カブキ・ウォリアーズ女子タッグ王座防衛:この十年で最後になるWWEのPPV大会TLC

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 試合順とか、当日になるまでわからない、ビンス(マクマホン)の却下が発動して、マッチメイクも変わるWWEのPPV大会だが、終わってみればアスカ&カイリ・セインのカブキ・ウォリアーズが、仲が悪いかもを匂わしたベッキー・リンチ&シャーロット組の挑戦を退け、女子タッグ王座を防衛というのがトリだった。年内最終のPPV大会というだけでなく、言われてみれば2010年台の最後のPPVになるのだが、これを飾ったのは前年と同じくアスカがベルトを手にするという絵だったのは女子革命が続いたということの象徴でもあり、感慨深いものがある。

 もっとも、信頼されて結局は25分54秒の尺をもらったTLCのタイトル通り、テーブル、ラダー、チェアーが飛び交う危険な試合であり、なんかカイリが手をケガしたようで、あと頭を打ったと。それで途中のスポット順番どうするか変えたような場面、やる側・作る側から見ていたらわかったと思うのだが・・・ちょっと心配だ。

 あと、アスカがベルト取ってのフィニッシュで終わりにすればいいのに、脇役(笑)に追いやられた男子勢の場外乱闘、あれはなんの意味があったのか。要らないと思うのだが・・・。

 大会は、本戦最初の職人リバイバルとニューディの試合、さらにいみじくも解説席のサモア・ジョーが、このカードが本当の注目と本音を口にしてしまったバディー・マーフィーとアリスター・ブラックの二試合目がイイのは当然なんだが、アリスターは鼻血になってしまう。前にもやってそれでしばらく休んでいたアゴがまたやられたのか、単なるセールの仕草なのか、鼻血よりアゴが気になったのだが、元キックボクサー、アリスターの打撃は鮮やか且つ正確だった。


 あとは良くも悪くもRAWやSmackDownのWWE展開のカードが続き、正直ダレたかも。一応は目玉のひとつである、ルセフとボビー・ラシュリーのラナを巡る遺恨戦も、例によって「セックス中毒」とラナにいじられるルセフに関して、”キング”ジェリー・ローラが解説で、「俺の最初のワイフなんかオリンピックやった」と言って、実況が突っ込むと「4年に1回だけ」というのは笑えたんだが・・・。

■ WWE TLC
日時:2月15日(現地時間)
会場:ミネソタ州ミネアポリス ターゲット・センター

◆カブキ・ウォリアーズがベッキー&シャーロットとのTLC戦を制して王座防衛

 カブキ・ウォリアーズがメイン戦で宿敵ベッキー・リンチ&シャーロット・フレアーとWWE女子タッグ王座をかけたTLC戦で激突した。序盤、ベッキー&シャーロットがいきなり襲い掛かると、シャーロットがカイリにビックブーツを放って攻め込めば、アスカはベイリーにヒップアタック、カイリも2人連携したパイプ椅子を使ったドロップキックをシャーロットに決めて反撃した。さらにカイリはリング下から持ち出した消火器を噴射すると、アスカがベッキーをロープでラダーに縛り付けて数的優位の状況を作り出した。しかし、カイリが解説席からインセイン・エルボーをベッキーに放つと、ベッキーは蹴りで迎撃してロープを自力で脱出。さらにベッキーは竹刀攻撃からアスカをレッグドロップでテーブルごと破壊して激しい攻撃を繰り出した。

 テーブル、ラダー、パイプ椅子が飛び交う白熱の攻防を展開した両チームだったが、終盤にベッキーがベックスプロイダーでアスカを投げ飛ばしてリングのラダートップまで上り詰めたが、最後はアスカがラダーに縛り付けたロープを引っ張ってベッキーを落とすと、ラダー上に吊るされたベルトを掴んでTLC戦に勝利。カブキ・ウォリアーズが強敵ベッキー&シャーロットとの激闘を制してWWE女子タッグ王座の防衛に成功した。

◆ブライアン、ワイアットを蹴散らして“イエス”チャントを連呼

 ユニバーサル王者ブレイ・ワイアットと、自宅の子供部屋に例の人形を置かれたりして家族を狙われたザ・ミズが対戦した。今回はフィーンドではないので、赤画面ではないんだが、ファイヤーフライ・ファンハウスの姿で登場したワイアットに対してミズはゴングと同時に怒りを爆発。ミズはヒザ攻撃の連打からスカル・クラッシング・フィナーレをワイアットに決め、さらに解説席や鉄製ステップに叩き付けて一方的に攻撃するもワイアットは不敵に笑って防戦。しかし、試合途中に突如表情を変えたワイアットはシスター・アビゲイル2発でミズを沈めて試合に勝利した。

 試合後、会場ビジョンにザ・フィーンドが登場すると「やったよ」と勝利を報告したワイアットはリング下から取り出したハンマーでミズを狙うと、突如フードをかぶった軍人カットの短髪になったダニエル・ブライアンがワイアットにランニング・ニーを炸裂。昔のROH時代に戻ったかのようなブライアンはイエス・キックや顔面ストンピングで攻め込んで倒れ込んだワイアットにハンマーでトドメを狙うと、突如会場が暗転となってワイアットはリングから消え去った。ワイアットを蹴散らしたブライアンは会場と共に“イエス”チャントを連呼した。再びベビーフェイスということなのだろうか?

◆ローマン・レインズ因縁のキング・コービンにTLC戦敗退

 “ビックドッグ”ローマン・レインズが因縁のキング・コービンとTLC戦で激突した。報復に燃えるレインズがステージに登場すると、いきなりコービンの警備員がレインズに襲い掛かって試合がスタート。レインズは警備員を蹴散らし、パイプ椅子で襲い掛かるコービンも殴り飛ばして客席で激しい攻防を展開すると、コービンもディープ・シックスや鉄製ステップに叩き付けて反撃。さらにコービンがドッグフード缶で殴ってからチョークスラムでレインズをテーブルごと破壊すれば、レインズもサモアンドロップを解説席で決めてコービンに追撃を狙ったが、ここで突如現れたジグラーがスーパーキックでレインズを奇襲。さらにザ・リバイバルも現れてコービンに加勢すると、孤立奮闘するレインズはスーパーマンパンチで反撃するも、最後はジグラーのジグザグ、リバイバルのシャッターマシン、コービンのエンド・オブ・デイを立て続けに食らって3カウント。レインズはコービンの策略に破れて報復に失敗した。


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’19年12月26日号TLCカイリ ActwresGirl’Z ノア金剛 1・4-5令和回顧 ラウェイ DEEP