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■ WWE RAW
日時:10月18日(現地時間)
会場:カリフォルニア州サクラメント ゴールデン1センター
金曜のSmackDown on FS1とRampage on TBSの戦争、現地の媒体報道はどちら寄りかによってニュアンスの違う伝え方なのが可笑しい。いずれにせよ日本のファンにとって重要なことは、現在アメリカが新たなプロレス黄金時代にある歴然たる事実である。
実際、現地のケーブル業界紙Showbuzz Dailyは広告主による宣伝費の目安にする18-49歳の重要デモグラフィック視聴率順にランキングが出る。そこでは時間帯別ESPNのカレッジ・フットボール1,2位にこそ後塵を拝するも、3位がSmackDown、4位がRampageと、プロレス市民権の浸透拡散というか、お茶の間層への支持が非常に高いことと、スポーツ中継が上位を占めることがわかる。
現在テレビ番組全体にも言えることだが、若者層のテレビ離れが顕著なので50歳以上のデモグラフィックが相変わらず音楽系娯楽番組やニュース、プロレス視聴者数には割合が大きいので全体ランキングとなるとRampageは56位になるのだが、重ねてCMの値段は18-49歳のデモグラフィックで決まる点を忘れてはならない。
もうひとつ、日本のファンにとって重要なのは国内のお寒い状況(新日G1のAブロック決勝戦の横浜武道館大会観衆は874人)と、ますます格差が巨大になっている現実か。さらには本誌が繰り返し指摘するように、米国は2強団体時代になったことの再確認である。
念のため、平均視聴者数はSmackDownが866,000(18-49歳デモ視聴率0.24%、2時間半全体では955,000)、Rampageが578,000(18-49歳デモ視聴率0.24%)。前週との比較でSmackDownが下がったとかAEW寄りの報道している媒体があったが、地上波FOX金曜夜8時の前週が2,147,000なのと比べるのは間違っている。逆に言えば、佳境にある大リーグMLBとフットボールNFL中継のため、FOXグループ傍系FS1からの放送となったからこそ、同じケーブル局同志の裏番組激突となりWWEは30分の番組延長、しかもそのセグメントはCMナシという異例の対応で徹底抗戦となった。
一方のAEWも、まるでPPV中継のような1時間の前煽りBuy InをLIVEのYouTube番組として急遽中継、鈴木みのるvs.ブライアン・ダニエルソン戦を投入するのみならず、重なることになるRampage冒頭のCMパンク戦はCMナシの扱いと、死闘を繰り広げたのであった。
重なる東部時間夜10時から10時半までに絞るなら、SmackDown 878,000の平均視聴者数に対して、Rampage 603,000なのだが、カード的にはAEWのCMパンクがマット・サイダル戦なのに対して、WWEはベッキー・リンチvs.サーシャ・バンクス、さらには最後にブロック・レスナーとポール・ヘイマンが裏で結託している示唆のあるローマン・レインズのセグメントなのだから、この数字は最初から予想されたこと。新興のAEWがWWEに肉薄している事実の方がはるかに重要なのは強調して足りない。一部で「ケーブル局FS1で放送してもAEWに大きく勝ったとなれば、今後WWE-FOXは毎週FS1でSmackDownの3時間目を決断する」とも噂が飛び交ったのだが・・・。以前はLIVEの会場で大会の3時間目がWWEネットワーク配信となる『205 LIVE』だったものの、SmackDownが終わるとお客がゾロゾロと帰り出す始末でこの構成は没に。現在の『205 LIVE』はNXTの補完番組扱いになり、Capital Wrestling CenterからNXTの収録日に一緒にやるから番組名のLIVEではなく録画番組になってしまった経緯であった。
番組はスマックダウン移籍が決定している高慢シャーロット女王様のプロモから。「ビアンカみたいな新人が今週2回も王座挑戦できるなんて」と不満を漏らした。そこへ現れたビアンカは「タイトルとの別れの時間を取るといいわ、私が二冠王になる」と挑発すると怒ったシャーロットが殴り掛かったが、ビアンカもハンドスプリング・ニールキックで反撃する。すでに事前発表されているが、このPPV級カードが3時間目のトリということになる。
試合としてはキング・オブ・ザ・リング(KOTR)トーナメントから。ゼイビア・ウッズがジンダー・マハルと激しい攻防を展開するも、最後はダイビング・エルボードロップでマハルを沈める。これでサウジ遠征組の切符を獲得した。
レジーの24/7王座のコントを挟んでR-truthとオースチン・セオリー戦なのかと思わす演出を経て、やはり因縁のジェフ・ハーディ再戦ということに。こちらもATLでセオリーの連勝に。例によってスマホで撮影とポーズを決めるのだが・・・。
ただ、それで終わりじゃジェフ先輩の立つ瀬がない。ツイスト・オブ・フェイトを見舞って、今後は逆にパチリと1枚やってました。
タッグチームとしてはぎくしゃくのままのビックEと、入場時の聖剣エクスカリバーがますます大きくなって、亡き母にちなんだアンジェラの名称もついたドリュー・マッキンタイアが、職人組ドルフ・ジグラー&ロバート・ルードをビッグエンディングに沈めるタッグ戦も。
サウジアラビアはリアド出身のマンスールが、セドリック・アレキサンダーに勝利して、ムスタファ・アリが「お前を負かせて会場客の笑顔を消す」とかアジるいつもの展開もありました。長く引っ張ったなぁ。
ゴールドバークvs.ボビー・ラシュリーもサウジであります。決め台詞がNEXTの「次はお前だ!」からENDなんだと。さて、どっちが?
