直前Double or Nothing有観客AEW現地金曜深夜:志田光1年以上

(c) AEW

■ AEW Dynamite
日時:5月28日(現地時間)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズプレイス

 NBAプレイオフの影響で現地水曜夜の時間枠が使えなく、来週もこうなりそうとのことで、そこがTNTからTBS局に移行する理由なのである。金曜の地上波SmackDownが終わってからの深夜放送になってしまった今回のDynamiteだが、すでに限定的に500人以下とかお客は入れてはいたんだが、その今回からフルにお客を入れての大会開催となり、やはり生のお客の声援が凄い。お客さんあってのプロレスなのである。ただ、もともとAEWは公式写真のプレスへの配布がやたら遅い欠点があるのだが、今回の写真到着の異常な遅れは、どうやら後述する「志田光スペイン語実況」の問題があったと推定せざるをえない。「見る本」を掲げる本誌の場合、早くから中継見ていても原則として写真到着を待ってから出すことにしている。結果だけ知りたければ、一般ファンのSNS含めていくらでも知ることが出来る時代だからであり、本誌はそれらに左右されない独自の分析が売りだからだ。


 トップバッターで出てきたのはさらしを巻いてきたダービー・アレンが、コフィン・ドロップでよく知らないセザル・ボノーニをフォールする短い試合から。掴みはバッチりか。当然、そのダービー君をガチで階段落としにしたイーサン・ペイジとスコーピオ・スカイが出てきて、日曜には俺たちの伝説が始まるとやって、ダークオーダー軍が出てくるという、お約束のPPV大会煽りにしていた。


 次が襲名演説によりアメリカン・ドリーム、コディ・ローズとなったナイトメア・ファミリー長と、分派してQTマーシャルのThe Factoryがゾロゾロ出てきた元ボクシング英国代表アンソニー・アゴーゴーの体重測定セグメント。要するにWWE流のテーブルを挟んでの調印式じゃつまらないとばかり趣向を変えたのだろうが、なにしろそれを仕切るのが元ビッグショーの大巨人ポール・ワイトだから、体重を測られる側ではあっても、測る側をやったことないようで、モタモタ、モタモタなかなか数字を出せないという失態セグメントに。まぁ数字は218ポンド(98.8kg)に219ポンド(99.3kg)と、要するにほぼ一緒だったのだが、アンソニーによると「1ポンド重いから俺が勝つ」と、意味不明のロジックでマイクなのも???だった。


 ハングマン・ペイジとジョーイ・ジャネーラのシングル戦は、相変わらずキレの良いバックショット・ラリアットが決まるフィニッシュ。ただ、その前にどこで切ったのかペイジがガチ流血になってしまい、最後のマイクの場面なんか血がポタポタの絵に。これはアクシデントなので仕方がない。PPVの直前回だからお約束でブライアン・ケイジが出てきて対決を煽っていた。


 PPVのケニー・オメガの世界王座戦がWWE流の3way戦でPACにオレンジ・キャシディと発表されて、AEWらしくない、世界王座戦はちゃんとシングルにしろと批判はあるののだが・・・。
 司会のトニー・シェバーニがオレンジ君を呼び込むが、出てきたのはPACという、これはお約束かも。「チャンピオンになるのは俺様」とやるんだが、そこに封筒を持ったオレンジ君がいつもの無言であらわれ、渡された封筒の中身はリング上で失神してしまった事故を受けて、試合放棄を迫る書類が粉々に破られているというオチに。ということで予定通りに3way戦やります。ケツ自体はわかりきっていても、どうクリエイティブにやってくれるのか、それは楽しみなのである。オレンジ君はケニーにもPACにもオレンジ・パンチを見舞っていた。


 ムキムキ女ジェイド・カーギルのマネージャーは、やはりマーク・スターリングに正式決定ということで、以前ハングマン・ペイジのマネージャー役をやろうとして痛い目にあったマット・ハーディと違い、勝った時だけ%が入る契約なんだそうで・・・。ということでよく知らないカイリン・キングに数分でフェイスバスター決めてました。


 元ルセフのTNT王座戴冠後の初防衛戦はトップフライトのダンテ・マーティン君がシングルで挑むカードだから、もう半殺しの目に合うという・・・。ゲームオーバーが決まったあと、ジェイク・ロバーツとランス・アーチャーが出てきてPPVでの対決を煽っていた。


 日本風というか、恐らく現地で買ったんだろうがドレス姿も素晴らしい志田光の登場。AEW世界女子王座の戴冠日数が1年を超えているということで盛大に祝うだけでなく、新しいベルトも披露されるセグメント。もっとも、ということは・・・なのであって、お約束で出てくるDr.ブリット・ベイカーが毒舌を振るうだけでなく、観客もD.M.D.と合掌するのだからお客さんがいると違うなぁ。
 志田は1年前、「お客のいないところで戴冠して・・・」と、ちゃんと英語のスピーチもなんの問題もなくこなしていたんだが、以下は現地媒体の受け売りになるが、なんでもスペイン語実況アナウンサーのウィリー・ウルビーナが、アジア人特有のアクセントをからかうコメントをやったようで、なんと解雇処分になってしまう事件が勃発。どこがオカシイのかと、正直よくわからない。NXTの紫雷イオの英語は、あちゃ~、日本人にはわかっても多分通じてないと危ぶんでいたら、ほどなくしてもう日本語で通して英語字幕が流れるのに変わっていたものだ。しかし、志田はずっと英語でマイクもやっているし、そんなのアメリカ人でも、南部の方のは何言ってるのかわからないとか、現地人でもレポートやる本誌が困ることなど多々あるのだが・・・。重ねて志田のスピーチは立派だったと明記しておきたい。
 なにしろ米国でアジア人への差別犯罪が多発していて、バイデン大統領が新たに法案まで作って沈静化を図っている最中という社会情勢もあるのだろうが、それにしても即刻解雇というのはトニー・カーン代表も決断が速かった。


 先に私服で出てきていたイーサン・ペイジとスコーピオ・スカイが、ダークオーダー軍のスチュ・グレイソン&イーヴル・ウノを下すのは直前回として順当か。イーサンのイーゴズ・エッジがウノに決まるのだが、ゾロゾロとスティングマスクが出てきてと。ウチ、1名は本物だったという・・・。

 公式試合としては6年ぶりとなるスティングと、ダービー・アレンのペイント同盟ベビーフェイス組、果たしてどうなることやら。乞うご期待。


 番組トリはクリス・ジェリコ&インナーサークル軍のお出まし。さすが入場♪Judasの大合唱も本物のお客さんの生だと迫力も違って見える。サミー・ゲバラ君は「一人になった時、どれだけ困ったか」とやれば、復帰したサンタナ&オルティーズもインナーサークルの結束を語る。そしてジェリコ親分はTシャツのデザインのパクり通り、「俺たちは97年のガンズ&ローゼスなんだ」と泣かせてくれるのだ。


 ところが、大型スクリーンには憎きピナクル軍が、ジェリコの親友にして千の技を持つ男ディーン・マレンコが縛られ捉えられているではないか。慌ててデイリーズプレイスから、隣接するトニー・カーンの親父がNFLチーム・オーナーを務めるTIAAバンク・フィールドに向かうインナーサークル軍。しかし、それは罠であり、MJFらに返り討ちに合う展開に。
 勝ち誇るピナクル軍、PPV『Double or Nothing』は必見である。


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’21年06月10日号ノア AEW チャクリキ JapanKick ねわざワールド Ken片谷 藤永幸司