「困難に打ち勝つ姿を見せるのが格闘家の役目。この状況で試合できることに感謝して、TEAMニワールドの総力戦でバズーカ選手をぶっ倒して防衛します」
・丹羽圭介インタビュー
文・撮影 茂田浩司
写真提供 丹羽圭介
(プロフィール)
「無双ビート」
丹羽圭介(にわ・けいすけ)
1983年7月23日、大阪府出身。37歳。
TEAMニワールド所属。
追手門学院大学では日本拳法部の主将を務め、卒業後は俳優・モデルとして活動。その後、プロ格闘家兼インストラクターに転身し、2017年よりフリー。2018年からREBELSに参戦すると「63kg王座新設」を強くアピールし、2019年、王座決定トーナメントを制してREBELS63kg級王座獲得。
プロ戦績:29戦20勝(2KO)9敗。身長176cm。
(本文)
試合前の丹羽圭介は、分刻みのスケジュールに追われる。このインタビューも、与えられた時間は15分。
「15分後にフィジカルが始まるんです。今日は体のケア、オンライントレーニング指導、さっきまでテッペンジムで練習して、今、フィジカルをやる場所まで移動してきました。試合前はいつもこんなもんです」
それでも、丹羽の取材は15分あれば十分。常に「今、話すべきこと」が整理されているので、こちらがどんな質問をしてもスラスラと答えが返ってくる。
「今回のテーマは倒すことです」
丹羽はそう言い切った。
今年2月、KNOCKOUTでおこなわれた「無法島GP」(8選手参加のワンナイトトーナメント)の1回戦で、丹羽は古村匡平に判定負けを喫した。前に出てくる古村の攻撃をことごとくかわし、チャンスにカウンターを打ち込む作戦がハマったにも関わらず、判定は2-1で古村。ジャッジは丹羽の上手さよりも古村のアグレッシブを支持した格好だが「丹羽の勝ち」と見た人も多い。
丹羽にとっては納得しがたい判定だった。
「いまだに『あの判定はしょうがない』とは思えないです。だからこそ、あの結果を消化するには『倒せる自分』になるんだ、って思ったんですよ。悔しい思いをしただけでは『悔しさの打ち上げ花火』で終わってしまう」
珍しく、丹羽の口調が熱を帯びてきた。
「僕は『過去は変えられる』と思ってるんです。悔しさややるせない思いは自分で塗り替えて未来を作っていく。コロナの件もそうですけど、何かが起きた時にどうリアクションして、どう行動するかが自分の人生であり、今を生き抜く価値だと思うんです。今、試合が出来ない、練習が出来ない、『ない、ない』言ってるのは格闘家じゃないです。どんなに大変な状況でも、困難に打ち勝って、試練を乗り越えていく姿を見せるのが格闘家の役目だと思うんです」
「無法島GP敗退」という過去を塗り替えるべく、丹羽は「判定ではダメだ。必ず倒して勝つ」という目標を設定し、自身のバージョンアップをはかった。
「今まで『一発で仕留める』という意識はあまりなかったです。スピードと当て勘で勝ってきましたけど、さらに殺傷能力を上げたら一発で仕留められる」
丹羽は2018年にREBELSに参戦すると、REBELSとKNOCKOUTで5連勝をマーク。そのうち4試合でダウンを奪って勝利したが、さらにその先の「KO」を求めてパワーアップをはかった。
「以前、フィジカルをやり込んだ時期があって、確かにパワーは上がったんですけど、スピードが落ちてしまった。以来、自重トレーニングくらいしかやってなかったんですけど、カリスマトレーナーに出会って『もっとパワーが上がるよ』と言われて。スピードを落とさず、パワーを上げるフィジカルをやってきて、練習で進化を実感してます」
フィジカルの成果は、意外なところでも感じるという。
「実は、僕は拳と足がゴリラみたいにデカいんです(笑)。疲れてくるとゴリラ並みの拳が重くて、ガードを上げてるのも辛くなってたのが、今はまったく疲れないです。試合に向けて思い切り追い込んでいますけど、全然動けてますし」
「REBELS.65」は、コロナ対策として観客数を半分に絞っての開催となる。この大会のメインイベントに出場する責任を丹羽は強く感じている。
「こういう時にメインイベントで戦えるのは感慨深いですし、格闘家としての価値が問われる試合だと思ってます。
今回はいつも応援に来てくれる人たちが来られないんです。会社からストップが掛かってて『会場に行けない』とか、関西から応援に来てくれる人には『今は東京には行けないけどチケットだけ買いたい』と頼まれたり。チケットも早々に売り切れて、会場で見られないという人も大勢います。
こんな状況でもリングに上がれることに感謝して、格闘家としてお互いの価値が高まる試合、いいエネルギーが交差する試合をしたいですし、制限のある中ですけど、届けたい希望や思いを発信して、配信で観てる人にも『やっぱりライブで観たい』と思って貰える試合をしたい。
