AEW”革命”Cジェリコ倒しJモスクリー新王者!PACオレンジCバカ受け!タッグ王座戦30分+

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 AEWの2020年というか、新たなDECADE(10年)を告げる大会名はレボリューションと。シカゴのお客は沸きに沸いていたし、これまでの集大成を披露する約束の大会になり、すでに女子王座他も一度は移動になっているから、ここはジョン・モクスリーがクリス・ジェリコを倒して新世界王者に。例によってテーブル壊しのspotではゴングに頭をぶつけそうになるなど危険度の高い流血戦だったが、MOXはやはり自虐場面もこうやるしかない。
 但し、ジェリコの♪JUDAS入場は凄いものだった。黒人女性リードを軸にした教会の聖歌隊がロック曲を歌うという、まるで昔のフォリナーがTV出演とかの大きな公演でやったようにやってからBGM曲も繋げてかかるという、予算もかけた凝ったものに。プロレスの世界内ではFOZZYはフォリナーのようなレジェンド扱いになられたのである。ちなみに、イマイチなバンドの生演奏入場も先のCodyにあった大会なんだが、そっちの方はミキシングが素人でまるで受けてなかった。大会にはひとつでイイという教訓かも知れない。


 専門家目線では、やはりこれがまともな試合としては初になるオレンジ・キャシディが会場にバカ受けしたことに尽きる。もちろん、PACが上手かったからなんだが、PACはブン、ブン、ブンの派手な試合をやる選手のイメージがあるものの、こういう相手を光らせる役割でも仕事が出来る逸材なのであった。

■ AEW REVOLUTION
日時:2月29日(現地時間)
会場:米イリノイ州シカゴ ウィン・トラスト・アリーナ

<第7試合 AEW世界王座戦>
[王者]●クリス・ジェリコ
 22分22秒 二度目パラダイム・シフト
[挑戦者]○ジョン・モクスリー
※モクスリーが第二代世界王者


 ヒールの勝利が続いているから、ここまでで既に長い大会はさすがにある程度のファンでもケツが読めたこともあり、これまた前半は観客ヒートが小さかった反省はあるにせよ、最後は盛り上がっていた。

 いつ片目のジャックをやめるのかと思っていたら、最後に「俺はちゃんと見える!」をやってパラダイム・シフトと。ベビーフェイスの勝利で終わり良ければ総て良しなのであった。

<第6試合 シングルマッチ>
○PAC
 13分00秒 ブルータライザー
●オレンジ・キャシディ


 サングラス姿、ジーンズのポケットに手を突っ込んだまま闘うとか、まったくのインディー・ギミックのオレンジ・キャシディなんだが、全国区のお茶の間向け番組では難しいだろうと思っていたものの、見事に予想を裏切ってくれて、本誌は外れた時の方が大騒ぎするお約束である。もっとも、PACの新たな一面が堪能できて、感嘆したというのは記し残さないといけない。

<第5試合 シングルマッチ>
●Cody
 24分40秒 ナックルパンチ w/優勝指輪
○MJF w/ウォードロウ

 詳しくない当日客が友人に連れられて会場に来ても、バラエティの観点から長い試合のあとに女子戦はまだわかるんだが、このカードにも尺が与えられたのはどうなのか。決して悪い試合ではないんだが、Cody副社長が(実生活では盟友のMJFと)長い試合やると言えば、誰もNOとは言わなかったのだとは思うが、トリの試合があるからハチャメチャな展開を避けた判断はわかるものの、前半普通のプロレス試合なのは正直ダレたかも。

<第4試合 AEW世界女子王座戦>
[王者]○ナイラ・ローズ
 12分45秒 ビースト(ライガー)ボム
[挑戦者]●クリス・スタットランダー

 そもそも片方がベテランならともかく、両方グリーンな選手で大丈夫なのかと心配された試合だが・・・。なんでこのカード位置なのかもあるが、やはり前のが30分強だと、会場客はおしっこに行ってコーラも買って帰るとなるのは仕方ないことで、客席が静かなのが画面からもわかってしまう。まぁ担当エージェントがしっかり付いて、3回はリハやりましたという試合ではあったんだが、その通りにやれてもお客にヒートを起こさせるか否かなので、プロレスは演劇ではないのだ。まぁ後半はなんとかお客の声援も聞こえたんだが、この日はダークマッチで里歩も坂崎ユカもシカゴに来ているのに、”異星人”クリスが本戦というのは日本の専門誌的には取り上げ辛いかも。
 実際、WWEは色んな多言語のアナウンサーがいることを延々と紹介するのだが、FITE TVはドイツ語だけのようだ。もっとも、FUNAKIとかがやっているのこそ知っているが、日本語実況でWWEネットワークのPPV見ているというファンは未だ聞いたことがないのだが(笑)。

<第3試合 AEW世界タッグ王座戦>
[王者]ケニー・オメガ&○ハングマン・ペイジ
 30分56秒 バックショット・ラリアット
[挑戦者]ヤングバックス(●マット&ニック・ジャクソン)


 新日メインのように30分やるというのは開始後スグにわかるんだが、さすがにCMで切れることもなく質の高い攻防を見せられたら誰もが「凄かった」となるだろう。ただ、ここで30分やってしまえば、あとはまた長い大会になるのかとか、ストロングスタイルを見慣れている日本のファンにしたら、やや定番展開なのかもだが、素晴らしいものは誉めておく必要があろう。

 ヤングバックスが新王者なら、オメガとペイジの仲間割れをやるし、防衛なら試合後どうするのかが注目だったが、今回は大きなアングルは打たずに、ペイジは最後には先輩にロープを広げてあげてオメガと一緒に花道を帰るのだが、例によって客にビールを貰って・・・という程度に。ただ、この時点でトリのカードのケツは読めたと思う。

 ハングマン・ペイジがトップスターに昇進した記念すべき名勝負だったことは強調して足りない。実際、声援からも”カウボーイ”ペイジにお客さんは感情移入して30分間釘付けだったのだ。革命の扉は開かれたのである。

<第2試合 シングルマッチ>
○ダービー・アレン
 5分00秒 後ろ向きコーナポストからの棺桶ドロップ
●サミー・ゲバラ

 メキシコ死者の日ペイント若者が観客のハートを掴んでいることは明らかでケツもこれでいいんだが、要は中身である。お互い業界では新人部類なのに、よくもここまできたものだという・・・。スケートボード少年が勝利してお客さん大喜び、サミーも大変上手かった。

<第1試合 シングルマッチ>
●ダスティン・ローデス
 14分40秒 ローブルー⇒スリーパーホールド
○ジェイク・ヘイガー

ヘイガーの妻がリングサイドでべちょべちょKISSしたり、ダスティンがペイント顔でその妻の唇を奪って彼女の口回りがペイントになるなどのスキッドを挟んでいたが、PPV大会のオープニングとして内容はイマイチか。

<PPV開始:女性歌手が国家斉唱>


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