テイカー最後のお別れサバイバーシリーズ!RレインズDマッキンタイア他勝敗不問

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 日本もちょうど3連休になったが、コロナ第三派の感染拡大で「どこにも行くな」のニュース論調だったが、米国はとうの昔にベトナム戦争での死者数を上回った戦時下にあり、「州外に絶対に出ないように、家に閉じこもれ」とばかり、各知事がより最大限の警告をアチコチで発しまくるCNNニュース中継が延々と続くという、異常な感謝祭週間となった背景下での『サバイバーシリーズ』である。

 別に悪い試合とか、大きなミスとかはなかったんだが、日本時間は午前からなのに途中で早くも眠たくなるというか、もうちょっとマシなフィニッシュを考えてくれよと、深読みし過ぎてしまいがちな専門媒体としては拍子抜けの凡庸なケツが多すぎ。当然、最後は30年前の『サバイバーシリーズ』でアンダーテイカーに変身となった男の終幕回なんだが、実際にはそんなに尺とってないのに、1時間くらいやってたように思えたものだ。


 大会のテーマ音楽はコロナで発売が寝かされていたAC/DCの新作『POWER UP』から。ちょうど伊藤政則の『ROCK CITY』でアンガス・ヤングがインタビューに答えたばかりだが、テイカーさんの過去名場面にはメタリカが鳴り響く。入場にはスクリーンの電流がはじける絵に応えてかのテーマ曲がリミックスされたパチパチ音源にと、大会の音楽担当は凝ってくれていた。
 過去の大物のお友達選手がリングに招かれ、75歳の老衰を隠すためドーランを顔に塗りたくったビンス・マクマホンまで出てくるのはともかく、とくに趣向を凝らしたセレモニーだったわけではない。マーク・キャラウェイさんも「これまで多くを葬ってきたが、今はアンダーテイカーにREST IN PIACEをする時が来た」との短いスピーチのみにしている。まぁ満員のお客さん会場が可能になったら、また別の趣向をやるとは思われるが、割とあっさり消えて行くエンディングだった。

■ WWE サバイバーシリーズ
日時:11月22日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド サンダードーム(アムウェイ・センター)

<KICKOFFショー バトルロイヤル>
●ドミニク・ミステリオ
 12分00秒 場外落とし
○ミズ

◆若手プッシュと思いきや残ったドミニクをギークMIZが落とすバトルロイヤル無策から

 RAW-SD両ブランドから18人のスーパースターが集結したこの闘いで中邑真輔はセドリック・アレキサンダーやリコシェ、チャド・ゲイブル、ミズらと攻防を展開すると、エプロンのアポロ・クルーズにはキンシャサを叩き込んで場外へ脱落させた。最後の6人に残った中邑だったが、ジェフ・ハーディに捕まると低空ドロップキックを食らってしまい無念の脱落。

 試合終盤にはミズ、ドミニク、ゲイブルの3人が残るとドミニクがミズを場外へ蹴り落し、ゲイブルには619を決めて最後の1人になったと思われたが、実は生き残って隠れていたミズが背後からドミニクを投げ飛ばして優勝。ドミニクを出し抜いたミズはMITBブリーフケースをコーナーで掲げて勝ち誇った。しかし、王者vs.王者カードはすべてノンタイトル戦。ミズの出番はここまでなのであった。

<第5試合 女子王者対決>
●アスカ
 13分05秒 丸め込み
○サーシャ・バンクス

◆“女帝”アスカがサーシャとの“女子王者対決”敗戦で失意

 RAW女子王者アスカがSD女子王者サーシャとPPV「サバイバー・シリーズ」で激突するも、接戦をものにできずに“女子王者対決”で無念の敗戦を喫した。共にグランドスラムを達成した最高峰の闘いでサーシャがいきなりアーム・バーやバンク・ステートメントで攻め込めば、アスカもアスカロックを繰り出して序盤から大技の攻防を展開した。これでヒートアップしたサーシャがバックスタバーを放って「カモーン」と挑発すれば、アスカも「ワシがチャンピオンだ!おら」とヒップアタックを決めるとダンスで挑発。