僕は、僕の中のKNOCKOUTの続きをやっていきますし、これからは毎回ベルトを賭けてもいいとさえ思ってます。それくらい価値のある戦いをやりたいし、これまでのワクを越えたベルトの統一戦もやりたい。
そのためにも、この状況で試合できることに感謝して、TEAMニワールドの総力戦でバズーカ選手をぶっ倒して、REBELSのベルトを防衛します。8月30日、応援をよろしくお願いします」
(了)
タイトル奪取へ気合いの師弟
「普通に戦って、普通に勝つ。押忍」(バズーカ巧樹)
「バズーカ砲をぶっ放して、ベルトは貰いますよ」(菅原会長)
「その男凶暴につき」バズーカ巧樹+菅原忠幸会長
インタビュー
「無法島」presents REBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチ 王者・丹羽圭介対挑戦者・バズーカ巧樹
PREVIEW
今年2月の無法島GPで堂々の準優勝を果たしたバズーカ巧樹(菅原道場)。実力者・橋本悟、新鋭・古村匡平を破り、決勝戦では惜しくも西岡蓮太に敗れたが、最後まで「殺気」あふれる戦いを繰り広げて観客を魅了した。
今回は「無法島GPの続きをぜひ見たい」と「無法島」(白泉社)作者、森恒二先生の強い要望によってマッチメイクされたタイトルマッチ。無法島GPでは幻に終わった丹羽圭介とバズーカ巧樹の一戦が、REBELS-BLACK63kg級のタイトルマッチとして実現した。
早速、菅原道場に連絡して、練習が終わったバズーカにコメントをお願いしたところ、返ってきたのは「バズーカ節」。
「8月30日は必ずREBELSのベルトを奪います、押忍」
「(王者・丹羽の印象は)いや、特にないです。普通にやって、普通に勝ちます。押忍」
そこで師匠の菅原忠幸会長にインタビュー。“狂拳”竹内裕二や「野生の剛腕」島野浩太朗を育ててきた名伯楽の目に、無法島GPを経験したバズーカ巧樹はどう映っているのか?
(プロフィール)
バズーカ巧樹(こうき)
1996年11月16日、千葉県富津市出身。23歳。
高校1年で「喧嘩に強くなりたくて」菅原道場に入門。
2016年4月、Krush出場が決まり、菅原会長が「バズーカ巧樹」と命名。19年2月、MA日本スーパーライト級王座獲得。
プロ戦績:30戦21勝(8KO)7敗2分。身長175cm。
(キャプション)
「バズーカはバキバキに仕上がってるよ!」というので最近の写真を送っていただいたところ、それ以上にバキバキの菅原会長とのツーショットが届いた。凄い体だ……。
(本文)
会長「バズーカは普段から全然喋らないからね」
――はい、喋っているところを見たことがないので、機嫌よく喋ってるところも見てみたいです(笑)。
会長「(笑)」
――まず、2月の無法島GPですが、準優勝という結果について会長の評価は?
会長「ぶっちゃけ、よくやったと思いますよ。だけどそこで満足しちゃったら、もっと上にはいけないし、もっと上を目指さなきゃいけない選手なんで。バズーカには『ダメだよ』って言っておきました(笑)」
――そうでしたか。
会長「実際に『無法島GPで優勝したら人生が変わるぞ!』っていう、そんな意気込みで練習してきてトーナメントに臨んだからね。だから、優勝できなかったのは本当に残念ですよ。バズーカは元々体が強くて、練習も熱心なんで、1日3試合はキツかったけど最後までスタミナもあった。決勝戦の西岡(蓮太)君は強かったですよ。ただ、負け惜しみで言うんじゃなくて、あのレガース1枚で全然ダメージが違うんですよ。特に1日3試合のトーナメントになると、そこの差もあったんじゃないかな。これがワンマッチなら、と思ってますけど」
――なるほど。無法島GPの3試合を見て、バズーカ選手は冷静に戦いながら「ここ」という場面で倒しに行く。上手さと、殺気のバランスがとても良くて、また強くなった印象でした。
会長「伸びていますよね。リングネームの『バズーカ』は15分くらいで考えたものだけど(笑)、元々、強い1発を持っている。パンチ力があるし、蹴りも強くて、爆発力があるんですよ。あと、目が良くて、反射神経がいいんで、相手の攻撃をかわすのも上手いんですよ。だから、あとはキャリアだけだったんだけど、最近は試合するごとに強くなっていると思いますよ」
――なるほど。
会長「バズーカは『とにかく強いヤツとやりたい』ってしきりに言っているんですよ。初めてMA日本キックのタイトルを獲った時、ウチはご褒美にタイに連れていくんだけど、PKセンチャイジムに行った時にスーパーライト級のすごく強い選手がいた。バズーカに『やるか?』と聞いたら、即答で『やりたいです!』って言ってましたよ」
――おお!
