渦中のマット・リドルSmackDownデビュー!

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 世界情勢からますます取り残される一方の偏向だらけの日本の報道番組だと、だいたい2日は遅れて今頃「コロナでフロリダが大変なことになっている」をちょこっとだけ流すのだが、今回のSmackDownが録画収録された時点では、現地では大変な大騒ぎの真最中なのであるが・・・。
 中継には一部の客も入れ出してはいて、カメラが表情を捉えるなかにはパフォーマンス・センターの選手たちではない、普通のファンがニューデイの入場の台詞を唱える絵とかも挿入されるのだが、誰もマスクはつけていない。日本のニュース報道選択順位もオカシイが、WWEは社会から隔離されたおとぎの別世界になるのだろうか。但し、後ろ盾のトランプ政権は「(ホワイトハウス地下の)バンカーに隠れて引っ込んでろ!」と揶揄されている世間の流れである。

 NXTからマット・リドルのお披露目が目玉の放送回なのであるが、皮肉にも前日に専門媒体を駆け巡ったニュースは性的暴行を加えた疑惑があるというもの。すでにNXTクルーザー級の正規王者ジョーダン・デブリンにも同じ容疑がかけられているが、この種の告発は一方の側だけを報道してもそれこそ偏向報道になってしまう。リドルの場合はWWE契約前の2018年5月のことながら、WWEも公式声明で「調査する」と出しており、ドタン場で番組差し替えとかもありうるかもといった興味もあっての中継ではあった。なにしろTwitterでのハッシュタグ#SpeakingOutの世界的な広がりの流れに乗った告発とはいえ、女子選手キャンディ・カートライトによる詳細が出ており、喉元を押さえつけられて脅されたので、なんとかフェラチオだけで満足させたと具体的ではある。もっとも現地放送前の金曜午後にはデブリンもリドルも弁護士を通じて全否定の声明を出しており、番組はどうするのかとの興味があったのだが、予定通りのままに。


 冒頭は前週のおさらいからで、SmackDownにわざわざ移籍なんだから当然といえば身も蓋もないにせよ、ダニエル・ブライアンをインターコンチ王座決定トーナメント決勝で下しAJスタイルズが戴冠するダイジェストを流す。そこにリドルが登場して、「これからはBroがショーを仕切る」と宣言。そもそもAJと決勝を争ったブライアンがベルトを巻くという設定もあり、そもそも選手たちがリングを取り囲んでおり、ランバージャック式でのノンタイトル戦になだれ込むと。

日本で作ったパンツなのか「スタイルズ」とカタカナが入っているギアで闘ったAJ

 試合は当然ハイレベルなものに。これまた当然ながらBroがブロデリックを決めて勝利になるんだが、まぁそれはいいじゃないかという。いい試合を見せてくれるなら誰にも文句はないのだ。


 また、前回勝ったドリュー・グラック先生とAJが、今度はタイトル戦が次週というのもニンマリか。これでいいのだ。


 ショーティGといじめられるチャド・ゲイブルが、大男のモージョー・ロリーをやっつけるカードも。フットボールのお仲間にして花形スターのロブ・グロンコウスキーがいなくなれば、こうなるしかない(笑)。


 ジョン・モリソンとのコンビが板についてきたミズTVのゲストはマンディ・ローズ。「オーティスは私に傍にいてくれた」とか言うんだが、お約束でソーニャ・デヴィルが出てきて女神様をブン殴ったのは爽快だったかも。

■ WWE SmackDown
日時:6月20日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド パフォーマンス・センター

◆中邑真輔&セザーロが王者ニューデイを急襲して不満爆発

 SmackDownタッグ王者ニュー・デイ(コフィ・キングストン&ビッグE)とルチャ・ハウスパーティ(グラン・メタリック&リンセ・ドラド)のカードには、NXTで女子タッグ王座を防衛したばかりのサーシャ・バンクス&ベイリーが実況席に陣取りぎゃあぎゃあ茶々を入れる。

 試合はキングストン&ビッグEがミッドナイトアワーでドラドを沈めて勝利。しかし、試合終了直後に王座を狙う外国人軍=中邑&セザーロが王者ニューデイを襲撃。不満を爆発させた。中邑がビックEに強烈なヒザを叩き込むと、セザーロはキングストンを捕まえてターンバックルに叩き付けた。さらに中邑はセザーロのジャイアントスイングで旋回するキングストンに必殺のキンシャサを叩き込んでKO。
 リングを降りたセザーロは中邑と共に「もううんざりだ。俺たちは先週ニューデイを倒しているのにこの扱いはなんだ」と解説者たちに溜まっていたフラストレーションを爆発させてその場を後にした。

◆ニッキー・クロスとサーシャ・バンクスのシングル戦が隠し味!

 その前のセグメントで、今週の放送には出てこない女子選手たちが文句言ってるのだが、そこに「ニッキーがいない」とアレクサ・ブリスが探しに行く伏線があり、ニューデイの試合後に実況席でわめいていたヒール組に、突如ニッキーが急襲して、そのままサーシャ・バンクスとシングル戦になった。

 これはユニバースにとって嬉しいボーナス・トラックだったかも。二人とも番組でのシングルは久しぶりになるし、大変良く出来ていた。サーシャのメテオラが決まるが、それはどうでもいいことだ。

◆かつての“師弟”ワイアットとストローマンの因縁が再燃

 ブレイ・ワイアットとユニバーサル王者ブラウン・ストローマンの因縁が再燃した。番組のエンディングに登場したワイアットはPPV『マネー・イン・ザ・バンク』でかつての弟子ストローマンに敗戦したことを振り返ると、話を遮るようにストローマンがリングに登場した。ストローマンは「お前は王座戦で負けたんだから俺たちのストーリーはもう終わりだ」と言い放つと、突如笑い出したワイアットは「第一章は終わったかもな。でも俺たちのストーリーは始まったばかりだ。俺がお前を作り出したんだから破壊するのは俺の責任だ」とかつての師弟である2人の因縁が終わってないことを主張すると、不敵な笑いと共に(昔のギミックである)ランタンの明かりを吹き消してそのまま消え去った。


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’20年07年02日号金曜夜8時生中継 テイカー引退 川上スターダム コロナ全米拡大+告発