(c) AEW
CMパンクの登場がいかに大きな事件だったか数字データが証明した。AEWの新番組Rampage、鬼門とされる金曜の夜10時からの放送にも関わらず、平均視聴者数が1,129,000、18-49歳デモグラフィック視聴率0.53%と、普通は高視聴率になるハズの第一回放送、しかもクリスチャンのImpact王座戴冠という目玉を用意したデビューと比べても、前週比52.6%増という「えらいこっちゃ」の大記録と言って良い。
視聴率だの平均視聴者数だの、よくわかってない方が数字だけ報告しているのを見かけるが、重要な回と意味のない週がある。例えば前週はWWEもAEWも下がったのだが、「怒りのアフガン美国また敗北!」がいかに世界を揺るがす衝撃的なニュースであり、セクハラ告発を扱った映画『スキャンダル』でもお馴染みのFOXニュースなどはこれ1本に全リソーシズ(資源)を集中特化、圧倒的に視聴率ランキングを独占している。そういう週の場合、プロレス番組の数字出してもしょうがないというものだ。
ちなみに日本時間深夜、比較的中立のCNNや英国BBCでも、昨晩というか本日のも未だにアフガン続報がトップニュースであり、NHKから民放局まで、そりゃアフガン少しはやってはいるが、原則ひとつのものの見方を押し付けようとする日本のニュース番組は、海外に長く暮らして外から日本を見る癖がついている方には「絶対に信用してはいけない」ものの筆頭なのに、多数派の庶民はわかってないままという日本の七不思議のひとつである。
さらに、Rampageの1,129,000がいかにとんでもない数字であることか。なにしろ、Dynamiteは現地水曜夜8時から10時のプライムタイム(日本表記ゴールデン)だが、Rampageは地上波FOXで「金曜夜8時」から放送される2時間番組(平均視聴者数2,102,000、18-49歳デモグラフィック視聴率0.57)終了後から始まる、ケーブル局TNTの番組であるだけではない。一般的に金曜夜というのはテレビ業界的にはなにをやっても数字取れない魔の曜日として知られている。なにしろ1978年のディスコを題材にした映画『Thank God It’s Friday』を持ち出すまでもなく、普通は金曜夜は外に出るものだからだ。
これでデモグラフィック視聴率でAEWが年内にWWEを抜く目標が現実味を帯びてきた。本誌がたびたび「地殻変動」を指摘するようになってから、まだ多くの日数はたっていない。
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’21年09月02日号CMパンク-SスラムTakeover天王山 新日巡行 湘南プロレス Mミラー号