会長「だから、バズーカはこれから国内、海外問わず、どんどん強い相手とやらせていきますよ。まずREBELSのベルトを獲って、次はリベンジで西岡選手とやらせたいんですよ。KNOCKOUTのベルトを賭けたタイトルマッチで」
――なるほど。
会長「だから、今回の試合に向けてもすごく追い込んできて、バズーカもバキバキに仕上がってますよ!」
――毎年恒例の菅原道場夏合宿では、相当ハードな練習をされたようですね。
会長「試合を控えた総合の選手とか、いろんな選手も参加して相当追い込みましたね」
――対戦相手の丹羽選手の印象は?
会長「何でも出来る選手で、独特なステップが特徴ですよね。スタミナはあるし、手数も多いし。これといったパンチ力は感じないけど、上手い選手なんで。『倒す』とか言ってるけど、多分、上手くポイントアウトする試合をするんじゃないかな。バズーカにとってはやりにくい相手だと思いますよ」
――なるほど。
会長「丹羽選手はテッペンジムで練習しているんでしょう? 那須川会長も熱心に教えているし、いい選手が揃ってて、いい環境で練習してますよね」
――それに対してバズーカ選手は?
会長「どんどん追いかけて、追いつめて、バズーカ砲をドカンとぶっ放して、REBELSのベルトを貰いますよ。その次は、西岡選手とのリベンジマッチでKNOCKOUTのベルトを獲りに行くんで、ぜひバズーカの今後を楽しみにしててください」
(了)
■「REBELS.65」
【興行名】REBELS.65
【日 時】2020年8月30日(日)
17:00 開場 18:00 本戦開始
【会 場】後楽園ホール
東京都文京区後楽1-3-61 TEL:03-5800-9999
【主 催】 株式会社 Def Fellow
【協 賛】 株式会社白泉社「無法島/森恒二」
株式会社講談社「創世のタイガ/森恒二」
株式会社Tカンパニー
株式会社OFFICE MIRAI
備長炭焼き鳥・駅
【チケット価格】
SRS席:30,000円 RS席:20,000円 S席:15,000円 A席:9,000円 B席:7,000円
※当日は500円アップ
※6歳未満は入場無料(小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
【チケット販売所】
チケットぴあ
REBELS OFFICIAL SHOP
参加各ジム
参加各選手
ツイキャスでの有料配信は、下記より購入可
https://twitcasting.tv/kb_knockout/shopcart/15716
対戦カード
※REBELSーRED(肘有)、BLACK(肘無)
<ダブルメインイベント第8試合【無法島 presents】REBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチ 3分3回戦(延長1R)BLACKルール>
丹羽圭介(TEAM KSK/王者)
vs.
バズーカ巧樹(菅原道場/第10代MA日本スーパーライト級王者/挑戦者)
<ダブルメインイベント第7試合【創世のタイガ presents】REBELS-BLACK 女子46kg級 初代王座決定戦 3分3回戦(延長1R) BLACKルール>
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
vs.
MISAKI(TEAM FOREST/元J-GIRLSミニフライ級王者)
<セミファイナル第6試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント 1回戦 3分3回戦(延長1R) REDルール>
宮元啓介(橋本道場)
vs.
鈴木貫太(ONE’S GOAL/INNOVATIONフェザー級王者)
※鈴木貫太欠場のため中止、宮元啓介がトーナメント勝ち上がり
<第5試合 52kg級 3分3回戦(延長なし) REDルール>
濱田 巧(team AKATSUKI)
vs.
白幡裕星(橋本道場/MuaythaiOpenスーパーフライ級王者)
<第4試合 57.5kg級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
千羽裕樹(スクランブル渋谷)
vs.
龍聖(TRY HARD GYM)
<第3試合 46.5kg契約 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
平岡 琴(TRY HARD GYM)
vs.
erika♡(SHINE那覇)
<第2試合 46kg級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
山上都乃(WSRフェアテックス湖北)
vs.
木幡紀帆(BELIEF/KROSS×OVER)
<第1試合 60kg級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
井樋大介(クロスポイント吉祥寺)
vs.
斧田雅寛(KIBAマーシャルアーツクラブ)
【スケジュール】2020年 REBELS
8/30(日) REBELS.65 後楽園ホール
10/03(土) REBELS.66 新宿FACE
11/08(日) REBELS.67 後楽園ホール
※運営都合により上記予定は変更または中止される場合がございます。
「猪突猛進娘」MISAKI、負け組の意地、叩き上げのプライド「キラキラしたぱんちゃん選手に勝って、REBELSのベルトも、ファンも、根こそぎ持っていきます!」
8.30(日)『REBELS.65』 後楽園ホール大会再開!女子王座決定戦!ぱんちゃん璃奈×MISAKI!女子マッチ追加2試合発表!
8・30(日)『REBELS.65』追加対戦カード!REBELS-BLACK 63kgタイトル戦 丹羽圭介 vs. バズーカ巧樹!
※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
「もう止まらないRISE」と「止められるのか感染拡大」
※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
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