[ファイトクラブ]AEW最初DアレンBキング最後MOXライオンハート流血戦CMパンク

[週刊ファイト8月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼AEW最初DアレンBキング最後MOXライオンハート流血戦CMパンク
 (c) AEW 編集部編


■ AEW Dynamite Quake by the Lake
日時:8月10日(現地時間)
会場:米ミネソタ州ミネアポリス ターゲットセンター


 ブロディ・キングとダービー・アレンの棺桶マッチから。スケートボートの裏面にはビッシリ画鋲が貼ってあり、それで叩きまくり顔ごしごしでブロディ流血。ああ、またAEWやるのか・・・。

 はちゃめちゃで面白かったからアリだ。House of Blackのバディ・マシューズ、マラカイ・ブラック、ジュリア・ハートが加勢したかと思えば、花道に置かれていた棺桶からヌクっと出てきたのは、左目メイクが怖くなっているスティングである。
 こういう何でもあり形式の場合、すべてが綿密な進行プラン通りに運ぶとは限らないリスクも高く、実際ブロディが2つのテーブルを組み立ててそこにダービーを寝かしてとやる手順が、2台目のテーブルがうまく立たない。まぁどっちみちダービーに逃げられてブロディが自爆するspotなんだが、画面見ながら「痛ぁ!」であって、1脚だけだと体重の重いブロディさん、危ないなぁ・・・。なので意図的な写真選択をするAEWは、落ちた直後場面のを送ってきてません(笑)。

 フィニッシュはチェーン絞首刑なんだが、これがまた一瞬ガチで宙釣りになって「死んじゃうよぉ~」。しかし最後の場面は、ぴったしと巨体のブロディが絵に描いたようにエプロンから落とされて狭い棺桶にきっちり収まり、バタンと蓋が閉まったのでした。手品かよ~と思うくらい、出来すぎの鮮やかさだった。それにしてもダービー君は自爆芸含めて無茶やってる。また、大きい方のブロディが、もっともフィジカルには痛いことになっていて、大きなケガがなかったことを祈るばかりである。


 7年ぶりのインゴベルナブレス(アンドラデ&ルーシュ)本格始動ということで、ペンタゴン&レイ・フィニックスとトルネード形式タッグで激突。AAAでは定番の展開とはいえ、これがベストマッチ賞なのに、公式写真ナシって「なんでやねん!」。

 実際、最後まで面白かった番組の平均視聴者数は972,000人、視聴率0.33であり、水曜夜8時のケーブル局ランキング1位なのである。

 あとバックステージのセグメントで、いよいよ始まるトリオ選手権トーナメントを前に、3人目がいないヤングバックスがダークオーダー軍の控室を訪ねてハングマン・ペイジを勧誘するんだが、「いや、ボクはダークオーダー選抜のセコンドだから」と断る。さて・・・なんだが、そこに声だけ出演は明らかにケニー・オメガじゃないですか。復帰が近いということです。


 黒仮面から少し色が戻ったルチャザウルスは、アンソニー・ヘンリーにフィッシュライザーを決めます。ジャングルボーイはクリスチャンを追いかけます。続く・・・。


 Impact Wrestlingの重鎮からAEWに来たサンジェイ・ダットは、AEWのプレスリリースで正式にタレント部門統括の一員になったことも発表されたんだが、番組上のキャラは耳に長い”鉛筆”という、ケーフェイをパロディにするECW路線ですな。最後のリック・フレアーでも相手役を務めて高評価のジェイ・リーサルは、再度ウォードロウのTNT王座狙い。但し、ウォードロウにはFTRがついているという図式です。


 タズ軍から離脱してベビーフェイスになったリッキー・スタークスが、アーロン・ソロをスピアーで下すカードは短いスクワッシュ・マッチ。但し、QTマーシャル道場勢The Factoryのニック・コモロトらが急襲するんだが、リッキーは客席の方に逃げ足が速く、同じく舞台裏業務ではタレント部門で昇進となった選手兼務のQT親父は、当然ながら素早くは走れません(笑)。


 Rampageにて女子部門のコーチ兼選手と番組上でもケーフェイを広言しちゃってるマディソン・レインが、TBS王者ジェイド・カーギルにダウンするお仕事役をどう作るのか。大っぴらに公表されてるんだから、こっちもそういう目線で「どうムキムキ女だが、プロレスラーとしては新人のジェイドを、いかにして輝かすか」を吟味することになるんだが・・・。
 いつものジェイデッドに沈む試合、う~ん、あまり変わり映えしてないかなぁ。これで36連勝のカーギルに後ろから忍びよったのは元エンバー・ムーンのアテナである。次ですね。


 カルガリーはスチュ・ハートのダンジェン(地下牢)最後の継承者を自称するライオンハートのキャラでのクリス・ジェリコが、ジョン・モクスリーの暫定AEW世界王座に挑戦する試合が番組トリ。ただ、MOXの耳ピアスを引きちぎって耳から流血だけでなく、また●●●●使って頭からもジュース流血やるんだよなぁ。もう毎週というだけでなく、同じ2時間番組の最初と最後でもまたやるんだから、これはちょっとAEWやり過ぎだろう。


 さらに、ライオンソルトこそ見せるんだが、ライオン道の頃から試合を見ている記者には、もう飛べないジェリコさん、どこが”ライオンハート”なのかと突っ込もうかと思ったんだが、よくよく見ると太鼓腹がへこんでいる。なるほど、減量に成功したから今回、「獅子魂」を言い出したんだろう。


 試合はMOXのブルドック・チョークにジェリコがタップするケツなんだが、終盤、専門家の記者でもわからなかったんでハードウェイ(アクシデントでの)ガチ流血かもだけど、ジェリコまで大流血に。業界用語ダブル・ジュースになったんだが、凄い試合を評価する一方で、過剰な流血戦には苦言も記さないといけない。そしてもう一つのクライマックス、CMパンクの電撃復帰になるのである。


 CMパンクはジェリコを追い払いなんだが、Black Combat Clubにエディ・キングストンがなだれ込んできたかと思えば、JAS(ジェリコ・アプリシエーション・ソサエティ)もと総出演の乱闘に。MOXはパンクに中指を突き立てると。まぁサプライズ復帰になり、満足の2時間番組であったことは間違いない。