レスリング魅せるNXT最高峰証明!アンディスピューテド・エラ解体へ

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 どこぞの団体は乱入、介入反則、レフェリーバンプに交代リピートで迷走しているが、NXTの『テイクオーバー』には一度も外れナシ。今回も世界最高峰であることを余すところなく見せつけ、全試合メインの試合順も練ってあった。短く終了したことも含めて完璧の中身充実カード大会を提供した。
 詳細拡大版は近日公開のファイトクラブ、金曜発売の週刊ファイトに収録するので、当日ブログは3試合に絞るが、第1試合の女子ダスティ杯決勝は、本誌が活字に残した通り、ラケル・ゴンザレス&ダコタ・カイが優勝。これでRAW-SD共通の女子タッグ王座挑戦権を獲得。ナイア・ジャックスにまたMy Holeを絶叫させて、シェイナー・ベイズラー組のベルトをLock ONしたことになろう。

■ WWE NXTテイクオーバー:ヴェンジェンスディ
日時:2月14日(現地時間=ヴァレンタインディ)
会場:米フロリダ州 オークランド Capital Wrestling Center

◆KUSHIDAが王者ガルガノとレスリング勝負もタイトルにあと一歩届かず
<第2試合 NXT北米王座戦>
[王者]○ジョニー・ガルガノ
 24分51秒 スリングショットDDT二連発
[挑戦者]●KUSHIDA


 ガルガノ家の登場、なぜかオースチン・セオリーが花道に現れず、恐らくデクスター・ルミスに連れ去られたというアングルなのだろうが、キャンディス・レラエとインディー・ハートウェルが探しにバックステージに消えるお膳立て設定に。つまり、どこぞの団体の茶番劇をあざ笑うかのように、この試合には外部の介入が一切ないことをファンにわからせたのだ。そして、日本流としか評しようのないねちっこい寝技の応酬から始まるストロング・スタイルの25分尺貰った至宝戦が、ゆっくりと炎を噴きあげていく。

 序盤、いきなりホバーボードロックを狙ったKUSHIDAはアーム・バーやオクトパスホールドを決めたが、ガルガノもアッパーカットやスーパーキック、ネックブリーカーで反撃。中盤にはKUSHIDAがアンクルロックからスープレックス、バズソーキックと連続攻撃を仕掛けると、ガルガノもスープレックスからトルネードDDTを決めて互角の攻防を展開した。

 終盤にはガルガノがガルガノ・エスケープ、KUSHIDAがホバーボードロックや雪崩式アーム・バーを決めて互いに大技を仕掛けるが、最後はガルガノがワンファイナル・ビートを今回用に作られたリングまで続く長い花道の固いとこに頭をぶつけ、さらに2発目をリング内に入れたKUSHIDAに叩き込んで3カウント。KUSHIDAは好勝負を演じるも王座にはあと一歩届かず、ガルガノに王座防衛を許した。世界がリアルタイム配信時代、業界関係者は全部見ている、情報知っているのだ。これがNXTの回答である。


 二度クリーンに負けて、KUSHIDAのKを出されるのも嫌だとややコミカルに演じていたガルガノ。一部にはKUSHIDAに戴冠させてやれよと現地専門筋でも事前論議されてものだが、KUSHIDAが負けたのではない。真の勝者とは中身のことである。
 試合後にKUSHIDAは「WWEとサインした理由の1つが今夜の彼との試合でした。失ったものも少しはあるかもしれないけれども、それよりはるかに得たものの方が大きかった。アメリカに来てから初めてかもしれないこの充実感。悔しかった、そして楽しかった」と大一番となった王座戦の感想をツイッターに投稿した。

◆紫雷イオがムーンサルトで3way戦制して王座防衛に成功
<第4試合 NXT女子王座トリプルスレット戦>
[王者]○紫雷イオ
 12分13秒 ムーンサルト
[挑戦者]●メルセデス・マルチネス
※もう一人はトニー・ストーム


 プリショーからじっくり見ていた方は、大抵の選手は車で会場入りするが、恐らくイオは日本時代のように大型バイクなんだろうか。歩いて会場入りする私服姿をカメラが捉えると、なんだか大阪のおばちゃんみたいなハンドバックだったのがご愛敬かも。

 ゴングを前にメルセデスがイオを襲撃して試合がスタートすると、鮮やかな色を混ぜた新コスチュームのイオはメルセデスにダブル・ニー、トニーにフラップジャックを決めて攻め込んだ。さらにイオがクロスフェイスでトニーを捕まえると、メルセデスがドラゴンスリーパーでそのイオを締め上げて3人が入り乱れた攻防を展開すると、場外戦では鉄柱に登ったイオが豪快なクロスボディを放って2人を蹴散らした。

 終盤にはトニーがストーム・ゼロやダイビングヘッドバットでメルセデスを沈めてフォールを狙ったが、イオがそのトニーにムーンサルトを叩き込んでカットすると、そのままメルセデスを丸め込んで3カウント。イオは強敵2人を相手に王座防衛に成功すると、NXT女子王座ベルトを掲げて王者としての実力をアピールした。

 試合後にイオは「イェーイ!まだ私の物だ!」と王座ベルトを持った自身の写真と共にツイッターに投稿した。

◆フィン・ベイラーが元NXT UK王者ピート・ダンを制して王座防衛
<第5試合 NXT王座戦>
[王者]○フィン・ベイラー
 25分24秒 クーデグラ⇒1916
[挑戦者]●ピート・ダン


 王者フィン・ベイラーと遺恨勃発の元NXT UK王者ピート・ダンが「NXTテイクオーバー: ベンジェンス・デイ」でのNXT王座戦で激突した。序盤、ダンはトライアングル・スリーパーやアーム・バー、ギロチンで攻め込むと、ベイラーもクロスフェイスやチョップ連打で反撃。随所にピートの指パッチンspotが緩急のアクセントとなって試合が展開していく。

 中盤にはダンが顔面へのストンプからヘッドバット、パワーボムと波状攻撃を繰り出すと、ベイラーもバックスタバーからクー・デ・グラを放ったが、逆にダンがトライアングル・スリーパーでこれを迎撃すると必殺のビター・エンドも繰り出して猛攻を仕掛けた。しかし、終盤にダブルストンプを決めたベイラーがダンの口からマウスピースを奪うと顔面にダブルドロップキック。さらにベイラーはコーナートップから必殺のクー・デ・グラを放つと最後は止めの1916と大技2連発でダンを沈めて3カウント。ベイラーが因縁の元NXT UK王者ダンを制して王座防衛に成功した。

 しかし、試合後にオニー・ローカン&ダニー・バーチがベイラーを襲撃してダンと3人がかりで暴行を加えると、そこへアンディスピューテッド・エラが現れて救出。カイル・オライリーが手を差し伸べてベイラーが立ち上がるも、いったんはベイラーとUEが仲間になったかのように整列したものの、いきなりアダム・コールがベイラーにスーパーキック。

 さらにコールはこれで口論となったオライリーにもスーパーキックを放ってアンディスピューテッド・エラは仲間割れを起こすエンディングとなった。


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