(C) AEW
■ AEW Dynamite
日時:2月12日(現地時間)
会場:米テキサス州オースチン H.E.B. センター
試行錯誤を繰り返してどんどん向上していくとは、AEWがかねがね言っていることだが、例えば先週のCodyがムチ打ち刑にされる回にせよ、「あれ? いつから奥様のブランディ・ローズはベビーフェイスに戻ったのか」と思ったのは記者だけではなかったようで、あとから海外サイトを見たら「説明不足のところが多々ある」と。なんでもBTE(Being The Elite)の方で不評だったNightmare Collectiveが解散とかやったらしいんだが、あんな内輪ジョークだらけの番組なんかそこまで全部見てるわけないだろうと。過去、何度か記者も見たが、一般のファンはなんのことかわからないと推定されるヤングバックスたちの他団体までコケにするギャグ満載の番組である。ハードコア・マニア向けの内容であり、こちらではとっくにハングマン・ペイジは仲間割れになっているのだが・・・。
さらにはAEW DARKという、文字通りのダークマッチをやる番組もあって、先週の生中継前後に収録されたカードには里歩vs.実況でも”KAIJU”と紹介されていた中島翔子戦とかやっていて、こっちの方が本戦でやってる米国人選手らの女子部よりレベル高い試合内容なのに勿体ないと。まぁDr.ブリット・ベイカーD.M.D.の”スターバックス店員”トニー・シェバーニーいびりのヒールプロモは確かに面白いんだが、試合させるとまだまだグリーンであり、「暫くはしゃべりだけの出番にしとけ!」と本誌は活字にしているが、実際、今回はしゃべりだけだった(笑)。
ただ、皆様の意見を聞くAEWなんだそうで、今週はしつこいくらいに先週の番組リキャップというか、流れをおさらいするのはライト層向けにはこれでいいんだろう。ただ、MJFとジャッグルボーイ・ペリーの試合に、ブランディ・ローズがベビーフェイスとして実況席に加わったのに、はっきりした説明はないままだった。まぁ、なんでもかんでも説明し過ぎるのはよくないという意見も出てくるだろうから、ムチで叩かれて聖人になられたCodyを娼婦のマリアが「あと最後の一回だから、貴方はがんばれる!」とやらせることで、すべての禊は済んだというキリスト教圏解釈でいいんだろう・・・ということにしておく。そのジャッグルボーイ・ペリーvs.天才ヒールMJFは、やはりというか、極めて古典のレスリングをじっくり展開したのが特筆だろうか。まぁNXTで戸澤陽とリオ・ラッシュがやったような、あまりに速すぎて展開が追えない目まぐるしいスピードからしたら、ややゆっくり過ぎに見えてしまう面もあるのだが、23歳のMJFが次世代スターの筆頭なら、甘いマスク、父親の俳優ルーク・ペリーが亡くなった22歳のジャングルボーイは、女子ファン人気間違いなしだろう。
番組の順番的には、ケニー・オメガ&ハングマン・ペイジ組と、前王者SCUのフランキー・ガザリアン&スコーピオン・スカイ組のタッグ王座戦定番からで、”カウボーイ”ハングマンの人気が浸透してきたか。次に憎まれっ子のサミー・ゲバラを兄貴ダスティン・ローデスが成敗してなんだが、サミーは勝った負けたはどうでもいいキャラであり、笑かしてくれたら○なのである。
今回は里歩の女子王座がナイラ・ローズに移動という目玉カードであり、大変うまくやれたのではなかろうか。ストーリー上はオメガの愛人なんで、片翼の天使など、オメガ技を里歩がやるんだが、巨体ナイラのハードヒットで口中切っていて、ガチ流血もしていた。両者はDynamite放送が始まって最初の王座決定戦の相手でもあったのだが、お互いこなれてきて内容的には当然レベル上がっていたしスムーズにやれたと思う。PPV大会『レボリューション』を前に、「番組でも王座は移動する」をやるタイミングでもあった。里歩が出ると視聴率上がるんで、当然これで終わりではない。全米のファンは、アメリカに住んで定着してくれと願っているようだが、さて、それは本人次第ということになる。
トリは、お約束の「片目のジャック」同士のジョン・モクスリーvs.サンタナである。ただ、途中のサンタナのプロモ「親父が亡くなって・・・」はガチ内容であり、ベビーフェイスじゃないかという感情を揺さぶるものだった。試合の絵的にはあれ~? 大阪城ホールの鈴木みのる戦ではMOXは片目のジャックなんかやってないのにとか、固いことは言わないの。ニューヨークの不良プエルトリカンとは、例によってハチャメチャな試合になり、パラダイムシフトが決まっても、当然ながらクリス・ジェリコとインナー・サークルが・・・となるんだが、隠し玉はつい先日まで新日本プロレス/ROHに出ていたジェフ・コブのサプライズ登場だった。
当然ツアー・オブ・ジ・アイランドをMOXにお見舞いして次週にはシングルで戦うそうだが、米国では元PWG王者としても大物になり、AEWはまた出来る選手を獲得したことになろう。但し、現時点ではフリーだそうで、新日とかにまた上がる可能性は残されているらしい。実際、すでに発表済みのROH大会などには参戦するとのことだ。
AEWの平均視聴者は817,000人に対して、NXTは757,000人であった。
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’20年02月20日号新日大阪城 金曜8時 WWE 諸岡告訴 スターダム 全日W1 KnockOutNKB