(c) AEW
■ AEW Dynamite
日時:4月22日(現地放送時間)
会場:米南東の某所(実際はジョージア州QTマーシャルのジム)
番組冒頭はCody司令官のTNT王座トーナメントをおさらいする録画収録セグメントから。偉くなったんだなぁと。試合は若い二人から。なにしろ現在の録画収録のDynamiteでイチバン面白いのはクリス・ジェリコの解説であって、子分サミー・ゲバラを褒めちぎる偏り実況をトニー・シェバーニとやるんだが、WWEには禁止用語が膨大にあるのに、まず「パンデミックの状況下で・・・」と平気にしゃべらせているのが大きな違いか。
試合は、リングとバリケードに渡した折りたたんだハシゴにダービーを載せて、コーナポストからサミーが飛ぶのだが、割れてくれないからかえってヤバイ。画面見ながら「痛ぁ~!」と叫んだ方は少なくないんではないか。ただ、二人とも若いから、サミーは片方の靴だけになってと、展開にも工夫が練ってあってやはりこの最初のカードが結局はイチバン印象に残った。ダービーが裏四の字ラスト・サパーで3カウント奪い、二回戦はCodyとなる。
サミーは負けようがあまり関係ないキャラなので、ちゃんと続くセグメントがBrokenマット・ハーディのプロモなんだが、広大な邸宅にジェリコを招くと言いつつ、代理で子分のサミーでもいいということのようだ。恐らく、コイツは面白いと自分で目をつけたんだと思われる。
ケニー・オメガは、オモテ向きは非公開の収録会場、ジョージア州はQTマーシャル師範のジム門下生アラン・エンジェルスであり、設定からしてもスクワッシュなんだが、ちゃんと門下生に見せ場を与えてさすがにオメガなのである。また、クリス・ジェリコの実況も、「エリートは最悪」とやるのはお約束にせよ、同じカナダのウィニペグ出身なので、本当はもの凄く買っていることは明らかなのがニヤリ。東京ドーム初対決のことも触れられていた。
SCUスコーピオ・スカイのプロレス人生を振り返るのは来週も続くようだ。正直、詳しくなかったのでそういうプロレス少年だったのかと情報はわかりやすい。親近感は倍増だろう。また、ダスティン・ローデスの、「今回負けたら引退」もやっていたんだが・・・。昔はともかく、今はそういうのはファンが信じなくなっていると思うのだが・・・。
すでにBeing The Elite(BTE)は200回記念番組が公開されているが、マット対ニックの兄弟対決ハイライトも放送されていた。
ところで悪役人気のMJFがすっと出てないと思っていたら、やはりコロナの噂があったようだ。ただ、ニューヨークとボストンの間にあるケープコッドの自宅前からのプロモ出演では、左手を吊っていて事故にあったと言ってたんだが、これは演技だと思われる。ただ、早期回復方向ということなのだろう。いずれにせよAEWはなにも公表はしていない。
ジミー・ハヴォックvs.オレンジ・キャシディも良かった。ヒール職人ハヴォックの古典芸の数々が試合を作ることは述べるまでもなく、ジェリコ先生も素で誉めてしまうのが笑える。当然キップ・セイビアン&ペネロピ・フォードのカップルが絡むことで、どさくさでオレンジ君が丸め込むのだが、勝った負けたはどうでもいいことだ。
ウォードロウが無名のjobber相手に暴れるんだけど、ウォードロウは木偶の坊ではない。ちゃんと出来る選手というのが見えるのだ。あの巨体であれだけ動けて技も的確にやれるのは、大変なことかつ希少なのである。恐らくしゃべりはうまくないからWWEは採らなかったと思うのだが・・・。
昔の人気TV『ブレディ・バンチ』をもじった『バブリー・バンチ』は、画面分割でジェリコ先生が与えた課題のダンスをインナー・サークル陣にやらせる企画。今はやりのTwitterで選手がリレーでやっているのを取り入れている。当然ブレイクダンスまでやったサミー君の優勝で、ご褒美は「消毒液」なのであった。まぁエンタメ番組で笑かせてくれるんだから、試合、試合、試合で構成しても無観客なんだから盛り上がらないということになる。
メインは「負けたら引退」を公言したダスティン・ローデスとキップ・セイビアンのTNT王座トーナメントである。これをトリにしたのは昔のOld schoolなら引退かかっているから当然なんだろうが、なんか51歳のダスティンがのろ過ぎて、正直本誌には辛い内容だった。キップが大先輩のペースに合わせてゆっくり、ゆっくりと休みを取らせながら予定通りに進めようとするんだが、もうすぐにバテて足が動けてない。引退を口にする気持ちはわかるんだが、現実にはAEWと正規契約がつい数ヶ月前にサインしたばかりであって、当然ペネロピ・フォードやブランディまで絡むことで、休む時間を与えているんだが、もういいよと・・・。
試合はお約束で、最後だけ例のくるっと回る必殺技にキップが寝てくれるんだが、編集してもこれでは次戦が思いやられてしまったのだった。
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