AEWアンギャロ参戦のタッグ戦線インナーサークル代表CジェリコMJF

(c) AEW

■ AEW Dynamite
日時:1月20日(現地時間)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズ・プレイス

 述べるまでもなくバイデン新大統領の就任式と重なった『水曜TV戦争』。式典は午前中なれど、夜にはそれをあらためて論説員が解説するニュース特番ばかりに加えて、ボン・ジョビやブルース・スプリングスティーンらが出演した歓迎のエンタメ番組もあることはわかっていたので、Dynamiteは次回以降のアングル展開を仕込むことに重点を置いた番組を構成してきた。Impact Wrestlingからアンギャロことカール・アンダーソン&ルーク・ギャロウェイが乗り込んでくることもあり、もともとの強みであるタッグ戦線の再紹介を軸に進行していくことになる。


 冒頭は亡くなったMr.ブロディ・リーの息子ジュニア、なぜか表記はブロディ・リー(-1)とされ、実況はnegative1と読むのだが、お誕生日を祝うダークオーダー軍のパーティから。内輪ネタばかりのBTE(Being The Elite)番組の延長というか、かなり詳しくAEWをフォローしてないとジョークの数々が一見さんにはわからなかったとは思うのだが、笑えるオープニングから。

 試合は元FMWのルーサー率いるカオス・プロジェクトに、ジャック・エバンス&アンヘリコが合体、ダークオーダー軍と戦う8人タッグであるが、いきなり入場花道からそのまま飛んでダークオーダー軍に合流したのはハングマン・ペイジだ。正直、見ていて記者も「うん?」であり、頭が混乱したのだが・・・。

 ブロディ・ジュニアの誕生日ケーキとなれば、誰が突っ込むのかはお約束なんだが、やはりルーサーだった。

 闘いはペイジがセルペンティコにバックショットラリアット、最後はアレックス・レイノルズのエビ固めでダークオーダー軍勝利となるが、ここからが『プロポーズ大作戦』になり、ジョン・シルバーがまるで「結婚して下さい」と懇願するかのように膝まづいてペイジにダークオーダー加入を願う。まだなにも答えてない段階で大型クリーンにはYESと出て、またも視聴者は混乱するのだが、やはりペイジの答えは「ごめんなさい」だった。カーボーイはグループで群れるのを良しとしないということなんだろうが、内輪ギャグに走りがちなAEWである。但し、締めてくれたのは覆面ブロディ・ジュニア君の、「馬鹿野郎、俺の誕生日は3日前だ!」というオチなのだった。


 現TNT王者ダービー・アレンとスティングのセグメント、ペイント同盟軍じゃないのかとも思うのだが、アレン君は「アンタはバット持って出てきてストリート・ファイトだが、俺はもとからストリート出身で勝負するのか・・・」と毒づいたりするから、マメにフォローしている記者でも混乱してしまう。これが「絶対にバイデン就任なんか認めない、久しぶりにプロレス中継見る」とかのトランプ支持者なら、番組の随所で展開されたアングルの数々、ますます訳がわからなくなったと危惧するんだが・・・。まぁでも、仲直りのようで、本当に久しぶりにスティングがかなり長くしゃべったのが最大の収穫かも。
 番組ではこのあとも、ケニー・オメガの住家と称する豪華な邸宅にヤングバックスがやってきて、マイケル中沢が出迎え、ドン・キャリスが結局バックスを追い払うというコントがあった。映像セグメントなので公式写真はないのだが、小切手不渡りの過去のあるImpact Wrestlingにキツイ内輪ネタで毒づくバックスとか、詳しくない視聴者、一見さんにはなんのことかもわからなかった懸念アリ。笑えたのはリヴィングに飾ってあるオメガとキャリスの上半身裸の肖像画。オメガの腹筋はともかく、今や中年のおっさんであるキャリスもバキバキ腹筋に美化されて”プロレス兄弟”が描いてあり、なんかの映画かTVドラマのパロディだと思うが、米国事情に詳しい記者でも元ネタがわからず。この辺りWWEとAEWは同罪である。作った自分たちにしかわからないスキットを嬉々としてやってしまう。


 Codyは消化試合のように図書館員ピーター・アバロンとのカードで、かの筋肉ムキムキ女ジェイド・カーギルも絡むのだが、ダメ試合認定せざるを得ない。


 ジョン・モクスリーはブルーザー・ブロディ風のニック・コモロトと顔見世紹介カードか。次週に期待!


 いかにタッグ戦線は陣容が凄いかということで、プライベート・パーティーにマット・ハーディ、トップフライトにはマット・サイダルが付いた6人タッグも。全員、素晴らしいことは保証付きである。


 ミロのヤングボーイにされ、執事の格好で出てきたチャック・テイラーは、チャールズ・ザ・バトラーと呼ばれることに。ズン胴だが明らかにレスリング強豪のレイラ・ハーシュとペネロペ・フォードのシングルは、互角勝負でデザインされていた。


 先週の内輪揉めから、インナーサークル内でどのチームが代表かを決める3wayタッグ戦。ケツこそMJFがサミー・ゲバラを丸め込んでクリス・ジェリコ親分組が勝利となるのだが、白熱のメインで目立ったのはむしろ寝る役だったゲバラ君だった。

 文字通り”内輪”のカードだから構成もよく練られておりスピディーに展開。メイン重責は立派に締めてくれている。


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