WWE殿堂’20 JBL-獣神-nWo⇒’21 RVDからケインまで3時間濃縮正解!

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■ WWE Hall of Fame
日時:4月6日(放送解禁、録画番組)
会場:米フロリダ州セント・ピーターズバーグ サンダードーム(トロピカーナ・フィールド)

 海外の視聴者にはいつも通りのWWEネットワーク視聴なので関係ないことなのだが、米国内がピーコックのみの配信になったことでHall of Fame on Peacockがさかんに使われることに。なぜに前年の殿堂式典が飛んだからと、今年に2回分を詰め込んでやるというロジックには賛成しかねるのだが・・・。そのNBCグループ、ピーコックの要請により3時間(2020年、2021年各90分)に絶対に納めろということで、これまでのフォーマットはインダクター紹介者と受賞者という体裁だったのが、まず紹介者はナシに。また、選手によっては延々と長いスピーチをやってしまったのが3分以内の制約になり、結果論だが、それにしてもちょっと多すぎる問題はともかく、濃縮仕様は大正解か。それはまず誉めないといけない。


 2020年はJBL(ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)から。ふ~んというトップバッター選択なんだが、奥さんがウォール街の名のある証券アナリストなので、紹介ビデオは投資家ギミックも強調。若手時代のドイツで、フィット・フィンレーがナイフを持ってと、JBLにつきまとうロッカールームの警察沙汰を半ガチ演説してたんだが、恐らく長すぎて編集されているから、よほど詳しくJBLのキャリアをフォローしてないと、なんのこっちゃ?と思ったかも。


 WWE内ではブリティッシュ・ブルドックこと故デイビー・ボーイ・スミスの殿堂入りは、MLWを離脱したハリー・スミスが売り込んでいたものだがオカシクはない。あのマチルダのひ孫らしいブルドック持参でのスピーチは、例のウェンブリー・スタジアムを8万人埋めたブレット・ハートとのインターコンチ王座戦などが軸だったが、ダイアナ未亡人がやせてしまっているのが気になった。

◆獣神サンダー・ライガー「本当にプロレスラーやってて良かった」喜びの受賞スピーチ

 やはり獣神サンダー・ライガーは日本からの映像出演のみだった。米国現地時間4月6日に配信された名誉殿堂「WWEホール・オブ・フェーム」の記念セレモニーに映像で出演すると、「本当にプロレスラーやってて良かった」と喜びの受賞スピーチをした。今年の「WWEホール・オブ・フェーム2021」は昨年式典が中止となったものの2020年に殿堂入りが発表された獣神サンダー・ライガーが参加。中邑真輔、ダニエル・ブライアン、レイ・ミステリオ、フィン・ベイラーが称賛コメントを送る中、映像としてタキシード姿で登場した獣神サンダー・ライガーは日本語、英語字幕で「この度はホール・オブ・フェームという由緒ある賞を頂きまして本当にありがとうございます。僕自身興奮しております。全身に鳥肌がブァーと立っています。インタビューを受けていますけど、こんなに緊張するインタビューは初めてです。このホール・オブ・フェームという賞を頂いたんですけども、それに盾とリングまで頂きました。身に余る光栄です。本当にプロレスラーやってて良かったと実感しております。本当にありがとうございました。Thank you all so much. Thank you all my fans in WWE」と受賞の喜びを語り、この模様はWWEネットワークで全世界に配信された。

