AEWジャングル・ボーイ認知!タッグ部門強調ルチャ兄弟、SCU-ヤングバックス、ダークオーダー

(c) AEW

 来週は生中継お休みとなり、次回は現地時間元旦(水曜)になるAEW Dynamiteは、今回はメキシコとの国境に近い街なので、なんかスペイン語の選手と会場のやりとりもあったし、あえてカメラがいかにもラテン系女性客の表情を捉えたりとやっていたのだが・・・。


 そんなこともあってか、番組本戦はルチャ兄弟と、ケニー・オメガ&ハングマン・ペイジから。お約束でペイジのラリアットがオメガに誤爆してとか、エリート軍から抜けたペイジの今後を匂わす展開なんだが、お仕事役はオメガと。本人がケーフェイなし本音インタビューで、「今は自分をプッシュする時期ではなく、裏方仕事に注力しているから」と弁明するんだが、この回はメインもヤングバックスがやられる全体のレイアウトなので、正規軍エリートの分が悪い。わかって楽しんでいる大人のファンも「どうなのか」の意見が出るのは無理もない。


 ただ、繰り返し本誌の電子書籍には活字にしているが、AEWは「スポーツ志向の本格レスリングを魅せる」と言いながらプロモ時間もあればスキットというか、コントもあってバラエティ色があるのは評価すべきこと。最初からいきなりメジャー団体を植え付けた要因でもある。女子カードも売りなんだが、歯医者ブリット・ベイカーvs.異星人クリス・スタットランダーとか、まだまだ両者経験が浅いからグリーンで危なっかしい。最後の異星人のツームストーン・パイルドライバーも、歯医者の頭をガチで打ち付けたようにも見えて大丈夫なのかと。だいたい、「エイリアン」ってなんやねんとも思うのだが・・・。元旦は里歩の女子王座にクリスが挑戦とのことで、客席の里歩にもカメラが向けられていたが、こういうマッチメイクはまだまだ新興プロモーションであり、無理に新人を抜擢していることが露呈している。
 あと、本誌は最初から辛口評残しているが、ブランディ・ローズとオーサム・コングのブゥードゥー教は、「女子部門もレベルが高い」というなら失笑されている一因かと。このように、バラエティ・ショーとしてのメジャー感は大いに誉めるべきAEWなのだが、「なんじゃこりゃ?」というセグメントも目立った年内最終生中継大会なのであった。

 トランプ大統領の弾劾訴追ニュースが現地水曜夜のニュースを席巻したため、「水曜生TV戦争」は両方が大きく影響を受けたのであるが、リア・リプリー戴冠のNXTは平均視聴者795,000、Dynamiteは683,000に落ちてWWEに再逆転を許している。

■ AEW Dynamite
日時:12月18日(現地時間)
会場:米テキサス州コーパスクリスティ アメリカンバンク・センター

 ルチャ兄弟は、そもそもヒールなのかベビーフェイスなのか、会場によって違うといえばそれまでなんだが、続くはCodyがダービー・アレンと組んで、悪のザ・ブッチャー&ザ・ブレイド w/ザ・バニーという、こちらはわかりやすい構図か。ここはベビーフェイス組の勝利で、ザ・バニーこと美人のアリーの驚く顔がアップになると。お前はそれでいいか。

 今回の目玉は、やはりジャングル・ボーイ・ペリーが、「クリス・ジェリコ様相手に10分持つのか」というノンタイトル戦。そうなると、やる側・作る側から見ているなら、色々展開を想像したと思うのだが、結局10分やりあって電光掲示板のカウントダウンがゼロになると。ちょうどライオンテマーを極めていたから、「タップしたから終わりのゴングじゃないのか?」とジェリコが噛みつくのはお約束か。ちゃんと電光掲示板とはジェリコは逆の位置である。芸は細かいのだ。
 納得しないジェリコは、「5分延長だ!」と再び試合を始めるのだが、結局ケツをつけないまま数分の途中で花道に引き上げてしまうという古典の踏襲に。これでいいのだ。『ビバリーヒルズ青春白書』で名が売れるも、今年の3月に脳卒中で亡くなった俳優ルーク・ペリーを父に持ち、リングサイドには姉や母親も見守るなか、ジャングル・ボーイが王者相手に善戦すると。インディーマニアはともかく、これまで一般には知られてなかったジャングル・ボーイが、これで一気にお茶の間に覚えられたのである。


 トリは、SCUフランキー・カザリアン&スコーピオ・スカイが保持するタッグ王座に、ヤングバックスが挑戦するチャンピオンシップ。試合は良かったんだが、ケツはマットがクリーンにフォールされるという・・・。まして、そこから黒覆面のダークオーダー軍が大勢乱入してきて、ヤングバックスとSCUの両方がボコボコにされるだけでなく、救出に出てきたオメガもダスティン・ローズ(ローデス)もやられる絵というのは、なんか後味の悪い印象をテレビの前の大勢の視聴者に残した嫌いが残ろう。AEWはタッグ部門が充実している、いろんなチームが集結しているという強調はわかるのだが、年末だからお客さんはhappy endingを求めていたようにも思えた。


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’19年12月26日号TLCカイリ ActwresGirl’Z ノア金剛 1・4-5令和回顧 ラウェイ DEEP