リドルだけでなく、RK-Broが定着してきたランディ・オートンまでWe want to Smokeなんだそうで・・・。ストリート・プロフィッツとの試合は途中でAJスタイルズ&オモスが介入してきて不透明決着に。
◆AJスタイルズ&オモスがPPVを前にRAWタッグ王者RK-Broを襲撃KO
AJスタイルズ&オモスがPPV「クラウン・ジュエル」のRAWタッグ王座戦で対戦する王者RK-Bro(ランディ・オートン&リドル)を襲撃KOした。RK-Broがストリート・プロフィッツ(モンテス・フォード&アンジェロ・ドーキンス)と対戦。リドルがアーム・バーやドロップキックで攻め込むとモンテス・フォードはトペ・コンヒーロで反撃して互角の攻防を展開。試合終盤にはオートンがフォードにDDTから止めのRKOを狙ったが、突如入場曲が流れ出すとAJスタイルズがオートンに背後からフェノメナール・フォアアームを叩き込んだ。続けてオモスも捕まえたリドルをチョークスラムの餌食にすると最後はなんとか起き上がったオートンにラウンドハウスキックを放ってKOした。RKブロ vs. AJスタイルズ&オモスのRAWタッグ王座戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。
説得力のかけらもないオモスの下手なキック、さすがに公式写真から省かれてました(失笑)。
クイーンズ・クラウン(QC)準決勝ではドゥドロップがキリフダクラッチを決めたシェイナ・ベイズラーをそのまま押さえ込んでのフォールで決勝進出を決めるとPPV「クラウン・ジュエル」で行われる決勝戦でゼリーナ・ベガとの対戦が決定した。
それにしても現地の専門媒体、シェイナだろうと一色だったのを本誌だけが異を唱えていた。もはや住んでる場所は関係なく視聴条件は同じなのだから、どこが最も正確にアメプロ展開を読めているか。すべては証拠が残っている通りである。
◆KOTR決勝戦で対戦するフィン・ベイラーとゼイビア・ウッズが舌戦で一触即発!
フィン・ベイラーとゼイビア・ウッズがPPV「クラウン・ジュエル」のキング・オブ・ザ・リング(KOTR)トーナメント決勝戦を前に舌戦を展開して一触即発となった。さらにすでに決勝戦進出が決定しているベイラーがメイスと対戦すると豪快にクー・デ・グラを叩き込んで快勝。試合後には「この王冠は俺のものだ」と挑発するウッズと睨み合いながらプロモを展開した。KOTRとQCトーナメント決勝戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。
“女王”こと王者シャーロット・フレアーが“EST”ビアンカ・ブレアとRAW女子王座戦で対戦もパイプ椅子攻撃による反則裁定で王座を死守した。SmackDownでのベッキー・リンチvs.ビアンカ・ブレア戦に続きPPV級カードの投入、のみならず闘う二人にとってはそっちを超える試合内容がテーマだったハズで、PPV大会前にうやむや決着になるのは仕方ないにせよ、見ごたえのある中身を提供できていた。
◆王者シャーロット・フレアーがビアンカ・ブレア相手に反則攻撃で王座死守
メインとなったRAW女子王座戦ではシャーロットがパワーボムやスタンディング・ムーンサルトで攻め込むとビアンカのスパインバスターから解説席に投げ飛ばされて激しい攻防を展開。終盤にはシャーロットが場外ムーンサルトやスピアーを叩き込むも決定打とはならず、逆にリバースパワースラムやパワーボムを食らってピンチとなると、堪らずパイプ椅子攻撃をビアンカに放って反則裁定。
シャーロットは何とか王座を死守したものの、試合後にビアンカに奪われたパイプ椅子で蹴散らされた。ビアンカ vs. ベッキー vs. サーシャのスマックダウン女子王座トリプルスレット戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。
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◆ローマン・レインズがPPV「クラウン・ジュエル」を前に語る
ユニバーサル王者ローマン・レインズがサウジアラビアで開催されるPPV「クラウン・ジュエル」に向けてインタビューに答えた。
ブロック・レスナーとのライバル関係からファンが期待できること…
「最も明白なことは2人の立場がどう逆転したか、そしてそれがどれだけダイナミックに180度シフトしたかということだ。ポール・ヘイマンとの関係性などそれぞれの個性がどこにあって、どこに向かっているのか。俺とレスナーに関してはすべての状況が変わった。過去のタイトル保持において、レスナーはおそらく最も権威のあるユニバーサル王者だった。しかし、それは俺が過去1年半で達成できたことと比較すると見劣りする。フルタイムのスーパースターとして毎週のスマックダウンで、そして4大大会からすべての主要なPPV、時には毎月、そして時にはそれ以上に王座防衛したことは俺たち2人の立場に大きな違いをもたらした。多くのことが変わったが、変わっていないことの1つは俺たちの身体能力。数年前のレスナーは俺に対してうまく対応していたが、最近は俺の方が多くの点で優勢だ」