◆WWEジャパン公式リリースより
 尚、「WWEホール・オブ・フェーム2021」では今年新たに殿堂入りしたロブ・ヴァン・ダム、モーリー・ホーリー、エリック・ビショフ、ザ・グレート・カリ、オジー・オズボーン、リッチ・ヘリング(ウォーリアー・アワード)が登壇や映像で受賞スピーチをすると、最後に登壇したケインは家族、妻、WWEスタッフ、ファン、アンダーテイカーやポール・ベアラーらWWEスーパースターなどに感謝を伝えると「こんな俺がWWE殿堂入りすることができるのだから、皆さんも何ができるか想像してみてください」と語りかけて締めくくった。
 さらに「WWEホール・オブ・フェーム2020」では2020年に殿堂入りが発表された獣神サンダー・ライガー、JBL、故ブリティッシュ・ブルドッグ(デイビーボーイ・スミス)の家族、ベラ・ツインズ、ウィリアム・シャトナー、タイタス・オニール(ウォーリアー・アワード)が登壇や映像で受賞スピーチし、最後に登壇したnWoはハルク・ホーガンが「2020年のWWE殿堂入りを果たした。nWoは永遠だ。なぜならメンバーたちがToo Sweetだからだ」と締めくくり、多くのファンがリモート観戦するこの会場でその功績を讃えられた。


 セレブ受賞者も映像出演なんだが、カーク船長ことウィリアム・シャトナーがカナダ人というのを記者は失念していて、へぇ~そうだったのかと。モントリオール出身だそうで、地元出身のレスラーを特に応援していたとか言うんだが、「なんで俺が? まぁいいか」みたいなこともチラっと言う短い内容に。ただ、入場曲テーマCDの前口上出演したり、2020年版の司会だったジェリー・ローラーと絡んでRAWに出ていたのは事実である。


 ベラ姉妹の殿堂入りは文句ナシかも。日本で放送されなかったから知られてないかもだが、リアリティー番組Total DIVAで女性客をプロレスに引き込んだ功績もある。


 タイタス・オニールと言えば、あの入場の時に走ってきて、リングを前にドテっと派手にコケる珍場面がどうしても先立つのだが、ウォーリアー・アワードになったと告知した際もピンと来てなかったのに、こんなにチャリティー活動に熱心で、本まで出しているというのは、どこかでやっていたのかもだが忘れていた。うまくビデオ・パッケージでそこら辺りが紹介されている。正直、スマンかった。


 WWEネットワークの番組としては2020年版と20201年を別々にわけてあって、建前上の前年度のトリを飾るのはnWoである。すでに個人として殿堂入りしているハルク・ホーガンらはともかく、X-PACことショーン・ウォルトマンにとっては初の受賞のようで、彼からスピーチでそれぞれが少しづつコメントしたが、紹介のビデオ・パッケージはよく出来ていた。
 nWoと言えばFor LIFEのキャッチフレーズがあるのだが、まさに永遠、そうなっているのだからこのまま『レッスルマニア』にも出るとかやっていたが、その永遠性に関してケビン・ナッシュの「音楽界のビートルズほどではないが、俺たちはレッド・ツェッペリンにはなった!」という喩えはどうなのか。そりゃまぁnWoのTシャツは四半世紀たっても日本でも売られているにせよ、ちょっと言い過ぎだと思うのだが・・・。



 前年の司会がキング・ローラーなのに対し、本年版はSmackDown実況のコーリー・グレイブスと、ちっこいから選手インタビューには絵的に都合が良いカイラ・ブラクストンの2名体制で始まり、なんかぐっと若返えった今年というのは考えたものだ。
 そしてトップバッターがRVD(ロブ・ヴァン・ダム)なのは大変に喜ばしい。だいたい、悪口やれと言われたら、WWE殿堂なんか専門媒体目線ではなんの権威もなく、単に「ビンスの気まぐれで選んでいるだけ」なんだが、RVDに関するなら本人も本当に喜んでいるのが伝わってくるし、ファンにとっても、専門媒体目線でもオメデトウと言えるんじゃなかろうか。実際、RVDのスピーチは、シークやサブーに見いだされてから始まり、「なんといってもWWEユニバースのおかげ」を強調していたのが好感度アップである。


