おバカ勝利サーシャ組 エッジAJ ビンス試合Rレインズ王座統一WM2

photo by George Napolitano

■ WWE WrestleMania 38 2日目
日時:4月3日(現地時間)
会場:米テキサス州ダラス AT&Tスタジアム
観衆:77,453(=主催者発表)初日より減少

 番組は前日に続いてまた知らないアーティストの国歌は飛ばすが、映画俳優マーク・ウォールバーグのビデオ出演から。そして『STAND & DELIVER』に続いてトリプルHが会場に出てくる。

<トリプルH公式引退表明>

 みんな知っていることであり言葉少なめに感謝を述べたあと、リングにはブーツが残されていた。

<第1試合 RAWタッグ王座トリプル・スレッド>
[王者]RK-Bro(○ランディ・オートン&リドル)
 11分30秒 トップコーナーから降ってきたαアカデミー2名を空中で捕えてのRKO連続競演
[挑戦者]オーティス&●チャド・ゲイブル
※もう1組はストリート・プロフィッツ(モンデス・フォード&アンジェロ・ドーキンス)

◆RKブロがRKO2連打で王座防衛!“東京五輪金メダリスト”スティーブソンと祝福

 RK-Bro(ランディ・オートン&リドル)が祭典「レッスルマニア38」でストリート・プロフィッツ(モンテス・フォード&アンジェロ・ドーキンス)、アルファ・アカデミー(チャド・ゲイブル&オーティス)とRAWタッグ王座トリプルスレット戦で激突。リドル、オートンのRKO2連打で王座防衛に成功した。試合後には一緒に王座防衛を祝福した東京五輪レスリング金メダリストでRAW所属のゲイブル・スティーブソンが妨害したチャド・ゲイブルを一蹴した。
 序盤、リドルがゲイブルにハイキック、フォードにセントーンを放つとオートンはフォードとゲイブルを解説席に叩きつけて攻め込んだ。さらにRK-BroがダブルDDTをストリート・プロフィッツに放てば、ストリート・プロフィッツの連携ブロックバスターもゲイブルに決まって白熱の攻防を展開。最後はリドルがコーナートップのフォードにスプリングボードRKO、オートンがコーナートップから襲い掛かってきたゲイブルをカウンターRKOで沈めるとそのまま3カウントを奪取して勝負あり。RKブロがRKO2連打でトリプルスレット戦を制して王座防衛に成功した。
 試合後にはRKブロ、ストリート・プロフィッツが観戦していたスティーブソンと乾杯しようとすると、元五輪強化選手ゲイブルにカップを叩き落とされて妨害。これにスティーブソンはTシャツを脱いで刺青の肌を見せてゲイブルを捕まえると、そのまま綺麗なベリー・トゥ・ベリーで投げ飛ばした。

<第2試合 シングルマッチ>
○ボビー・ラシュリー
 6分35秒 スピアー
●オモス

◆“筋肉魔人”ラシュリーが祭典WMで“巨人”オモスとのモンスター対決を制す

 “筋肉魔人”ラシュリーが祭典「レッスルマニア38(WM)」で身長2.2m越えの“巨人”オモスをスピアー2連打で沈めてモンスター対決に勝利した。序盤、ラシュリーは30cmの身長差のあるオモスのアッパーやクローズラインを浴びながらもハートロックを狙ったが、オモスのパワーに負けて回避された。さらにオモスのベアハグに捕まって防戦一方となったが、180kgのオモスに起死回生のスープレックスを決めるとスピアーを叩き込んで形勢逆転。最後は再び渾身のスピアーを叩き込むと“巨人”オモスからピンフォールを奪取してモンスター対決を制した。

