黄金時代の新日本プロレスに熱狂した世代には、ついに来るべきものが来たという感慨であろうか。赤鬼ウィリアム・ルスカさんが現地時間14日未明、74歳で永眠された。
72年ミュンヘン五輪柔道金メダルだったが、オランダ歓楽街のマダムだった奥さんが病気になり、長年ヒモ人生だった赤鬼は、その手術代を稼ぐためプロレスに転向。すでにモハメド・アリとの世紀の一戦が決まったからとはいえ、いわゆる「異種格闘技戦」の初陣をアントニオ猪木と1976年2月6日に闘ったのがルスカである。あのバックドロップ三連発の衝撃がなければ、「格闘技世界一決定戦」というお題目がその後ずっと日本マット界の金看板になることはなかった。
ご冥福をお祈り申し上げます。
※写真は1979年12月13日、京都府立体育館で行われた坂口征二との柔道ジャケットマッチ 撮影:猪俣謙次
ルスカ追悼特集はマット界舞台裏2月26日号Wルスカ追悼オランダ格闘技界DDT飯伏幸太UFC-WWE天龍ReinaSM戦に掲載されました。