 次がモーリー・ホリーが殿堂入りって、その選考基準が「え?」ではあるんだが、これは仕方がないというか、女子が一人もいないと今のご時勢、政治的によろしくないので無理やり入れたのが真相か。もちろん悪い選手ではなかったし、今だとデイナ・ブルックスみたいな試合していた印象なんだが、女子の場合は近年、急激にレベルが別次元なんでその段階にくるまでは暫くこうなると。ただ、ちょうど日本ではジュリアの坊主頭が話題になったばかりを持ち出すなら、この人も丸刈りやった唯一の女性というか、WWEの場合はあとはビンス・マクマホン御大となるので、そこは偉かったことに。また、モーリー自身は自分が選ばれた事情をよくわかっているお利口さんであり、途中からWWEのスタッフ陣の名前を延々と(恐らく画面には見えないプロンプターから)大勢読み上げて、「彼らの功績なくしてWWEはない」とやったのは二重丸である。これまた好感が持てたのだ。


 インド市場が重要だからと、あの下手くその典型選手だったグレート・カリが殿堂入りというのは飛ばすとして(笑)、オジー・オズボーンはかの『レッスルマニア2』の故キャプテン・ルー・アルバーノとの絡みから数々のRAW出演や、PPV大会のテーマ曲としての演奏回まで、紹介ビデオはうまく編集されていたから敬意も感じられて良かった。但し、セレブ受賞者のスピーチは短くて良いにせよ、ロスの自宅からの映像は1分もなく、2020年1月、パーキンソン病を患っていることを公表して以来、72歳の現実を見せられたのはメタル信奉者にはショックだったかも。


 エリック・ビッショフの殿堂入りは当然だろう。まぁ本人は「次がまだある」とか、例によって大げさにやってはいたんだが・・・。今回の番組構成は、現役選手らがバックステージでちょこっとコメントするのも挿入される形で、それは効果的だったのかどうか不明。ただ、一部、関係者が出てくる場合もあり、エリックのところではソニー・オノオがちょこっと出ていた。あと、全編を通じて、やたら翌日のNXT2連戦や、4日後のレッスルマニアのCMが入るのも意味不明。そっちを見て、殿堂入りまで見ないという方が多いんだから、熱心に殿堂式典まで見るユニバースは、間違いなく本戦は”必見”だから不要なのではなかろうか。


 なんか半世紀もWWEに勤続というリッチ・へリングさんが今年のウォーリアー賞ということで、そんな奇特な人もいるんだなぁとセミ順番ながら割愛するとして、トリはケインこと、現テネシー州ノックス郡郡長、英語ではMayorなのでわかりやすく市長としておくが、政治家になられたグレン・ジェイコブズ氏。彼だけ3分超えても構わないメイン扱いで、紹介ビデオも、あのTeam Hell NOのダニエル・ブラインと、レストランでYES YESとオーガズムを叫ぶメグ・ライアンに最後は同調するビリー・クリスタル役、映画『恋人たちの予感』のパロディ名場面も。もちろん、メイ・ヤング婆さんが、「あのテーブルと同じメニューを!」と注文する究極のオチまで、かの傑作パロディを含む紹介ビデオのハイライト、ケイン時代以降には絞ってあるが大変良く出来ていた。
 そしてスピーチでは、「アンダーテイカーとケインのSaga(武勇談)こそが、WWEの作ったストーリーの最高傑作である」と言い切ったのも、説得力があったと思う。ということで、最後は例のキメポーズで、サンダードームに火柱が上がって式典は無事に終了した。


