SD2時間半AEW対抗サーシャCM無ベッキーBレスナーPヘイマン綾

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■ WWE Supersized SmackDown
日時:10月15日(現地時間)
会場:米カリフォルニア州オンタリオ トヨタ・アリーナ

 本誌が深淵分析を延々を毎週、毎週やってきたハルマゲドンの決戦の幕が開いた。天下のWWEによる世間浸透度定着のSmackDownなのか、新興AEWの現地金曜夜10時からのRampageなのか。なにしろ、地上波FOX放送のSmackDownだが、今は大リーグMLBの中継があるため傍系のFS1での米国中継に。日本のような地上波とケーブル局チャンネルに巨大な差というか、大きな壁はなく一般庶民の家庭でも多チャンネルが普及してはいるが、やはり「習慣の変更」はマイナスにはなる。
 ということで同じケーブル局としての中継となったことからWWEは30分の延長を決定。1時間番組であるAEWのRampageと、モロに最初の30分間裏番組で激突するのみならず、提供スポンサーである大手生命保険会社Progressive Insuranceの英断により最後の30分はCMナシを事前発表。もはや死人が出かねない血闘の様相を呈することになり、関係者のみならず意識的なファン層もまた固唾を飲んで対決を見守ることになった。なにしろAEWにはライバル生保のState Farmがスポンサー企業に名を連ねたばかり。日本との余りの格差に奈落の底に突き落とされそうだが、これがプロレス市民権が確立している米国の現実である。「スポーツ・エンタテインメントでございます。アマの祭典五輪よりはるかに超A級のスポーツ選手を揃えております」と100%の事実をプレゼンして開き直っているから、大企業も安心して巨額資金を出しているロジックの循環になろう。


 団体間の面子だけでなくスポンサーなど周囲をも巻き込んだ決戦の大一番は、やはり知名度の高いエッジが走ってくるところから。セス・ロリンズに自宅を家宅侵入された恨みをいつもの顔芸で語ります。


 サウジアラビア政府が収支決算上は『レッスルマニア』よりもはるかに高額を出してくれる『クラウンジュエル』で決勝戦が行われる「キング・オブ・ザ・リング」(KOTR)のトーナメントは、プリンス・フィン・ベイラーがクー・デ・グラでサミ・ゼインを下す試合から。ちゃんと質の高い内容なのでどっちが勝ったは関係ないこと。すべり出しは順調です。


 しかし、夫ジミー・ウーソがいるからとSmackDown移籍になったものの、ずっと使われない冷遇だったままのナオミが、ようやくこぎつけたソーニャ・デヴィル戦なのに、いつもの役員服のままで試合はシェイナ・ベイズラーとの2対1って、なんじゃそれは?


 サウジでエッジと対戦するセス・ロリンズは「ヘル・イン・ア・セル」檻戦になるのは計算済みだったと高笑い。


 女子のクイーンズ・クラウン(QC)準決勝は、付けたら強くなるマスクをリブ・モーガンに邪魔されて被れなかったんで、ゼリーナ・ベガに丸め込まれると。なんじゃそれは?


 Happyコービンとマッドキャップ(リドリック)モスの二人で笑い転げるだけのコーナーは、My name is リック・ブーグスの宣言からシンスケ・ナカムラさんがギターに載せてリング回りを一周だけの出番でした。でもパット・マカフィーが実況席に立っての踊りの方が笑えるので許す。


 ウーソズのSDタッグ王座にストリート・プロフィッツが挑戦するストリート・ファイト戦は、凶器公認のなんでもありだ。

 ダブル・ウーソズ・スプラッシュが決まっての王座防衛。そしていわゆる「時間またぎ」の箇所からベッキー・リンチvs.サーシャ・バンクスのPPV級カードが始まる。AEWとの宿命の血闘対決の幕が開いた。うやむや決着にせずクリーン・フィニッシュにしたことでWWEの覚悟が見え隠れした。

◆王者ベッキー・リンチが前哨戦で“ボス”サーシャ・バンクスに敗れる白黒決着

 “ザ・マン”こと王者ベッキー・リンチが“ボス”サーシャ・バンクスとPPV「クラウン・ジュエル」で行われるスマックダウン女子王座トリプルスレット戦の前哨戦で激突すると、ゲスト解説のビアンカ・ブレアと揉めた隙にサーシャのバックスタバーを食らって屈辱の敗戦を喫した。試合前、ベッキーは「サーシャを倒して、クラウン・ジュエルでも王座を防衛する」と意気込むとフォールの取り合いからレッグドロップを決めてサーシャに攻め込んだ。さらに終盤にはベッキーがサーシャのダブルニーを食らいながらもエクスプロイダーやレッグドロップで反撃すると場外戦ではベッキーの攻撃がゲスト解説のビアンカに誤爆してしまう。

 その後も両者白熱の攻防を展開したが、ベッキーがサーシャのバンク・ステートメントをロープエスケイプするもレフェリーの死角でビアンカのヘアーウィップ攻撃、続けてその隙にサーシャのバックスタバーも食らってしまい3カウント。王者ベッキーがPPV「クラウン・ジュエル」の前哨戦で挑戦者の1人サーシャに敗れる大波乱が起きた。

 ベッキー vs. ビアンカ vs. サーシャによるスマックダウン女子王座トリプルスレット戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。

◆“ザ・ビースト”レスナーが王者レインズに“ヘイマン裏切り”を示唆する心理戦

 “ザ・ビースト”ブロック・レスナーがユニバーサル王座戦の調印式で王者ローマン・レインズと対峙すると元代理人でもあるポール・ヘイマンの裏切りを示唆した心理戦を仕掛けてレインズを動揺させた。調印式に登場したレスナーは王者レインズを不敵に睨みながら椅子にふんぞり返って座るとレインズはヘイマンに契約書を確認させてサイン。続けてレスナーが契約書を確認することなくサインするとレインズに「契約書を読まないでサインするなんてバカなのか?」と侮辱されてしまう。

 これにレスナーは「今朝、ヘイマンと一緒に契約書を確認したよ」とヘイマンの裏切りを示唆する心理戦を展開してレインズを動揺させると嘲笑いながらリングを後にした。

 レインズ vs. レスナーのユニバーサル王座戦が行われるPPV「クラウン・ジュエル」は日本時間10月22日にWWEネットワークで配信される。