<第3試合 Anything Goes>
●サミ・ゼイン
 14分25秒 ネズミ捕り機捕獲
○ジョニー・ノックスビル

 年に1回『レッスルマニア』だけは見るという方は世界にいる。しかし、専門媒体記者にはいつもと同じじゃないかという試合カードもあるわけで、祭典ならではという点ではジョニー・ノックスビルと映画『ジャッカス』御一行のドタバタ劇が笑えたかも。
 そして、バラモン兄弟のパクりかもだがボーリング玉を投げて急所攻撃、さらに義足装置操作でも急所命中と畳みかけ、トップロープに登ったゼインがピンチでチンコ挟まれ場外のネズミ捕りテーブルへ。しかし、それでは終わらず人間捕獲用の大型ネズミ捕りがリングに持ち込まれてパチン。毎週テレビ番組を追いかける専門媒体にはメインのケツはわかっていることなので、速報版のトップ画像は『ジャッカス』御一行にします。

<第4試合 WWE女子タッグ王座フェイタル4way>
[王者]クイーン・ゼリーナ ●カーメラ
 10分50秒 開脚スプリット合体コードブレイカー
[挑戦者]○サーシャ・バンクス ナオミ
[挑戦者]リア・リプリー リブ・モーガン
[挑戦者]シェイナ・ベイズラー ナタリア
※サーシャ&ナオミ新王者

<第5試合 シングルマッチ>
○エッジ
 24分05秒 空中捕獲スピアー
●AJスタイルズ

◆“R指定の男”エッジがカウンターのスピアーでAJスタイルズとのWM戦を制す

 “R指定の男”エッジが祭典「レッスルマニア38(WM)」でAJスタイルズと対戦するとダミアン・プリーストの出現で油断したAJにカウンターのスピアーを叩き込んで撃破した。序盤、エッジはAJのドロップキックやスライディング・ニーを浴びながらも450スプラッシュを膝で迎撃するとSTFやアームバーを決めて攻め込んだ。さらにロープの反動を利用したパワーボムを放てば、AJにスープレックスやスプリングボード・450スプラッシュを決められて白熱の攻防を展開。
 終盤にはエッジがAJにフェノメナール・フォアアームを狙われるが、ここで突如プリーストがリングサイドに現れてAJの動きが制止。するとエッジが遅れて攻撃を仕掛けたAJに渾身のスピアーを叩き込むとそのまま3カウントを奪取して勝利を収めた。エッジはAJとのWM戦を制するとプリーストと共に不敵に笑いながらリングを後にした。

<第6試合 タッグマッチ>
コフィ・キングストン ●ゼイビア”キング”ウッズ
 1分40秒 ブローグキック⇒ノーザングリット
シェイマス&○リッジ・ホランド w/ブッチ(ピート・ダン)

<アンダーテイカー 顔見世>

<第7試合 シングルマッチ>
○パット・マカフィー
 9分40秒 丸め込み
●オースティン・セオリー

 正直、SmackDown・RAW・NXTをフォローする専門媒体には、この試合がイチバン真剣に見ることになったかも。フットボールやる前から、実は「子供の頃からプロレスラーになりたかった」と、トランポリンでごっこしている映像も紹介。そしてダラス・カウボーイズのチアリーダーを従えてマカフィーの花道入場である。客席には「マカフィー・マニア」のボードを掲げるお客さんも。

 スピニング・エルボーはフットボールのタックルだ。さらに飛びつきウラカン・ラナも飛び出した。芸能人枠の短い試合ではない。ノックスビルのは、様々な小道具が出てきておバカさん軍団が絡むからその尺でもない。あくまで純プロレスなのである。途中で実況席に戻り、ヘッドセットを付けての試合解説もやったけど。お客さんもマカフィーの入場曲、解散したホワイト・ストライプスの♪Seven Nation Armyのサビのコーラス合唱(骸骨の行進)が沸き起こる。これってもの凄いことなのだ。あの伝説のアダム・コールとのプロレス・デビュー戦から、これが2戦目なのである。
 スワントーンはよけられたのだが、3段のコーナーに一気に飛び乗ってのブレーン・バスターは決めて魅せた。そして丸め込みでの勝利。お客さんから再びコーラス合唱が自然発生した。プロレスはお客さんとの完全ガチンコ勝負となるスポーツ芸術だ。公称7万人のお客さんを手玉にとったのだ。我々は大変なものを『レッスルマニア』で目撃する歴史の証人となった。