◆レッスルマニアの舞台ができるまで

 レッスルマニアの舞台セットのデザインは、1998年のレッスルマニア14からジェイソン・ロビンソンが担当する。ロビンソンが手がけるセットに転機が訪れたのは2001年のレッスルマニア17。久しぶりにスタジアムに戻ったことから上司であるエグゼクティブ・プロデューサー、ケビン・ダンに「何か違うことをやろう」と提案し、その年からレッスルマニアのセットは会場の大きさと共に成長していった。ロビンソンは90年、大のファンであるメタリカのツアー、そしてスターウォーズから形や色使いなどデザインの影響を受け、特に「スターウォーズ/帝国の逆襲」での深い青、紫、オレンジをバックにしたダースベイダーとルークのライトセーバーでの戦いに衝撃を受けた。ロビンソンのデザインは約半年前に会場を視察に訪れることから始まり、何が違うのか、そのスタジアムの特徴的な部分、そしてどんなショウにしたいかなどイメージを膨らませる。そして様々なアイディアを出し、議論を重ねると、「デザインの神が降りてくる」瞬間がある。その方向性にダンからOKが出れば、その実現に向けてさらにアイディアを出し合い、常に何か新しいことができないかを模索する。毎回レッスマニアの前夜は、セットに囲まれた静かなスタジアムで、それまでのプロセスを振り返り感慨に浸ると言う。

自らが手がけたレッスルマニアデザインでのトップ4には次を挙げた。
1.レッスルマニア29:会場を下見した瞬間に「ここにブルックリンブリッジを作ろう」と話し実現した

2.レッスルマニア33:最初に「ここにテーマパークを作ろう」と言った時はみんなに2度見された

3.レッスルマニア24:スタジアムは広々と使えたのでマイアミのリゾートをイメージしてホテルを建てた

4.レッスルマニア34:ニューオリンズのお祭りマルディグラのマスクのイメージは「神が降りてきた」

 今年のセットについては「今年のスーパーボウルの会場でもあり、多くの人がスタジアムは見たことがあるでしょう。今度はWWEの番。WWEならではの違った見せ方を楽しみにしていて欲しい」と話した。PPV「レッスルマニア37」は日本時間4月11日(日)、4月12日(月)朝9時から2日間に渡りWWEネットワークで配信。さらにJSPORTSオンデマンド他ではPPV「レッスルマニア37」の日本語実況版(カイリ・セインのゲスト解説)を4月14日(水)、字幕版を4月18日(日)から配信開始することが決定している。


◆紫雷イオが王座戦に自信!「お前は私を倒せない。タイトルは私の物だ」

 日本時間4月8日、9日の2日間に渡って行われる「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」のグローバル記者会見が行われ、NXT女子王座戦で激突する王者紫雷イオと挑戦者ラケル・ゴンザレスが出席した。王座戦での戦略を質問されたイオは「あきらかにラケルは私より体格が大きくて力も強いのはわかっている。私は彼女より高く飛べる、早く走れる、そして彼女よりスマートだというとこがあるのでそれを使って勝ちます」と自信を見せた。

 また勝つ自信がどこからくるのか問われたイオは「チャンピオンとして私は今まで日本やそれ以外の国のタイトルをたくさん保持した。そしてこのタイトルも300日間保持した上で言えることは、チャンピオンは責任感があって真面目でスマートでなければいけないということです。最近覚えた印象的だった言葉は「ミートヘッド(ばか)」ですね。彼女がミートヘッドなのかどうなのか試合でわかると思います」と王者としての経験の差を指摘した。

 するとこれに対戦相手のラケルは「私もどれだけイオがスマートなのか分かるわね。イオは私がミートヘッドだから心理戦を仕掛けるだろうけど、今夜はよく寝れるといいわ。明日はイオにとって嫌なことが起こるから」と皮肉まじりで答えた。さらにラケルが「何が起ころうとも王座奪取のチャンスを掴むわ。タイトルが私に相応しいことを証明する」と意気込むとイオも「お前は私を倒せない。これ(タイトル)は私の物だ」と感情的に答えてヒートアップした。
 「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」は日本時間4月8日、9日の2日間に渡って行われ、イオ対ラケルのNXT女子王座戦は日本時間4月8日にWWEネットワークで配信される。

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’21年04月15日号新日両国 スターダム横浜武道館 WWE殿堂NXT最高 SEAd ActZ 石川修司