、東スポも毎日やっていたのはさすがであろう。また「魔性の借金」までも面白おかしく突っ込んでいたのは誉めるしかない。本誌流だと、俳優のみぶ真也さんが、さらっと「どうってことねえよ!」とスグに寄稿してくれていた。

▼アントニオ猪木とは何か?「どうってことねえよ!」by みぶ真也(俳優)

アントニオ猪木とは何か?「どうってことねえよ!」by みぶ真也(俳優)

 また、土曜10月22日、日曜23日の週末の駅スタンドにはスポーツ紙各社の「まとめ集」が並んでいた。そりゃ古い時代からの写真点数からも、モヘンジョダロ遺跡で美津子さんを肩車する猪木の絵もある東スポのが目立つんだが、中身的には写真集であって読ませる濃い内容記事はなかったかもなんだが、スポニチも白黒写真を表紙に使ったのが意地を感じだ。あくまで読者が決めるものだが、「深さでは週刊ファイトが圧勝!」との評価をいただいているのは事実だ。またそうでなければ、猪木弁護会の終身筆頭顧問・故I編集長の方針継承を謳えない。これは自明のことなんではあるが・・・・まだまだ本誌は「猪木追悼」続けます。

HP Favorite Café管理人 w/編集部


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▼猪木抜きに週刊ファイト存在ナシ 燃える闘魂と供に発展した日本マット

[猪木追悼⑦]猪木抜きに週刊ファイト存在ナシ 燃える闘魂と供に発展した日本マット

▼年代別猪木表紙ラストメッセージ 「猪木死すとも プロレスは死せず!」

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▼君はアントニオ猪木の名参謀、新間寿を知っているか?

[ファイトクラブ]君はアントニオ猪木の名参謀、新間寿を知っているか?


 
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’22年10月13日号A猪木追悼特集増刊号合冊 スターダム5★ AEW暴力沙汰 地下インパクト

’22年10月20日号Extreme Rules 猪木追悼第2弾 新日両国 スックワンキントーン後楽園

’22年10月27日号NXT激突AEW 北村克哉トーマス・スタンレー訃報 猪木第3弾 スターダム

’22年11月03日号ハロウィンハボック RIZIN福岡 新日本キック UDONプロレス 猪木第4弾