<第8試合 シングルマッチ>
●パット・マカフィー
 3分45秒 フットボールをぶつけるズル勝ち
○ビンス・マクマホン


 なるほど、サプライズは初日のストーン・コールド試合だけではなかったのだ。結局は当初の噂通り、ビンス会長がネクタイをほどいたのだ。

<ビンス スティーブ・オースチンお約束>
◆オースチンが祭典WMでビンス会長にスタナー弾!2日連続でビールをがぶ飲み

 “ストーン・コールド”スティーブ・オースチンが祭典「レッスルマニア38(WM)」でサプライズとなった試合に勝利したビンス・マクマホン会長にスタナーを放って2日連続でビールをがぶ飲みした。元NFLスターでSDコメンテーターのパット・マカフィーが“ビンス会長の子分”オースティン・セオリーとのWM戦に勝利すると、リングサイドで観戦していたビンス会長を挑発。これにビンス会長はジャケットとシャツを脱ぎ捨てると“子分”セオリーに襲撃された上でマカフィーとサプライズで対戦。

 ビンス会長は76歳とは思えない肉体でクローズラインを放つとセコンドのセオリーにも急所攻撃で襲撃させて圧倒。しかし、この試合中にもお客さんがコーラスの合唱を起こす。
 最後はマカフィーの腹部にアメリカンフットボールを蹴り込んで快勝したが、それはどうでもいいこと。ただ、お客さんの反応まで読んでいたところが天才ビンス会長なのである。ビンス親分とセオリーが勝利を祝福していると、正義の味方スティーブ・オースチンが登場する。そうか、その手があったのか。やはり、我々はビンスの掌で転がされていたのだった。これぞ「神アングル」なのであった。

 オースチンはセオリーを蹴散らしてビンス会長とビールで乾杯すると隙をついたスタナーを浴びせる。その後、今度はマカフィーを呼んでビールで乾杯するも、再びスタナーを放つとコーナーに上がって浴びるようにビールをがぶ飲みした。

<第9試合 ユニバーサル王座&WWE王座統一戦>
[ユニバーサル王者]○ローマン・レインズ
 12分15秒 スピアー
[WWE王者]●ブロック・レスナー
※ローマン帝国王座統一

◆レインズが王座統一戦を制してWWEユニバーサル王者に!ローブローや王座ベルト攻撃でレスナーを撃破

 ユニバーサル王者ローマン・レインズが祭典「レッスルマニア38(WM)」でWWE王者ブロック・レスナーと王座統一戦で激突するとローブロー、王座ベルト攻撃から渾身のスピアーでレスナーを沈めて王座統一に成功した。序盤、レインズ(ウーソズ&ポール・ヘイマン)はグローブを外したレスナーのベリー・トゥ・ベリー3連打を浴びると、場外戦ではヘイマンに詰め寄るレスナーにバリケードごと破壊するスピアーを叩き込んだ。さらにリングに戻ったレスナーにスピアーやスーパーマンパンチ2連打を決めれば、レスナーのスープレックス4連打やF5で反撃されて激戦を展開。

 中盤にはレインズがスピアーを繰り出すとレスナーとレフェリーが誤爆するアクシデントが起こってしまう。するとこの隙にレインズは手段を選ばずローブローやヘイマンから受け取った王座ベルトで攻撃を仕掛けたが、逆にレスナーのキムラロックに捕まるとロープエスケイプでなんとか回避。お互い意地のぶつかり合う攻防を展開するも、最後はレインズがF5を狙うレスナーに豪快なスピアーを叩き込んで3カウント。レインズが祭典WMでレスナーとの王座統一戦を制してWWEユニバーサル王者となった。


 前日は4時間を超えてしまい、今回もギリギリ3時間50分に納めてはいるが、やはり超長く感じた。2日に分けるなら3時間が集中力の限界ではないか? 前日より客が減ったのは”2 for 1″のチケット安売りで2日間通しを購入したお客さんが、テレビで見る方が楽だと来なかった方がいたのではないかと推測する。

※現地取材ならではの完全詳細版は近日[ファイトクラブ]公開。金曜発売週刊ファイトに拡大版収録


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’22年04月14日号Wマニア現地取材ダラスSD殿堂S&D AEW-ROH ノア福田Kickマサル引退