[Fightドキュメンタリー劇場⑲] 来日したルスカは、もう「喧嘩腰」というか「殺気」というか・・・

[週刊ファイト11月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼[Fightドキュメンタリー劇場⑲] 井上義啓の喫茶店トーク
 来日したルスカは、もう「喧嘩腰」というか「殺気」というか・・・
 by Favorite Cafe 管理人

 バックドロップ三連発での決着が印象的なこの試合。試合後にルスカは「ワザと負けてやった」と語った。しかしI編集長は「それは大きな間違い」だと言う。I編集長による「猪木vs.ルスカ」の活字プロレス的分析。

■ 闘いのワンダーランド #024(1997.01.07放送)「I編集長の喫茶店トーク」
1976.08.05 日本武道館
アントニオ猪木 vs. タイガー・ジェット・シン

(I編集長) 今日は猪木vs.シンの放送でしたが、この喫茶店トークでは、猪木vs.ルスカ戦についてお話しします。昭和51年と言いますと、ご存知のように猪木vs.アリ戦の年であり、猪木vs.ルスカ戦の年であり、ということで御存じの通り非常に大きな異種格闘技戦が行われた年なんですね。

(I編集長) ですから当然視聴者のみなさんは、この「闘いのワンダーランド」でこの二つの試合が放送されるだろうと心待ちにされていると思うんですけども、この二つの試合は「異種格闘技戦」ですので普通のプロレスの試合とは違います。ですからそういった事で、残念ながらオンエアできないということらしいんです。私はテレビ局の詳しい事情を存じませんけれども、とにかくそういうことらしいので、非常に申し訳ないと思っております。しかしいずれにしたって昭和51年のお話をする場合には、この二つの大きな試合、異種格闘技戦は避けて通れません。今日は猪木vs.シンの放送でしたが、この機会を捉えて、猪木vs.ルスカ戦の話をしたいと思います。

▼赤鬼ウィリアム・ルスカA猪木異種格闘技戦、72年ミュンヘン五輪柔道金メダル

赤鬼ウィリアム・ルスカさん74歳で永眠!A猪木異種格闘技戦第一回、72年ミュンヘン五輪柔道金メダル

(I編集長) この局、SAMURAIテレビの番組で「猪木アワー」というのをやっております。これはみなさん、チャンネルの目玉商品ですからご覧になっていると思うんですけども、この前、私も家で「猪木アワー」見ておったんですよ。そしたらルスカが出てきまして、猪木といろいろな話をしておるんです。その中でルスカが「1976年2月6日の日本武道館での試合は、私と猪木との間に信頼関係ができていて、その上で成り立った試合だ」というふうなことを言ってたんですよね。私は「おかしいな、そんなはずは無いだろう」と思いましたよ。今だからこそ、「猪木とオレとの間には信頼関係があって」とか「ヤア、ヤア、ヤア」ということになるんでしょうが。

番組表に「アントニオ猪木アワー①」(SAMURAI!広報誌より)

(I編集長) だけど当時、昭和51年のルスカなんてのは、そんな信頼関係も何もあったもんじゃないですよ。もうとにかく猪木を叩き潰すんだということで、目が釣り上がってましたね。ですから、この前もちょっと申し上げたかもしれませんが、レスラー本人がこう言った、アントニオ猪木がこう言った、あるいは、どこどこの記者がこう言った、関係者がこう言った、だからこれが真実だとはならないんですよ。絶対ならない。
 これがプロレスの世界じゃ、なおさらですよね。番組で猪木とルスカの対談を聞いていて、つくづくそれを思いましたね。今だからこそ、信頼関係だとか穏やかな調子で言えるんですけどね。あの当時を思い出してみると酷かったですよ。凄まじかったですよ。

(I編集長) ルスカとの試合より先に猪木vs.アリ戦がぶち上げられて、それを新聞で読んだルスカが「だったらオレが猪木とやる」と挑戦状を送りつけてきたと、これがそもそもの発端でしょ。最初にルスカがそういった挑戦状というか電話を入れてきた時に、新間さんが「なんかオリンピックでメダルをとった格闘家が挑戦状を送ってきてますよ」と猪木に伝えたんです。当時、こういった申し入れが非常に多かったんですよね。猪木は「ミュンヘンオリンピック? 誰だ?」と。それで猪木はクリス・テイラーじゃないかと思ったんですね。クリス・テイラー。ご存知の方はおられると思いますけど、もう巨漢でね、200キロもある大男ですよ。挑戦状を叩きつけてきたメダリストっていうのは、この男だろうと猪木は思ったらしいんですよ。

同年、クリス・テイラーは全日本に来日(全日本プロレス放送録画より)

(I編集長) ところが「ルスカ」と言う名前を聞いて、猪木は驚きましたね。「ルスカといったら、オリンピックで金メダルをとった現役の柔道家じゃないか」と。まさか、あの二階級制覇した赤鬼のルスカが挑戦してくるはずがない。しかし、ということは、現役を引退してプロに転向するということか。だから猪木はびっくりすると同時に「新間、やろうよ」と即答したんですね。それで新間さんも「それでは、すぐに連絡をとります」と言って交渉を始めたんですね。いきなり「赤鬼」ルスカが挑戦してきたということでね、新日本プロレス陣営は沸きに沸いたんですよ。

レスリング(グレコローマン)、サンボの経験もあったルスカ

(I編集長) これをプロレスマスコミが「五輪金メダリストのウィレム・ルスカがプロレスに転向する」と紙面に書いたところであんまりセンセーショナルなインパクトは無いんですよね。やっぱり「プロレス村」だと見られていますから。新日プロは、それをプロレスマスコミではない「朝日新聞」にスッパ抜かせたんですね、特ダネとして。あの朝日が書いたんですから、そういうことによってものすごくインパクトが増すでしょ。それで当然、その他の一般マスコミも「やられたー!」となったんですよ。
 さらにその試合はいつ行われるのかと聞いたら、「来月、2月6日だ」とういことだったんです。これには、またまたビックリしましたよね。あと一ヶ月しかないですからね。だから「新日本プロレスというのは電光石火のごとくやる団体だな」と非常に感心しましたよ。

▼総力特集Wルスカ追悼/オランダ格闘技界~マット界舞台裏 2015年2月26日号

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