[Fightドキュメンタリー劇場③] 在位7年余!新日本プロレス黄金期アントニオ猪木:闘魂NWFの軌跡

[週刊ファイト8月5日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼Fightドキュメンタリー劇場③ 井上義啓の喫茶店トーク
 在位7年余!新日本プロレス黄金期アントニオ猪木:闘魂NWFの軌跡
 by Favorite Café管理人
・NWF世界ヘビー級選手権試合ジョニー・パワーズvs.アントニオ猪木
・「ジャパニーズレッグロック・クラッチ~長崎は今日も雨だった~」
・「世界最強タッグ決定戦」猪木&坂口vs.テーズ&ゴッチ


 昭和プロレスへの郷愁は果てしない。コロナ禍でお家で過ごすことが多くなり、「過去の映像を見直す機会が増えた。藤井敏之さんの『浪速のアントニオ猪木』連載が染みる」とか、「昔のVHSをDVDに焼くのにどうしてますか? 効率的なやり方があればご教授願いたい」まで、前号の感想に添えて読者コーナー宛のメールにあったこともあった。なるほど、アントニオ猪木デビュー60周年ブルーレイ4枚組が発売予定なのもビジネスチャンスと捉えたに違いない。
 今回は「アントニオ猪木:闘魂NWFの軌跡」として、前回でも取り上げたジョニー・パワーズに焦点を当て、『闘いのワンダーランド』(FIGHTING TV SAMURAI!)第三回放送だったアントニオ猪木がNWF世界ヘビー級選手権を奪取した試合放送後の、I編集長の「喫茶店トーク」を軸に再検証を試みる。
 さらには新日本プロレスの夜明けを告げた「世界最強タッグ決定戦」猪木&坂口vs.テーズ&ゴッチにも踏み込み、なぜにジャパニーズレッグロック・クラッチが♪長崎は今日も雨だったになるのか、I編集長節を堪能していただく。

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■ 闘いのワンダーランド #003「I編集長の喫茶店トーク」(1996.12.4放送)
1973.12.10 東京体育館
<NWF世界ヘビー級選手権試合>
ジョニー・パワーズ vs. アントニオ猪木

「NWFのベルトについて」

1990年9月、A・猪木デビュー30 周年記念大会。J・パワーズ、最後の来日。

(I編集長) やっぱりパワーズはね、NWAの主力になりきれなかったという、そこから出てきてるんでしょ。だったら自分で団体を作ろうということで、NWFという団体が旗揚げしたわけでしょ。だからこれはハッキリ言って新団体ですよね、これ。あとはNWAに対抗する意味で作ったものであって、そこでパワーズがチャンピオンになってやっとったところに猪木が目をつけた。目をつけたというよりも、東京プロレスを旗揚げした時にパワーズが来てますからね、そこに繋がりがあるわけですよ。だから電話一つでね、「どうだ」という話になる訳でね。

 それだったらこっち(アメリカ)に来いと、パワーズにしてみればね。猪木を呼んでタイトルマッチをやろうと、いうことがあって、北米タッグみたいなものでもね、向こうではNWFタッグと言っとったかもしれないけども北米タッグですよね、これもあったし。だからそういったところがそもそも取っ掛かりですよね。

(I編集長) 結局あのー、(のちに)新間さんがね、新間さん個人の(NWA)加入ではあったんだけども、やっぱり加入しておったことは間違いないんでね。そうするとやっぱり全日本プロレスのほうもPWFのほうをね、始めは「世界」と付けておった。(NWAサイドから)「これを取れ」ということで取ってしまったでしょ。それでしょうがなしに取ったということでね、あんまり意味は無いんですよ。

 大体「世界」と名乗るのがおかしいんであってね。だからNWAの方からね「世界を取れ」と言われたから取りましたじゃなくて、始めから「世界」なんてのは付けなくていいようなもんだけど、やっぱり団体が違うんでね、それだったら「世界」を名乗ろうということでしょ。

(I編集長) まあ猪木にしてみたらね、そりゃNWAのチャンピオンのベルトを締めたかったでしょうよ。WWFのあのチャンピオンベルトもね、締めて世界を興行打って回りたかったんでしょうけれども、それはまあ出来ないからね。だからハッキリ言えば仕方なく獲得したベルトだけれども、そこはねやっぱり猪木という卓越したレスラーが、あのNWFというハッキリ言えば誰も知らなかったベルトをね、あれだけの権威のあるものにしたんだからね。

 だから、ベルトとかチャンピオンシップとかいうものは、それ自体が権威を持っている訳じゃないんですよね。それを磨き上げるレスラーがおるかおらないか、だから猪木がね、締めてなかったらNWFというベルトも、それからあのチャンピオンシップもね、ま、ハッキリ言って存在してないんじゃないですか?

 存在はしてたかもしれないけれども、ファンが権威も何も認めないし、そういえばNWFというタイトルがあったなということでね、ですからNWFというのはハッキリ言ったら最近(1996年)の若いファンにしてもだね、なんかNWAと同等の権威を認めてますよ。これはやっぱり猪木が必死になって作り上げたね、血と涙の結晶でね。だからそういった点で猪木が言っとったことはホントだと。我々もそう言ってたですよね、「チャンピオンシップというのはNWAだから、AWAだから良いんじゃないよと。それを持っているレスラーがね、いかにチャンピオンシップに相応しいね、試合をし、ファンを沸かせるかと、そこで権威が出てくるんだからね。NWAだからといってね、AWAだからといって、ハッキリ言えばそんなに有難がることじゃないんだというね、ことは僕らはしょっちゅう言っとったはずですよ。

 それをまあ、実践してくれたのが猪木でね。そういった点では僕らは感謝してますよ。やっぱり僕らが言っとった事をね、「見てみい!、正しいぞ!」と実証してくれたのが猪木だもんね。

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