PPV「グレイテスト・ロイヤルランブル」でケージごと突き破ったスピアー弾…
「あの夜、俺は勝利を奪われたような気分だっだ。スチールケージの檻から抜け出すことが目的で、俺は勝つためにすべての手を尽くした。もしポール・ヘイマンが俺のコーナーにいてテープを見直すことになっていたら、リプレイ結果をよく見ることができたはずだ。この出来事は二度と勝利を奪われないようにするため、ヘイマンのような男と協力するようになった理由だ。サウジアラビアでスチールケージを突き破るスピアーをレスナーに叩き込むも俺が王座奪取できなかったのはWWEの歴史において汚点の1つだと思う。それにもかかわらず、その衝撃的な結末は観客に受け入れられたが、それは俺とレスナーが作り出すことができる1つの瞬間にすぎない。破壊、身体能力、強度、そしてエネルギーレベル、最高峰の2人が対峙することで人々を興奮させることができる」
ポール・ヘイマンについて…
「ヘイマンはとても幅広いスキルを持っており、彼は詳細の確認など舞台裏で大いに活躍する。人々は彼がスーパースターのために行っていることを垣間見ることができないが、それは現在は俺にあってレスナーには欠けているものだ。そのおかげでたくさんの責任やタスクをもはや心配をする必要はなく、俺が集中しなければならないのは対戦プランだけ。カーテンから出てユニバーサル王座をどうやって防衛するか。ヘイマンが他のすべてをカバーしてくれる。俺はただ登場してリングアナウンサーが試合の終わりに「防衛」と言っていることを確認するだけだが、レスナーはもはや同じ状況になく、すべてが彼にのしかかることになる」
観客の前でパフォーマンスすることについて…
「サンダードームとライブファンがいるWWEを比較するとそこには大きな違いがある。俺たちは状況に応じて最善を尽くしてファンに最高の体験を提供し続けるが、ライブの観客の前にいることほど素晴らしいことはない。誰もいないところで試合をするのはつまらないんだ。それは俺たちが対応しなければならなかったことだが、それは辛くて気分が良くないものだった。ソールドアウトのアリーナや興奮した人々で満員のスタジアムではそのエネルギーとポジティブな雰囲気でスーパーマンにでもなった気持ちになる。例えば食中毒で気分が悪い中で入場曲が流れ出し、入場口のカーテンにたどり着くまでもがいていたとしても、そこを通り抜けて観客の生の反応を感じるとすべての苦痛は消え去るんだ。腕を骨折しているとしても、観客の前に出れば問題なくパフォーマンスができるように感じるだろう。それがライブの観客がもたらすエネルギーと興奮であり、サウジアラビアも例外ではない。俺たちは年に数回行くだけで前回からパンデミックにより時間も経っているから、そこで観客の興奮したもの凄いエネルギーがあることを期待している」
レインズがスマックダウンで直面する新たな課題について…
「一族の長である俺は特にレスナーのような奴が現れるととても忙しい立場になる。常にターゲットにされていて、これはユニバーサル王者であるだけでなくWWEの顔だからだ。多くの人がトップのスーパースターたちについて話をしているが、もしトップスーパースターたちを集めて誰がトップかと尋ねればそれは俺になるだろう。俺は山の頂上の旗みたいなもので自分のことに集中してそれをやり続け、他のすべてのスーパースターをリードしていかなくてはならない。俺はヘイマンとレスナーの間でいろいろ混乱が起こってWWEドラフトに対して十分な時間を取って結果を見ることができなかったが、特にパンデミックの間に勢いを増したビックスターでロウを長く牽引してきた誰もが注目すべき男はドリュー・マッキンタイアだ。フィジカルや経験、所属期間、称賛をこれだけすばやく積み上げてスマックダウンに移籍した奴はいない。彼はタイトルに飢えているし、みんながトップと呼べるスーパースターの1人だが、実際はトップではなくその状況に苦しんでいるだろう。彼が2番でいることが好きでないと知っているが、それが現実なんだと彼に言ったことがある。彼や他のスーパースターは俺が健康で息をし続ける限り2番のために戦うことになる」
レインズ vs. レスナーのユニバーサル王座戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。
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