 終盤にはサーシャがバックスタバーからメテオラ、バンク・ステートメントと連続攻撃を決めれば、アスカもアスカロックで切り返すとダブル・ニーで反撃。お互い譲らない女の闘いとなったが、サーシャがサンセット・フリップ、アスカがバックスライドとフォール合戦となると最後はアスカがサーシャに丸め込まれてまさかの3カウント。アスカは勝利にあと一歩届かず、茫然表情での“女子王者対決”敗北となった。

 内容はしっかりしたレスリング、この両者だから当然なんだが、カーメラが絡むこともなくなんか特別感がないというか、以前にやったカードの方が記憶に残ると評されるかも。

<第7試合 王者対決>
●ドリュー・マッキンタイア
 24分50秒 ギロチンチョーク
○ローマン・レインズ

◆レインズ非道なローブロー⇒ギロチンでマッキンタイアとの王者対決制す

 ユニバーサル王者ローマン・レインズ(with ポール・ヘイマン)とWWE王者ドリュー・マッキンタイアが “王者対決”で激突し、レインズがローブロー、レフェリーの見てないところでジェイ・ウーソ介入スーパーキック、意外にもギロチンのフィニッシュでマッキンタイアを失神KOした。

 序盤、レインズがヘッドバットからロープ、ポスト、鉄製ステップに叩きつければ、マッキンタイアもクローズライン2発からベリー・トゥ・ベリー、ネックブリーカーと連続攻撃で反撃する。さらにマッキンタイアがスピアーを放つレインズをキムラロックで捕まえれば、レインズもサモアン・ドロップ2連発でマッキンタイアを解説席に叩きつけると、バリケードを突き破るスピアーも放ったがカウント2。すると今度はマッキンタイアが渾身のクレイモアを叩き込むと不運にもレインズがレフェリーに誤爆してしまう。

 無法地帯と化したリングでレインズがローブロー攻撃をマッキンタイアに放つと現れたジェイ・ウーソもスーパーキック。さらにレインズがスーパーマンパンチからギロチンで締め上げると、替わって駆けつけたレフェリーがマッキンタイアの失神を確認してレフェリーストップ。レインズは手段を選ばない非道な攻撃でマッキンタイアとの王者対決を制した。

 SmackDown直前回のローマン帝国の台詞で、散々とユニバーサル王座が上位概念で、WWE王者はNo.2とやっていたから、ここはなんらかの介入の言い訳がつくにせよマッキンタイアの勝利かと踏んでいたんだが予想は外れに。ただ、以前のようなテロップでRAW-SDの勝敗はどちらがリードとかを一切出さなかったから、よくよく冷静に考えてみれば、最後に地上波FOXの選手がoverするとあとから気が付いた次第。全試合網羅の拡大版別バージョン深淵分析は、近日[ファイトクラブ]公開、電子書籍ジャーナル収録とする。

◆アンダーテイカー「最後のお別れ!」

 キャリア30周年の区切りに引退を表明した“デッドマン”ジ・アンダーテイカーがPPV「サバイバー・シリーズ」で開催された引退セレモニー「最後の別れ(Final Farewell)」に登場し、R.I.P(安らかに眠れ)と自身の引退を宣言した。ケイン、リック・フレアー、トリプルHらWWEレジェンド16名が次々とリングで集う中、最後にビンス・マクマホン会長が登場すると「怪我や苦難を乗り越えて30年間、世界のWWEユニバースを楽しませた。一つの時代が終わり、本日をもってお別れすることになるが、アンダーテイカーのレガシーは永遠に生き続ける」とれまでの功績を称えてアンダーテイカーを呼び込んだ。

 炎と雷、鐘の音がサンダードームに鳴り響く中、幻想的なステージからアンダーテイカーが姿を現すと「30年の間、このリングで何人ものスーパースターたちを葬ってきたが、ついに俺の番がやってきた」と過去を振り返ると、「アンダーテイカー安らかに眠れ(R.I.P)」と引退を宣言。すると会場にかつてのマネージャー故ポール・ベアラーがホログラムで映し出されると、アンダーテイカーは鐘の音が鳴り響く中、振り向かずに右腕を上げながらステージを後にした。


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▼感謝祭サバイバーシリーズ最後のお別れテイカーと勝敗不問booking

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’20年12月03日号Rizin大阪 Assemble 全日最強 サバイバー墓堀人終幕 爆笑島 修斗JKA